たかこ先生のレッスン徒然日記 vol.25
たかこ先生が育ってきたメソッドでは「夏期学校」が毎年長野県松本市で4日~5日ほどあり、小学4年生から毎年参加していました。
いつもと違う先生にレッスンしていただき、演奏会。
親元離れて先生やお友達とホテルに泊まる。
着替えや楽譜をボストンバッグ(当時キャリーケースのような洒落たものはなく)に詰めて、引きずるように持ち歩き、電車の席取りに走る。お小遣いの管理も自分でする。
ワクワクしない理由はなく(笑)、
レッスンや練習時間を確認しながらの毎日は、本当に楽しかった。
しかし正直に言えば、、、
別の先生にレッスンしていただくというのは、あまり好きではありませんでした。
人見知りが激しく、その先生に慣れるまでにレッスンが終わっていました。
頭の中では幼い時の活発な性格でしたが、外に向けては実に無口な子供でした。黙ってじーっと先生の話を聞いて、黙々とピアノを弾く。
担当の先生方にしたら、こんな生徒はやりにくかっただろうなと思います。
当時師事していた先生方のレッスンが厳し目だったことも影響していたかもしれませんが、手離しに褒められると子供心に褒められた言葉に疑心暗鬼になる。
褒めてほしいのにその言葉を疑いやすい。こういう子どももいるんですよね。
先生は褒める=演奏100点満点!
とは思わせないようにしていたように思います。
いつも素晴らしい演奏家たちの演奏を聴くように促し、同じように弾けないことを責めるのではなく、そこを目指そうと努力することに対して褒める。指導者になってよく振り返るのですが簡単なようで難しいといつも感じます。
夏期学校では演奏会がありました。
ある時、演奏会の数時間前に突然高熱に見舞われてしまいました。フラフラになりいよいよ立ち上がるのも難しくなり、ある部屋でしばらく寝させてもらいました。
演奏会まであと30分くらいに迫り、弾くか弾かないか決めなければなりませんでした。
正直、辞めたかった(笑)
フラフラでしたし、高熱で身体の力が抜けてしまってとてもピアノが弾けるとは思えませんでした。
ある人が近付いてきて、たかこ先生の様子をみて言いました。「弾いていらっしゃい、弾けますよ。弾いたら元気になりますよ」
どんな魔法だったのか。
数分後ステージに立ってました。
そしてその言葉通り弾き終わった後、高熱はひいて元気になってました。
知恵熱だったと思います。
(決して周囲の大人に無理強いされたわけではなく、たかこ先生が自分で決めてステージに立ちましたので誤解されないようにお願いいたします!)
「よく頑張りましたね!」
演奏後、その人が声をかけてくれました。
どんな演奏をしたのかは記憶にありません。
その人の言葉やその時感じていたこと、
その時その場にいた見知らぬ方々に「良かったよ」と声をかけていただいたことがとても嬉しかったのを覚えています。
素直にとてもとても嬉しかった。
ステージに立たない選択をしたら経験出来なかったことでした。
それをきっかけになにかに目覚めたとか、才能が開花したとかそういうカッコいい話ではありません(笑)
でも、、、
長い長い音楽への道のりを歩き始めるきっかけになっていたように思います。
実力はともあれ、、、なにかを「自覚」していくきっかけになったと思います。
お読みくださってありがとうございます。
マイペースで書いていきますので、これからもよろしくお願いいたします😊