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国境なき医師団 村田慎二郎事務局長が教えてくれた、命の次に大事なこと

我究館の8期生であり、プレゼンスの卒業生でもある国境なき医師団 日本事務局長の村田慎二郎さんが、世界の紛争地で考えた限りある命の使い方を綴った『「世界一過酷な場所で見つけた命の次に大事なこと」(サンマーク出版)』を出版されました。
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村田さんは2005年に国境なき医師団に入られて以降、2011年に内戦が勃発して以来30万人以上もの民間人の命が失われたとされるシリアの紛争地や、21世紀最初の大虐殺があったスーダンの紛争地、世界最大の難民キャンプであるバングラディシュのロヒンギャ難民キャンプなど、多くの紛争地域で命の危機に直面している人々を救うために活動をされています。

「家はない。学校もない。でも、命はある。誰が悪いのかわからない。ただ、傷跡だけが重なっていく―。そんな紛争がいつ終結するのかさえわからない国や地域にいる、何億人という人たち。」(本文から引用)

第二次世界大戦後、最悪の人道危機といわれるシリアでは、内戦の最激戦地に立ち、日本人として初めて現場責任者として困難な状況下での交渉を重ねながら、現地で医療活動を行う医師団を指揮。繰り返される悲劇や葛藤の中、生と死の狭間で見てきた絶望と希望そして人生の教訓が、強く温かい言葉で綴られています。

本のタイトルにもなっている『世界一過酷な場所で見つけた命の次に大事なこと』を、世界、アイデンティティ、夢、戦略、リーダーシップと分類し、それらを通じて、人生とは何か、私たちに与えられたこの命の使い方について気づきを与えてくれます。

村田さんの転機となったエピソードには、学生時代に通われていた、キャリアデザインスクール『我究館』で学んだこと、杉村太郎からかけられた言葉、そして『我究館』の兄弟校である語学コーチングスクール『プレゼンス』に通って「開かずのドアを蹴破ってでも、コンプレクスに片をつけた」時のことが紹介されています。

第3章の『夢』では、村田さんが学生時代に書いた一枚の紙のことに触れられています。スーダンのスコールで濡れてボロボロになったその紙を何度もみかえしては、紛争地で自分を奮い立たせてきたといいます。

夢を描いたら、そこに向かっていく戦略を練り、「ゴールに近づくために、前進、方向転換、ときには後退」(本文)しながら、過去よりもいま、いまよりも未来の自分がどれだけ輝いているかが重要であると断言されています。

国境なき医師団は、1971年に医師とジャーナリストたちによってフランスで設立されました。その使命である「真実を伝える」ためにも、「人道支援は資金面で政治から独立していなければならず、活動資金の9割が民間の寄付で賄われている」として、「この本の印税も、全て国境なき医師団の活動に寄付します」と当たり前のこととして村田さんはお話されていました。

本の冒頭で紹介されていたエピソードの一つ、紛争地の子供たちに夢を聞いてみると「外国人になること」と答えたという話には、心が強く揺さぶられました。

個人の幸せの追求にとどまらない夢を掲げ、その夢を成長させながら、限りある命を使っていくことに、幸せの本質があると学ばせていただきました。

ひとりでも多くの方に、村田さんからのかけがえのないメッセージが届くことを心から願っています。

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