羅臼岳/1,661m 〈百名山を旅する〉
本シリーズ〈百名山を旅する〉では記事と映像で日本百名山登山の様子をお届けします。こんな方↓は是非フォローいただき、こちらのシリーズをご覧ください。
山と旅が好きなあなた、百名山踏破を目標とするあなた、ゼヒゼヒご覧ください。『山と高原地図』や地形図を傍らにご覧いただくと更にお楽しみいただけるかと思います。今回の記事では「羅臼岳」登山のポイントや「知床連山縦走」の注意点を映像と共にお届けします。
〈ご挨拶〉
こんにちわ。
ハイカーのたかくら(@hiker.takakura)です。
アウトドアを手段に国内外の山を旅して回っています。7月の中旬に北海道の羅臼岳を登頂し、知床連山をテント泊で縦走して参りました。知床は稜線上に出ると左右に海が見えます。世界有数のヒグマ密度を誇る素晴らしい原生の自然環境が魅力的な半島です。
〈情報〉
山名:羅臼岳
標高:1,721m
日時:2021/7/10~7/11
行程①木下小屋~羅臼岳~二ツ池
②二ツ池~硫黄山~下山
映像はこちらをご覧ください。
〈詳細〉
木下小屋から羅臼岳への行程は比較的明瞭なルートかつ歩きやすかったです。途中に等高線の詰まっているエリアがありますが、うまくつづら折りになっており、ここも歩きやすかったのが印象的でした。
↑明瞭なルート、原生の曲線に富んだ森が美しい
↑トレイル上から水平線が見えると気持ちがいい
↑がさっ。熊か?・・・鹿でした。動画の通り、逃げない・・・。
↑色彩豊かな知床連山。
↑色彩豊かな知床連山。
↑大沢の雪渓は殆どなかった。(2021年7月)
大沢に出ると日陰が少なく、風が吹き抜けます。当日は幸いなことに風も日差しも弱く歩きやすいコンディションでした。近年の北海道は真夏とても暑いことがありますから注意が必要ですね。ここまでのルート上に水を得られる小さな沢が2ヶ所あります。自分はソーヤーという浄水器を信頼して使っており、海外でも小さな沢から水を得て浄水して飲むことになれていますが、抵抗のある方もいらっしゃると思いますので、そんな方は十分な量の水を持っていくようにしましょう。
大沢を登り詰めると羅臼平に出ます。羅臼平でひと休憩したら、山頂に向かいます。この山頂に向かうまでで水場があります。岩清水です。よい水でした。
↑水が天然の濾過装置を経てしみ出ている。
山頂からの景色は圧巻。全方位に景色が広がり、知床半島をしっかりと確認できます。国後島のほうまでみえました。印象的であったのは雲海と海の水平線が半島を境に並んでいたことでした。感動しました。
↑羅臼平。
↑雲海にひょっこり国後島。
↑山頂からの景色。斜里の街が見えると電波が入る。ahamo使ってます。
↑硫黄山方面。
羅臼岳の山頂を出て、羅臼平から硫黄山方面へ向かいます。ここからルートの様子は一変し、背の高いハイマツと細い道、不整地が続きます。往来する登山者数が圧倒的に少なくなるのだと地面が教えてくれます。こうなるといつ熊と遭遇してもおかしくない環境と言えます。熊鈴を使って音を出したり、大好きな松田聖子、太田裕美、ちあきなおみ、宮本浩次、坂本慎太郎を歌ったりしながら、人の存在を伝えるようにします。ラジオも有効だそうです。歩を進めていくと雪渓上を進んだり沢のようになったルートを進んだりと、かなりワイルドな環境。
↑ワイルドさが増す。
↑美しい花。花は詳しくありません。勉強しないとな。
↑笠雲。
↑「山」が象形文字であるとよくわかる。
↑雪渓を進む。
映像でもちらっと話していますが、ハイカット防水の靴を選んでよかったと思いました。ただこの靴での山を重ねすぎたせいでいよいよダメになりました。寿命で今は我が家でブックスタンドになっています。ありがとうASOLO。二ツ池の野営地につくと4~5張のテントが張ってあり意外と混んでいました。
↑設営に適した平地を教えていただき、テントを設営。
↑二ツ池。これは「地の池」。もうひとつ「天の池」がある。
ファイントラックやHAC山の会の山行記録でもこちらの平地が映っています。大切にしたい水平地です。地球上にはたくさん地面があるのに同じ場所でテントを張るというのはなんだかロマンを感じます。このテン場はとても蚊が多く、ツェルト泊の方は大変そうでした。自分がダブルウォールのテントを好んで使うのは防虫性に重きをおいた快適性のためです。「荒野は痒い」のです。
↑フードロッカー
リゾッタをポリポリと食べ、寝ました。この夜はとても穏やかで、海外のイカした図書館のオープン直後よりも静かでした。熊、怖かったですが、結局よく眠れました。翌朝、天気はまずまずでテントをたたみ、ローインパクトを心がけ、原状回復に努め、出発。
↑トイレ含むすべてのゴミを運搬。
地の池から水を取得します。知円別岳手前から山の様子が変わり、山域の表情の多彩さに感動しました。核心部はザラザラの環境で、かつ展望が悪いとリスクの高い環境かと思います。お気を付けて。
↑核心部
天国のような花畑と、熊が今にも出そうなかわいらしいトレイルを抜けていくと硫黄山にとりつきます。
硫黄山直下は四肢を使って登っていき、登頂です。感無量。
しばらく山頂を楽しんだら下山です。ひたすらに沢を降りていきます。水平線に向かって標高を下げていく道中でも様々な絶景に出会えます。
↑ごほうび。
熊の出没頻度の高いエリアになるので気を付けながら進みます。
↑ロールトップのバックパックはゴミをここに固定したりする。
↑ヒグマの糞がちらほら。
下山完了。
通行に関する書類を提出し、カムイワッカの滝で汗を流して、街に向かいます。
街に向けてロードウォークしていたところ、斜里在住の方の車に乗せていただきました。助かりました。ありがとうございました。
〈注意〉
①知床連山エリアはヒグマの生息地域です。同日に羅臼岳を登っておられる方は皆さん「熊鈴」と「熊スプレー」を持っていました。お忘れなく。木下小屋ではレンタルもやっていました。
②トイレはありませんが、携帯トイレの使用ブースがあります。お忘れなく。
③植物を踏むことなく、トレッキングポールの先端にプロテクタをつけましょう。
④羅臼平以降は風が強いですからウインドブレーカーやレインウェア等お忘れなく。
〈感想〉
素晴らしい山域です。今年で登山歴は17年になりますが、もっとも印象深い会心の縦走のひとつと言えます。まるでアート作品の中を歩んでいるような感覚でした。ヒグマのリスクが少なからずあるので、手放しにオススメできませんが、一見の価値ありです。羅臼岳ピストンだけでも素晴らしい充実感に包まれると思います。混浴露天風呂「三段の湯」に入るのもお忘れなく♨。
■ハイカーたかくら
温泉県出身。5ヶ月3000km山旅=NZロングトレイル「テアラロア」スルーハイク。登山記事の執筆。登山記録の映像表現。YAMAP安全登山アンバサダー。All About 公式イチオシスト。アウトドアを手段とした濃く深く安く楽しい長期旅=ロングトレイル=最高な山旅の知識をお届けします。
■アウトドア歴
山と川と温泉に囲まれて生まれる→兄貴達と全裸キャニオニング→家族でキャンプ→坪井山登頂→森の生活を志す→ミュアウッズ→CUCT→欧州→mont-bell→南半球→NZバリスタ国家資格取得→ウォンバットと無人島生活→大阪でコーヒーと家具の店→ROF
↑この頃からダンボールと森が好きだった
■興味
宇宙・地球・深海・精神・健康・QOL・ヌーディストビーチ・自由律俳句・種田山頭火
■夢と目標
・環太平洋火山帯ロングトレイルの踏破
・ヨーロッパ方面へのアウトドア旅
・宇宙から地球を見る
夢を叶えるために日々精一杯生きています
活動を応援いただけますと嬉しいです。
みんなで高め合いながら健やかにアウトドア・ライフエンジョイしましょう!
↑常に伝えたい4つのメッセージ。
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