コンクールと指導
町田市でピアノを教えています、田中ピアノクラスの田中貴子です。
ピティナピアノコンペティション予選がいよいよ最終コーナーを回って最後の直線に入ってきています。
関東では昨日から本選も始まっています。
指導している身としては、いろんな「事象」に対応していかなくてはならないので、心身ともにかなり疲れる時期です。
それでも
「目の前の作品をどうしたいか」に集中できるようになってから、
自分自身の指導における姿勢が随分変わってきたように思います。
子供の心身の成長は千差万別。
皆がみんな、理想的に成長できたら良いのですが、肉体的にも精神的にもその成長は違います。
たとえどんな条件であっても、
自分と向き合い、音楽と向き合い、
納得いくまでピアノの音とそこから生まれる音楽を作れるかどうかで
「結果は後からついてくる」
こういう心境になるまで随分時間はかかりました。
『4歳生徒の初めてコンペ』
特に未就学の生徒さんに対して、コンクールに挑戦するかどうかはとても考えます。
保護者がどう考えているかも気を遣いますし、なにより子供に「競争する音楽」を植え付けたくはない。
今年の課題曲が発表された時、
4歳になったばかりの生徒は両手でピアノを弾いたことはありませんでした。
片手ずつのお遊び程度。(目的あっての片手奏です)
そろそろ両手奏に入りたいと思っていたところでのタイミングでのピティナ課題曲発表でした。
課題曲の中から、生徒に必要な要素が含まれてる4曲をピックアップ。
①ポリフォニー
②伴奏型
③交互奏
④音楽的な構成力
これらを数ヶ月勉強していき、保護者のOKがもらえたらコンペに出てみてもと考えました。
ですので最初の1ヶ月は保護者・本人コンペの課題曲とは知らずに練習しました。
お母様は初めての両手の曲に「。。。」
しかも4曲(笑)
ひとまず出来たものから4月発表会で弾くことにして、
もちろん4曲全て出来ないことも予想されたので、その時やっていた教本の曲も数曲必ずチェックしながらのレッスン。
課題曲2曲はなんとか出来て発表会で頑張ることが出来ました。
発表会直前にコンペのことをお母様に伝えました。
ビックリされましたけど(笑)、これで4曲弾けるようになったら「凄いですね」となり、発表会終わってからコンペ初挑戦を決意。
それでも4歳ですから(笑)
いつもかもコンペの曲ばかり練習してるわけにもいかない。
最初の30分はいろんな曲を弾き、残りの10分でリズム遊びをする。
時に本人が夢中になってピアノの時間を沢山とってしまうと、リズム遊びを思うようにしきれずに「もっとやる~」とむくれてしまうこともあります。
それでも「もうやらな~い」「もう帰る~」がないだけ有り難い(笑)
私はあえて「コンペ」の話は一度も生徒にはしませんでした。
お母様とはきちんとお話しながら、
「絶対にやってこい」ではなく
今必要な練習ポイントを必ず多くても2つ程度におさえ、音楽的な内容を壊さないように、練習の仕方をレッスンでいくつか実験的にやってみながら、「これが本人にあっていそうだから、今週はこのやり方で練習してみましょう」とお話しながら進めました。
お母様も素晴らしく、きちんとご理解いただけてたのが本当に有り難かったです。
おかげで4歳生徒はのびのびと、
のびのびと、
のびのびと、、、、
のびのびし過ぎるくらい
のびのびと、、、
笑顔笑顔でレッスンしてこれました(笑)
先日コンペ予選デビューしました。
当日の朝レッスンしたのですが、いつもと様子が違う。
明らかに暗い。
お母様曰く「昨日から上手に弾けなかったらどうしようとグズリ始めた」とのこと。
どれだけ褒めてもグズる。
レッスン室の戸棚にあったウサギのチャームを「魔法のウサギ」とプレゼント。
ようやく笑顔。
弾き終わった直後にお母様から
「無事に止まらずに弾けました。先生からいただいたウサギとずっと遊んでいました」と報告。
それだけで良かったと心から思えましたので、
「この数ヶ月で両手で演奏できるようになって、しかもコンペで立派にステージに立てた!たくさんご褒美してあげてくださいね!」とお伝えしました。
数時間経っても結果報告がなかったので(笑)
Webで確認したところ
生徒の名前がありました。
私からお母様にすぐに電話したところ「通過を考えてなかったので確認するのを忘れてました💦」とビックリされてました。
お母様もレッスンを共有することで、出来てること、まだ出来てないこと、それは時間のかかることか、今すぐ出来そうか、
それらをきちんと理解されていたからこそ、
「とても上手で、大きなお子さんたち」との違いを予選の現場で謙虚に理解されたのだと思います。
私の目標はこれまでと同じように、レッスンの現場を明るく保つこと。
本選までのレッスンは内心ちょこっと焦りながらも(笑)、4歳生徒とこれまでと変わらず接することを心がけたいと思います。
その生徒を通して、曲の魅力を伝えることが出来るかどうか。
結果が出ても出なくても、目標はここに定めたいと思います。
そんなこんなと書いているうちに
本選初日の結果も出たようです。
今年はいつになく苦しいことが何度となく起こり、指導者としての力量不足に悩む毎日ですが、生徒と向き合い、自分自身と向き合い、その作品、その音楽、その音そのものに集中することだけをひたすら目指しています。
『結果は後からついてくる』
そのことを実感できた本選初日。
生徒たちは先生以上に努力し、己れの課題を懸命に乗り越えてくれています。
生徒たちがもってくる様々な作品に向かいあう日々を大切にしたいと思います。
お読みくださってありがとうございます!
またもや『たかこ先生のレッスン徒然日記』が先送りになってしまいました💦💦💦
それでも、これまで書いてきたことは幼い頃の自分のレッスンにおいてもやはり重要なポイントになってきます。
気を長くしてお待ちくださいませ😊