上海駐在物語 エピソード0張君8

どうも!高倉JB珈琲のらいです。

お笑い芸人もしていませんし、絵本作家もしていませんし、国内最大のオンラインサロンの運営もしていません、アルバイトをしながら高倉JB珈琲で自家焙煎のオリジナルブレンドのコーヒー豆を通信販売(powered by BASE)で販売しています。この記事は、コロナで卸の売上が無くなり、個人様向け(←飲食店さんの方が私より厳しい状況)にシフトを切替えてゼロからどのように起ち上げていくのかを記録のために書いています。

こう見えて、ってnoteでは顔出していないので、どう見えているかではなくて、こんな記事を書いている私という意味で、読書が好きな、らいです(←読書好きになったきっかけの記事はココ

前回で張君との関係は終了したのですが、張君のエピソードは、まだあるので以前にもお話した通り、順不動で思い出した順番でお話したい、ん?お話?お伝え(←どっちでもええわ!)したいと思います。張君のエピソードなのでエピソードは『0』のままです(←これもどっちでもええわ!)

さて、そんなこんなで今日から新しい張君のエピソードです(←昨日の記事はココ

以前にも書かせて(←ココでは書かせてを使うんかい!)いただいたんですが、張君は普段はとても優しく良い子でした(←過去形に意味アリ 笑)なのですが、『中国駐在員あるある』かも知れませんが、『自分ができなことも出来る』と主張してきます。日本人では考えられないと思いますが…。

そんな張君のエピソードをお一つ…

ある日、私がある資料を作りたいと思ったのですが、作成時間がないため今後はこのような仕事は、どんどん張君に振ってやっていってもらおうと、張君に「張君、エクセルは使える?」と聞くと「はい!エクセル使えます!」と返事が返ってきたので、私が持っている元データをメールで送って、『エクセルでグラフにして欲しい。グラクは棒グラクで』と要望を伝え、私は張君が作る資料を元に出来るいろいろな仕事や電話などをして段取りを始めました。恐らく普通にエクセルを使える方なら5分もあれば余裕で完成できる仕事量です。張君にメールしてから、すでに20分以上は経っていたでしょう。私は張君に出来たかどうか確認しました。

張君:「いえまだです。あと少し」

私:「あと少しってどれくらい?」

張君:「10分くらいです」

私:「10分?遅くないか?もう私が指示してから20分以上経っているよ」

張君:「少し分からないことがあります」

私は席から立ちあがって張君の席まで行く。張君が使っているPCはデスクトップ型で私は張君のディスプレイを見ると、エクセルは開いているが開いているだけ状態。『ん?何が分からないのだ?』

私:「どこが分からないの?」

張君:「グラフが分からないです」

私:「え?じゃあさっきまでの時間は何をしていたの?」

張君:「何もしていないです」

私:「エクセル使えるって言ったよね?」

張君:「はい。言いました。でもグラフは作れません」

私:「それは使えるとは言わないよ。じゃあ今教えるから私が言った通りにやりながら、メモしてね」

張君:「はい。ありがとうございます」

私は張君のディスプレイを見て指をさして

私:「まずカーソルをココのセルに移動させて」

その通りカーソルが動く(←ここまでは理解して出来るんだと分かった)

私:「そこで右クリックして」

張君:・・・・・

私:「(ディスプレイを見ながら)右クリック」

張君:・・・・・

私は張君の方を振り向いた。すると、彼は右手でクリックして良いのか、それとも左手でクリックすれば良いのか迷っている…。

えっ!そこから!分からんのかい!

私:「あのねぇ~、右クリックって言うのはね…」とムダな時間をかなり費やしてなんとかグラフを作り上げた張君…。

私:「じゃあ、次は、この(紙の)データをエクセルでまとめてくれる?その後印刷して私に渡してください(←ザ・手取り足取り)」

張君:「はい。分かりました!」

数十分後に彼が持って私のデスクに来た。手渡されたA4の紙を見て、ゾッとした。

その紙に書かれているのは、罫線すら書かれていないただの文字と数字の羅列。コレ、紙のデータとどこが違うん?

私:「私があなたに渡したデータを持って来てください」

張君:「はい」すぐに自分のデスクに取りに帰り、私の元へ戻ってきた。

私は両方を彼に見せながら、「この2つ、どこが違うの?」

張君:「コチラ側(私が右手で持っているデータ)は、フルカワさんが私に渡したデータで、コチラ側(私が左手で持っているデータ)は、私が作ったデータです」

私:「知ってるわ!聞いているのは、誰が渡したとか、誰が作ったとかではなくて、この2つのデータの違いは何かを聞いています。」

張君:「・・・・・」

私:「ね?何も違っていないよね?エクセルでデータを作るということは、計算式を入れて、数字を入れるだけで自動で計算されたデータにすることが基本的な使い方です」

張君:「・・・・・」

私:「その計算式は知っていますか?」

張君:「知りません」

私:「でしょうね。これではあなたは、この事務所が現地法人になった時に仕事が無くなりますよ。こんな簡単なデータが作れないなら、経理の女性にたのめばすぐに作ってくれますから。それでも良いのですか?(←この時期から」

張君:「すいません。私、勉強しますので、頑張ります!」

私:「そうですね。本当に勉強しないとこのままでは、本当に継続雇用が難しくなります。これはもう警告レベルです。分かりますか?」

張君:「はい!分かります。私、勉強します!」

私:「勉強してください」

右クリックが分からない張君は、勉強すると言っているが何をどう勉強するとは言っていない。そこで助け舟を出すかも考えたが、一応彼の本気度を確かめてみようという私の好奇心的な気持ちが働き、そのまま泳がせることにした。

私:「では、このAという資料と、Bという資料を明日、今日教えた方法でグラフ化してください。お願いします」

そう伝えて、私はお約束している方の元へ行った。

今日もはもう事務所へは戻らない。彼には定刻になったら、帰っていいと告げて私は出て行った。

さて、あまり期待していないので、どうなることか…。

あなたの会社に約10年選手なのに、彼のような部下がいたらどうでしょうか?育てるのが良いのか?切るのが良いのか?会社の資金的余力も必要でしょう。まずは、どうなるか?楽しみと諦めと複雑な気分で事務所を出た記憶がある。

ここで、話はそれるが、私を窮地から助けてくれた、例の夜のボス、実は上海3大勢力のうちのお一方で、とても一般人、特に日本人なんてお会いできない方だと後からお聞きして、正直ヤバいと思った。今なら大変なことになる。でも、蛇の道は蛇という諺もある。とにかく、こんな日本人もいるということだけでも知ってもらう価値はあるのでは?と、彼の側近中の側近と私は仲良くなった。突然彼から電話があって、「時間はあるか?」と聞いてくる「あるよ」と答えると「オーナーさんの店で会おう。何時頃に行けそうだから」というような感じで定期的に彼がボディガードの仕事が終わったタイミングでいつも電話があるようになっていた。

彼は、あの有名な少林寺出身で、全国大会で何位(←よく覚えていない)までいった正真正銘のホンモノで、あのリーリンチェイ(←現在ジェット・リー)の先輩だと言っていた。ヤバい!ホンモノである。木に指一本で穴を掘っていけると酔っぱらうといつも言っていた。デモンストレーション的に電球をバリバリ食べたり、もう見ている我々がビビってドン引きしていても彼には関係ない!突然彼から電話が来る時は、大抵お金に困って居る時だ。私はそんなに彼に工面できるほどお金は無かったが、食事や飲み代はいつも私が払っていた。彼はよく「日本人は大嫌いだが、クチョ(←上海語でフルカワ)は違う!私の親友だ!と酔っぱらうといつも大声で叫ぶ!「クチョになにかあれば、すぐに電話してこい!」が彼の酔っぱらった時の口癖だった。しこたま飲んで、妹が待つ家に帰っていった。彼はいつも鉄の鎖とその先に鉄球がついた演技用の小道具を持っていて、ポケットに入れている時やベルトとして使っている時があった。ほんの一瞬で彼がそれを取り出す様は、まるでスナイパーのようだった。彼は、妹を養うために、ボディガードという仕事をしているらしい。これまでの彼の仕事を聞くと、到底記事には出来ないような仕事をたくさんやってきている。彼は今頃なにをしているのだろうか?体を壊してはいないだろいうか?今彼の消息を知っている方を私は知らない。元気で幸せに暮らしていることを願うばかりである。あの時は本当にありがとう!お陰様で私はこうして、元気に日本で暮らすことが出来ている。今となっては、彼の幸せを願うばかりである。

そんなことを思い出している今夜のらいです。

つづく…

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