たかこ先生のレッスン徒然日記vol.31『初めての海外5』
町田市でピアノを教えています田中貴子です。いつもお読み下さってありがとうございます。
『初めての海外』5回目
40年以上前のこと、記憶を辿りながら書いています。
発表会などと違って不特定多数のお客様から拍手を頂く経験はあまりなく、アメリカで体験したステージは幼い子供にとってはあまりにも強烈でした。
それに加えてアメリカ旅行の数ヶ月前に、モーツァルトのピアノ協奏曲をオーケストラと共演しています。この話はまた別の機会に書くとしますが、立て続けにこうした経験をしたことは、間違いなく自分の将来について希望を持ち始めることに繋がっていました。
その後、やってくる「苦労や苦悩」をこの時は全く予想出来なかったわけですが、演奏することが純粋に楽しい時期でした。
暗譜で困るということはなく(楽譜を読まないので覚えるという概念がなく。。)、人前に出る緊張感にだけ対峙していれば良かったことも関係していたかもしれません。
演奏会が終わった後の解放感!
ようやくアメリカを楽しむ余裕が出てきました。
マサチューセッツ工科大学はそれは広い敷地に点々と建物が建っていて、建物から建物に行くまでとにかく歩く。
その中を駆け回っていました。
あろうことか、庭に建立されてるモニュメントのようなものによじ登ったりして、なんでも遊び道具にしてました。
写真はその中の一つ。こんなことをしてる子供は私たちくらいしかおらず(当たり前ですが、、、)
おそらく師匠たち大人の皆様はいろいろご注意されていたのではと推察します。
洗濯して部屋に干したり、荷物を整理して片付けたり、お小遣いを確認したり、1日のスケジュールを確認しながら一人でなんでもやる生活の中で自己責任という言葉を覚えたのもこの旅行だったように思います。
このアメリカ旅行ではサンフランシスコ→ボストン→ニューヨーク→ワシントン→ロサンゼルスと移動したのですが、移動は飛行機かバス。
どこに行く時か忘れたのですが、ある飛行機の移動で、怖い事件に遭遇しました。
私は5席並んだ中央席の通路から2番目の席に座っていました。通路側には同じツアーの大人の方、おそらくピアノの先生だったかと思います。その方はハンドバッグを前の物入れに入れてました。
目的地に到着して、乗客たちが一斉に移動し始めた時に、その方が何とも言えない声をあげました。
ハンドバッグの口が開いていてパスポートとお財布がなくなっていたのです。
声をあげても時既に遅し。
飛行機から乗客が出始めていたので、どうすることも出来ず。
私はとても不思議でした。
いつ、誰が、そのカバンに触れたのかまったく気が付けなかった。
その方も一度も席を立たなかったのに。。
飛行機から降りた後、その方はツアーから外れて別行動になりました。大使館に行き、パスポートの再発行などの手続きをされたと思うのですが、40年以上も前、再発行にはかなり難儀されたことが予想されます。
なぜ大人たちから気を付けろと言い聞かされていたのか身をもって知りました。
パスポートとお財布は腹巻きにしていたのがとても嫌だったのですが、その後は素直に腹巻きしてました。
ニューヨークに行った時は、別の意味で怖さを味わいます。
その話は次回にしたいと思います。
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