専業主婦のハナキン

子どもたちを寝かしつけた妻が起きている…

ぼくは平日は20時〜21時ごろに帰宅することが多く、
子どもたちが寝ている時もあれば、
元気に家の中を走り回ってる時もある。

その日は金曜。
20時半と早くも遅くもない時間帯に帰宅。

外からリビングの灯りが見えて、
子どもたちも起きてるのかな、
と思っていたが、
妻がコタツでコーヒー片手に
スイーツを食べて、映画を観る
という至福のひとときを過ごしていた。

機嫌が良さそうで、
こっちのテンションも上がる。

妻がひと言

「今日はハナキンだからね」

ハナキンという言葉に思わず笑みがこぼれる、
と同時に「えっ」となる。

察した妻が、
「明日から土日でしょ？」
「たかくんがいるから私は休みみたいなもんじゃん」
「専業主婦にもハナキンはあるんだよ」

とこっちの顔色を伺う。

「あなたが機嫌がいいことが、
　こっちの幸せだから、
　どうぞごゆっくりお休みください」

そう伝えると

「なんていいやつ…
　平日仕事で土日は家事、
　休んでる暇ないね（笑）」

と言われて、

「専業主婦のほうが大変だよ、
　俺は土日しかできないからね。
　なんなら肩でもお揉みしましょうか？」
と返す。

「くるしゅうない」
と返ってきたけど、

「遠慮しろやっ（笑）」
と伝えて夕飯を食べる。


何気ない金曜日の夜に、
妻のハナキンが
自分のハナキンでもあることに気づいた。

誰の役に立つ情報でもないけど、
「足るを知る」ためにも
こうして残しておこうと思います。