暗号資産:OlympusDAO、驚異の年利8,000%??
こんにちはー!
本日の暗号資産トピックはOlympusDAO(オリンパス・ダオ)についてです!今年の春にローンチされ、APY(Annual Percentage Yield、年利)が一時約180、000%と異常なことで話題を呼んでいます。
11月現時点で下記のAPYはかなり下がったが、それでも8000%近い!
ただ詳細に入る前に、事前にお話したいことがあります。暗号資産関連で出てくる新しいプロジェクトは詐欺(ラグ・プール:カーペットを足元から引っこ抜く行為)まがいなものがたくさんあるので、気を付けましょう!オリンパス・ダオについても現時点では面白い仕組みだと思ったので今日取り上げますが、実際どうなのかは私もわかりません。
そこで、先に過去に起きた詐欺事例を見ていきましょう!
OneCoin : ネズミ講の仕組みで、約300万人から推定5千億円から2兆円だまし取ったとされています。これは本当に悲惨で、実際の通貨やブロックチェーンすら確立されてなく、暗号資産を知らない人からお金を集めていました。
BitConnect : ICOで投資家には40%のリターンを確約していました(確約されたリターンなんて基本ありません!)。有名ユーチューバーなどが宣伝をし、約150万人から推定3500億円をだまし取っています。
この他にも小規模の詐欺は無数に存在し、2021年前半だけで1500件もの暗号資産関連詐欺が確認されていると言われています(こちらの記事)。私も投資を始めた頃は、よくわからず知り合いが提唱したものを鵜呑みにして投資をして失敗したことがあります!VTIみたいなものは別として、特にハイリターンを売りにしているものや、「確実なリターン」は100%詐欺なので、本当に本当に気をつけてください!!それでも遊びでお金を入れて見たい場合は、100%無くなっても良いお金だけ入れましょう!
詐欺なのかの判定を助けてくれるサイトがありますので、それも見てみてください。このサイトに掲載されている案件数がお多すぎでゾッとします。一つ目はラグ・ドック(カーペット・医者)で、すでに色々なプロジェクトが調査されているので、ひとまずここでのレーティングを見てみましょう。下記の写真の中心にあるのがリスクのレーティングで、Least Riskが一番低くHigh Risk(悪い)が一番高いです。このサイトに存在しないからといって良いわけではないので、要注意です。
二つ目はトークン・スニッファー(トークン・嗅ぎつけ)で、こちらにも最近の詐欺やハッキングプロジェクトをリストしてくれています。
さて、この様な事例がある前提で聞いてください(笑)。
オリンパス・ダオの設立背景
オリンパス・ダオは設立者のゼウス(仮名)がステーブルコインの進化版、真の分散型暗号資産を作る意図で始めました。ステーブルコインの代表例としてTether(USDT)やDAIがありますが、これらは基本的に1コイン=1ドルと固定(pegged=ペグド)されていて、安定した価格を実現するように設計された通貨です。
ゼウスは「ステーブルコインは単にドルをデジタル化したことに過ぎず、結局はインフレに影響され銀行に預けるドルと同じだ」と問題視しています。そこで、暗号資産をドルに固定(peg=ペグ)するのではなく、昔の連邦準備銀行(日本銀行と同じ)みたいに、金や銀を担保(backed)に通貨を発行する考えを取り入れました。(補足:金はインフレのヘッジとして有効な資産と考えられています)
そこで、一番初めにはDAIという暗号資産を使って、1DAI=1OHM(オーム、オリンパス・ダオの通貨の名前)の比率でOHMを発行しました。AAVEやCompoundのプロトコールとの大きな違いは、流動性を確保することによりその資金が基金に入れられることによって、OHM自体の価値にフロア(下限)が設けられるのです。例えば、基金に4000ドルの資金が入れられていて、1000OHMが発行されているとします、この時市場価格とは別に1OHMにつき4ドルのフロア価値があることになります(4000ドル ➗ 1000OHM)。そのため、オームの市場価格が4ドルを下回ったときには、スマートコントラクトが自動で機能し市場価格が適正になるまでオームを購入し、焼却することになります(焼却により、オームの供給が減るので価格が上昇します)。
現時点で基金にある資金は約7.7億ドルで、1OHMあたり$166.42の担保力(backing)と現在価値の$805.62とかなり乖離が大きいです。これだけを見ると、価格が異常に高騰していて、基金の金額にいずれ下落する様にも見られます。それでも購入者が存在するのは、次の理由からです。
収益性の背景
オリンパス・ダオが注目を集めている理由としては主に3つあります。1つ目は異常なまでのAPY(年利)の高さと、2つ目はプロトコール自身が流動性を保有しているため取引が起きるたびに手数料を稼げる、3つ目は基金の収益性を生む画期的なモデルとしてBonds(ボンズ)があります。
利用者がAPY(年利)を稼ぐ方法としては、OHMを購入し、オリンパス・ダオのプラットフォムにstake(ステーク)をすることによって利子を得られます。これが記事の初めにお見せした下記の写真です。
次にボンズをすることにより、例えばwETHなどの資産をオリンパス・ダオに売った時に現在のOHM価格から割引いて購入できるのです。例えば、下記が実際のオリンパス・ダオのボンズのページですが、wETHを売却することで、現在OHM価値の$805.62から割り引かれた$784.09で購入できることとなります。
ここが、私がオリンパス・ダオが詐欺なのかと疑問に思う箇所なのですが、そもそも客観的な資産価値(基金の価値)としては$166.42なのにも関わらず市場価値が$805.62で割引で買ったとしてもオリンパス・ダオとしても$784.09-$166.42 = $617.67(基金の価値の3.7倍)を粗利として受け取ることになります。変ですよね?今は利率も高いので、例えばこの7,611%が継続したとすると、基金の価値の3.7倍で買っているため、パーになるのに2週間ちょっと時間がかかる公算です(これ以外にも実際はガスフィーがかかっているので、それも考慮すればもう少し時間がかかります)。もちろん、ユーザーも増えこの高利率がその後数ヶ月継続すると見込むのであれば、大きなリターンが期待できます。でも、よくある早乗りすれば得だけど、長期的には利確をする人が増えることで、一気にお金が消えてしまうのではと思わせる仕組みです。
資金の流出を防ぐのに提唱している、もう一つオリンパス・ダオの特徴としては(3,3)があります。これは、囚人のジレンマのゲーム理論をベースにした考えなのですが、結論から言うと、理論的な利益性を追求すると全てのプレーヤーが売却以外(ステークかボンズ)の行動をとることにより一番の利益を獲得できる、と言う考えです。ただ、株式市場もそうですが、感情で動くことが多いいのが現実ですよね。笑
最後に最近ローンチされたのが、オリンパス・プロです。これは、オリンパス・ダオのビジネス性の期待が持てる内容なのですが、先ほどお話したボンズの仕組みを他のプロトコールにも利用できるようにサービス化しました。これにより少し客観的なビジネス価値がある珍しいプロトコールなので、面白いですよね。
以上、まだまだ私自身理解できていなことも多いですが、注目するに値するプロトコールなのではと思います!一方で昨年のDeFiサマーのように、流行り廃りが早く、来年には誰もが忘れて次のプロトコールに移り変わっている可能性は大いにあります。ご参考にどうぞ!
利用方法
最後にリスクを理解いただいた上で、興味がある方に簡単にOHMをステークする方法を以下で説明します。注意:ガスフィーがかなり様々な箇所でかかりますので、OHM変換用以外にも、ガスフィー支払いのためETHを数万円単位ウォレットになければ取引が実行できません!
①Sushiswapに繋げられるウォレットを登録(リンクに飛べば、どのウォレットが使えるかわかります。個人的に利用しているのはメタマスクです)
②ETHを取引所で購入(コインチェック)・もしくはメタマスクに直接購入する機能もあります。
③ETHを自分のウォレットに送る(ウォレットで直接購入している場合は不要)
④Sushiswapにて自分のウォレットをつなげて、ETHをOHMへ変換する。
⑤オリンパス・ダオのサイトに自分のウォレットをつなげてOHMをステークする。
以上、今日は暗号資産で話題のオリンパス・ダオについてでした!素敵な日曜をお過ごしください。