【IBD・オニール式シリーズ】: マーク・ミネルヴィニのインタビュー特別まとめ!
メリークリスマス!!
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
私はクリスマス・年末のお祝いもしつつ、今年のトレードを見直し・勉強し、来年はより強い投資家に成長したいと思います!
そこで、みなさまへのクリスマスプレゼントとして、U.S. Investing Champion王者のマーク・ミネルヴィニ氏がメインスピーカーとして呼ばれたセミナーをまとめました!9月末に開催されたセミナーのお題は『規律と犠牲からどうやって、投資王者になったか』です。(オリジナルのセミナービデオはこちら。また、このビデオ以外にも参考になり記事にも折り込んだビデオはこちら)
マーク・ミネルヴィニは知っている方も多いかと思いますが、彼の投資歴は40年近くで、U.S. Investing Championのトップを達成しています。自身のトレーディング戦略サービスや投資本も出版して人気を得ています。最近2021年の11月までの投資結果を発表したのですが、なんと驚異の325%でした!
今年の傾向・トレード
2月からブレイクアウト付近でのボラティリティが結構高く、ラリーはするが長期トレードには向いていない市場環境だった。
ただ、デイトレをしているわけではなく、日足より短い期間のロウソクは見ない(例えば、5分足のイントラデイ)。必ず見るのは日足と週足。
そのため、通常のブレイクアウトでポジションを入れ、その後のラリーで売却をして利確を続けた。
アップサイドはコントロールできないが、ストップロスはコントロールできる、売るタイミングは自分次第。打率は環境によるので、35−65%くらい。
今年はU.S. Investing Championに参加すると決めたから、今まのトレードの中でも二番目くらいに高いリスクを取りに行っている。3桁%リターンを得るのには、もちろんリスクは高くないと。トレード回数は高く、レバレッジもかけたりする。
トレード理念
準備第一で、どんなシナリオに対しても備える。
その後、自分のトレード・判断を事後評価する再度準備に入る。
週末の習慣
マーケット全体の分析はそこまで細かくしない、指標の動きと出来高くらい。
90%の分析は個別銘柄見ること。
個別銘柄のウォッチリストに銘柄がないのなら、買えるような銘柄がない証拠。
アップデートするリストは3つある:買いアラート、high on deck(買いに近い)、watch list(買いにはまだ遠いが注目すべき)。
リストには何銘柄入っている? 環境による、ゼロであったり40−60銘柄の時も。
買いの前に、買い入れ価格、ストップロス全て決めている。
マーケット開始前の習慣
メディテーションとvisualizationを毎朝・毎晩する。
あと、呼吸法を5分ほど。
Sit Out Powerをつける
トレードが成功していないときはポジションをグンと下げ、それでもダメなら現金化する。
Sit out powerとは市場に参加しない勇気のこと。
1993年半ばから1995年の春くらいまで数回しかトレードをしなかった時期もあった。2001年や2008、2009年も同様。
ロスカット
利益を得るために、ある程度の損失はつきもの。
そのため、ロスカットも取れる利益によって調整する。
利確とロスカットは3:1が理想だが、最低でも2:1。
ストップロスまでには行かないが、自分が思ったように上昇していない銘柄はどうする?自分が思ったように動かなくても、株価の動き自体がviolation(ルール違反)でない限り保有する。
リスク低減方法
ベアマーケットより、ヨコヨコ動くサイドマーケットの方が危険。
Whipsaw (急落後に急騰したり、急騰後に急落したりする状況)のように動くため、入ったり出たりを繰り返し、勝率が落ちやすい。
この間はパイロット(小ロット)買いしかせず、これが成功しない限り積極買いしない。
利益と売上増加、利益率も改善している会社を探す。これを4四半期比較するのは重要。時によっては、四半期ごとの変動が大きい場合、2四半期平均をして傾向を確認する。
目指すフルポジションの5分の1くらいの小さなポジションから入り、確証を得たらすぐにフルポジションに。確証を得るのに判断を早めるのが一番難しいところ。
上昇している途中で売り抜くこと。
自己分析
自分の数字は徹底的に分析した。
例えば、何日勝ち・負け銘柄を保有していたか、最大・平均勝ち負け%、打率等ありとあらゆる数字を可視化。
これをすることにより、トレードする時にも無意識にロスカット・利確%がわかってくる。「自分の平均利益率がXX%だから、今負けている銘柄はX%以下は負けれない。」
統計をもとにトレード改善していく。
手放す勇気(Sacrifice)
早い段階での利確か、長期のホームラン銘柄か、両方では勝てず選ぶしかない。
過去の失敗として、当初は利確は早くできずに、大きく勝っていた銘柄の利益が消えていっていたのを経験してトレードを変えた。
専門家になるには、他を手放さない(sacrifice )といけ図、何をするにもsacrificeが必要。
規律を守る(Discipline)
自分に適切なトレード方法を見つけたら、それを継続的に使う以外方法ない。コロコロトレード方法を変えると、絶対勝てない。
どんなトレードの方法でも、何らかの理屈を付けれるので、規律を守ることが非常に重要。
今年売買した銘柄
モデルナ(MRNA)
6月29日に購入、翌日30日に売却。
結果的には長期的に機会損失かもしれないが、スウィングトレードの打率は低いので、利確できる時にするしかない(下記から分かるように、その後の上昇はかなり強かった)
規律を守った良い例。
ペンスク・オートモーティブ(PAG)
9月1日に購入。
Cup with handleを形成した後に、VCP(Volatility Contraction Pattern = ボラティリティがどんどん縮小していく)に該当し、タイトな動きでかなり良いチャートに。14、15日くらい非常に強く見える。
その後のブレイクアウトで大部分は17−18%の利益で売却。
1日に買った後、3,4%下落しているが、売却しなかった理由は?まだ株価は83.48を割り込まずに、tightening(ボラが縮小)しているだけだから。
ストライカー(SYK)
マークと同僚は同じ銘柄を持っていて、二人とも同じストップロスの価格を設定していた。
同僚はあとストップロスまで0.8%のところで「どうせストップロスに行くだろうから、今売る」と言い、
マークは「これまで待ったんだから何故ストップロスに行く前に売るのか?」とストップロスが実行されるのを待つことにした。
その後、ストップロスに行かずに倍になった。
計画をきちんと実行して、実行後に計画が正しかったか、間違っていたか、改善できるかを見直すことが重要
テンパー・シーリー・インターナショナル(TPX)
8月12日に購入、その日の内に少し下がってsquat(座り込む=クローズがイントラデイの高値より下で終わる)しているが、そこは気にしない。
また、その後数日で41.75まで下落するも、ストップロスには引っかからず。
8月25日にポジション追加。
その後、9月29日に売却。
シエラ・ワイヤーレス(SWIR)
8月10日に購入。
その後50日を破れ込む動きをして、決算の前に売却。
もし、購入後ブレイクアウトして、10%ほどprofit cushionがあるなら、決算でも保有していた。
フェデックス(FDX)
株価の動きによって意見を迅速に切り替えないといけない事例。
5月27日に購入、その後下落してストップロス。
50日移動平均を下回り、大きな出来高で窓開け下落。
その後、移動平均を上回れず、200日も下回る。
9月13日にショートリストに入れた(S&P同様)。
200日を下回り、かつRSラインが下落しているのはショートする良いサイン。
最後に、マークからの重要なアドバイス
”always improving my worst case scenario”
「常に最悪のシナリオを改善する」
例えば、自分の損益分岐点を下落させるために、部分的に利確をして、少し必要な調整があったとしても持ち続けられるように、常に考え実行する。
”if everyone does it, wouldn't the strategy not work?”
「もし皆んなが同じ戦略を取れば、その戦略は有効でなくなるのでは?」
”everyone doesn't execute it, even if they want to, no discipline or not execute correctly”
「正しい戦略の情報が世の中に出回っているが、それを実行する・できる人は稀」
以上、2021年のクリスマスプレゼント喜んでいただけたでしょうか?
素敵な年末年始をお過ごしください♪