不幸に病みつきな親たち
旧アカウントの更新を、いったん停止します。
アカウントそのものは消しません。今のところ。(文中に書き忘れたのでタグにしておいた)
ずっとつぶやきだけだったので、最後ぐらいは記事にしてみました。
最後だし、こう、これまでの感謝とか、noteで良かったこととかでさわやかに終えるつもりだったのに、そうはいかなかった。
ちょっと自分でも自分が怖くて、わりとひく。
私は私の話しかしない、とこのアカウントのさいしょの記事でも書いているくらいだから、ここから書くことも完全に私の感覚だけど(いわゆる個人的にっていうやつ)、子どもが不幸だと喜ぶ親っているんだよなと思う。
私が知る範囲で、少なくとも二名。
たとえば私の父は私が仕事をはじめると機嫌が悪くなった。
母の死後、家事はほぼ私が請け負っていたから仕事に出るとそれがおろそかになる、というのもあったかもしれないけれど、単純に、「親として感謝される機会が減る」ことが不満だったのだろう。
兄はちょっと不思議なタイプで、ひきこもっているわりに、五年ぐらい前まえでは父の買いものに同行していたらしい。
父の買いものといっても食材などだから、つまり兄の買いものでもある。
当然、車は父が運転する(兄は免許を持っているしペーパードライバーではない)。
当然、お金は父が出す(兄は母が生前に貯めておいた兄名義の口座を持っている。その額、ざっと五百万)。
父がカゴを持ちキャベツなどを入れている横から兄がそっとタバコや酒を追加していく。
お会計のあと、たまに兄がぽそっと、
「どうも」
と口にするのが、父には無常の喜びで、あれがあるならひきこもっていてほしいくらいなのだと言っていた。
ここ数年は関係が破綻して兄の買いものは卓上のメモと化したそうだ。
一応、ひきこもり支援の仕事をしていた私としては、なんか珍しいタイプだなという気がする。メモで親を使いぱしりにするのはひきこもり初期が多く、買いものに同行はむしろ十年後になってようやく、というケースが多かったかなあと。
完全に割り切れてはいないけど、兄のひきこもりは父の生き甲斐みたいな面があって、でも悩んでいるのも事実だからそれを理由に私を訪れる、みたいな典型的な共依存だったなと実感している。
もちろん兄と父だけでなく、私も参与してしまっていたのだから笑えない。
「おまえらは二人とも俺のてのひらで踊ってるだけなんだよ」
と父が言ったことがあった。
これはなるほどという感じがした。
私はもう嫌なので抜けてきたけれど、それにしてもまあ、ずいぶん器のちいさい喜び方をするんだなあと感心する。
私が昨年、仕事がうまくいかずにいた時期、父親はとても嬉しそうにしていた。だからまったく連絡をとらずにいたら、すりよってきたり罵倒したりととにかく面倒だった。
リンク先にも書いたが、父が事件を起こしたとき、父は私が心臓を診てもらいに行く予定があることを知っていた。
さすがにそれを阻止するため、というのは無いだろうとは思うが、配慮がまったくなかったのは事実だし、そして過去に私の入院や治療を妨害したことは一度や二度ではない。逆に病院おくりにしたことも(精神科でなく)。
それは生前の母も同じで、私が風邪などで病院に行こうとすると嬉々としてついてきてしまう。そしてお医者さんに症状を説明しているそばから「でも先生、こんなの我慢すれば済みますよね」と遮ってしまうものだからお医者さんもいらいらしてしまい、薬も何ももらえないまま早々に引き上げることなんてしょっちゅうだった。
まれに「患者はあなたじゃないんだから黙っててください」と言ってくれるお医者さんもいたけれど、母の中ではそういう発言は自動的に「あなたはちょっとおしゃべりなだけで娘さんを心配する良いお母さんですね」と変換されるらしく、「あの医者は私のものだからあんたはもうかからないで」となる。
私は親になったことがないので、親の気持ちというものはほんとうにわからないが、これは普通なのかなあとまわりを見ても、そんな様子はない。
でも友達が、息子さんがぜんそくになってしまい、それは自分の遺伝だと悩んでいた時期があったのを思い出す。
彼女はいろいろなお医者さんに相談した結果、
「ぜんそくは服薬によって悪化する、自分も薬を飲まなければぜんそくは自然に治っていたはずで、息子に遺伝することもなかった」
とかで、息子さんが発作を起こしても薬は与えずに、健康のためにはじめさせた運動をさせることで苦しみをまぎらわせていると聞いたときは、すぐには反応できなかった。
小児ぜんそくは心因性もあるとのことだし、服薬しない療法もあるのかもしれないけれど、身体を休ませず運動をさせるのは何というか、息子さん、大変だなと感じた。まだそのころは幼かったけれど、今後、大変そうだなと。
彼女のやり方が功を奏して健康になり、元気でいればいいけれど、そういうのも親の手柄みたいになるのかな、と思った時点で自分の感覚が異常なんだから気をつけないとと言い聞かせて、でもその類の話を聞くのはつらいから、彼女とも距離を置くようになった。
親子関係はそのまま人間関係に影響するなあ、という話。逸れたな。