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響きわたる衝撃波!ソニックブームの音を聞け!エドワーズ空軍基地エアショー2022 1日目

ヘリからの機銃掃射を終えたら、25kmにおよぶ砂利道にカローラで突っ込むハメになって心が折れ。立ち直ってデスバレーの「自然の無音空間」で神秘を感じ。ついにアメリカ旅も最終目的地で最後のお楽しみ編に突入!

今回のアメリカ旅の主目的は「大規模エアショーをハシゴすること」で、1回目のエアショーであるサンフランシスコ・フリートウィークはドン曇りによりフライトの大半がキャンセルという悲劇に終わったけど、今度は大丈夫!

なにしろ、ここはモハベ砂漠のど真ん中、そして乾季。

少なくとも雨や曇りで中止になることはまず考えられない、エドワーズ空軍基地のエアショーです!



基地公式のスケジュールによれば、8:30にゲート開門、9:00に駐車場からのシャトルバスが運行開始して、展示エリアへの入場スタート。そして、フライトは11:00から。

昨日がなかなかハードだったからガッツリ早起きはしんどいし、アメリカのエアショーは日本の航空祭みたいな大混雑にはならないし…ということで、9時過ぎに宿を出発。

基地への入口は西門と北門の2ヶ所が開放されていて、宿からの所要時間はどちらも30分ぐらい。ただ、市街地エリアからは西門の方が近いから、周りに何もない北門の方が空いてるだろう…ってことで、北門へ。

10時前には基地の敷地内に入るも、そこからは渋滞。
とにかく広大なのですよここは…ゲートから駐車場までは約5km。

スクショ左上の「Boeing NB-52B〜」が北門、そこからスクショ中央部まで真下に行ったところにある緑のピンが、実際の駐車場所。

Googleマップより引用

基地の東側に広がる砂漠っぽいのは乾湖で、各種実験機の飛行やスペースシャトルの緊急着陸場として使われる、エドワーズ空軍基地の代名詞みたいなところ。

エースコンバット7の砂漠もここがモチーフなんじゃないかな。

「あの場所にいるのか!」と、ただの駐車場渋滞でもちょっとした感動であるw

ところで、そんなところを何千台も一般車を走らせて大丈夫なのかな??w


10時半ごろ、遠くで何かが離陸したのが見える…4発機??
からの、やたら低空飛行…まだ11時になってないのに飛んでるやんけ!!!

そして迫ってきたのは、NASAが保有するB747SP "SOFIA"。

渋滞中の車内から動画撮影して切り出しw

ボーイング747旅客機の短胴型というだけでも激レア機な上に、機内に巨大な天体望遠鏡を積んでいて、空気が澄んでる上空から天体観測をするという、世界でここにしかない機体。

おまけに9月末に運用を終了して、一般公開されるのは今回が最初で最後…という、レア尽くしなのです。


ようやく駐車して、会場へのシャトルバスに乗れたのは11時15分。周辺の学校から総動員されたと思われる、大量のスクールバスが移動を支える。

日本なら確実に待ち列は1本のみで先頭のバスから順次乗せるだろうけど、なんとここでは10台ぐらいにそれぞれ列があって、特に誘導されることもない。

手前は3台待ちぐらいの人が並んでたけど、奥のバスだと1台目に乗れちゃうという、よく分からないオペレーションをしてた…。特に混乱もなければ怒り出す人もいない、不思議な状況。

ちなみに、20分ぐらい歩いて会場に行くこともできる。



ほどなくして会場入り。

もうエアショーは始まっちゃってるから地上展示はスルーして、よく見える場所を確保せねばならない。

この案内図の右上がバス停、中央下部にあるSHOW CENTERというのが飛行する上での基準点で、いわば最高のアングルで見える場所。

バス停からもショーセンターからも近いところはさすがに混んでたから、左側にある緑のVIP席(有料エリア)のさらに左側を目指す。

では、見どころ満載のエドワーズ空軍基地のエアショー、9時開場なのに12時前にようやく陣取ったのがどんな場所かというと…。



最前列www
これだからアメリカのエアショー大好き!

しかもこの写真を撮ったのは実は14時過ぎで、トリを飾るアクロバットチーム「サンダーバーズ」が飛行する直前、つまり一番混むはずのタイミング。

日本の航空祭だとレジャーシートで場所取りとか、イスの使用とかは禁止だけど、ここは全然OK…というか、「持ってくると便利なモノ」に挙げられてるほど。

日本で最前列ゲットをしようと思ったら、開門2時間前から列に並んで、トイレも行かずに開門ダッシュ決めて、陣取ったらそこに居続けるという、10時間耐久戦でもしないと無理だから…マジ無理w



というわけで、無事においしい場所は確保したものの、なぜか11時前から始まってたフライト、SOFIAの後の各種米軍機の飛行まで終わってしまっていた(なぜか当日の飛行スケジュールは非公開)。

日本ではめったにお目にかかれない、ごく稀に三沢あたりに飛来しようものなら大盛り上がり…な、B-1B爆撃機が着陸体制に。

KC-135R空中給油機、たまたま月と一緒に撮れた。


そこから立て続けに、民間人所有の各種機体によるフライト。

正直、この辺はあまりテンションが上がらないのだけどね…w

左上は、スティアマン練習機。

1930年代に開発された軍用練習機で、操縦するのは飛行機ジャンキーな女性パイロット。博士号を取ってハイテク企業に勤めるかたわら、アクロバット飛行からエアレースまでこなし、好成績も収めてるハチャメチャな方とかw

右上はAT-6テキサン、左下はT-33Aシューティングスター。

それぞれ1940年代、1950年代〜の軍用練習機で、こういう機体を個人所有して、趣味として楽しみつつエアショーでギャラもらう(たぶんw)生活ってすごい。

右下はジェットエンジンを積んだグライダーという、なんだか自己矛盾している謎の機体w

離陸さえしてしまえば動力なしで飛べるグライダーにジェットエンジンなんて積んだもんだから、割とビックリなアクロバットをこなします。



続いて、エドワーズの第2の主役である、NASAの飛行部門によるデモフライト!

F-15・ガルフストリームV・F/A-18

NASAといえばスペースシャトルとかアポロ計画とか宇宙のイメージが強いけど、「国立航空宇宙局」なので航空&宇宙に関する研究開発をいろいろやっていて、飛行機関係もたくさんある。

おぉ、NASA塗装の真っ白なF-15の美しいことよ…。

カメラのレンズが長すぎて、これ以上引けないw

なぜ軍ではないNASAが戦闘機を飛ばしてるかというと、超音速飛行の研究やら、宇宙から戻ってきたスペースシャトルのエスコートやら、民間機ではスピードが足りないケースがあるから。

逆に、ドローンのような超低速機の観測用に、セスナみたいな小型機とかウルトラライトプレーンも保有してます。

さて、このNASAのデモ飛行は、ただの機体紹介に終わらないのがすごいところで…。

1947年、チャック・イエーガーがここの上空で史上初めて音速の壁を突破してから75周年(+1日)を記念した、超音速デモフライト!

編隊飛行を終えたF-15とF/A-18は高度13,000mまで上昇、特別空域で音速を突破します。

解説では、NASAで静かなソニックブームを研究している技術者が、

「ソニックブームはある地点で1回聞こえておしまいではなく、飛行経路に沿って引きずっていくものだから大迷惑。とても許容されるものではない。」

「でも、2回目のは"ソニック…ポン"ぐらいだから、屋内にいたり、会話中の人は気付かなかったかもしれない。これを実用化できれば、空の旅の所要時間を半分にできる現実味が出てきて、それにはとても価値がある」

といったことを話してます。


ちなみに大きい方のソニックブームも、ミリタリー好きほど意外に感じるというか、「あの音」とは全然違ったんだよね。

ほぼ、この音を取るためだけに外部マイクを持っていったんだけど、その甲斐があったというものw



続きましては、またどうでもいいシリーズ(ひどい)

趣味の1ジャンルとして「Flying」が確立されてるアメリカならではの、飛ぶのが好きな仲間同士で、自分の飛行機を使った編隊飛行チームを作った人たち。

飛行内容はどうでもいいんだけど(ひどいagain)、ここで実況がパイロットの息子さん(11歳)にバトンタッチ。2歳の時からお父さんの横に乗り、すでに飛行時間は300時間を超えているとか。

「会場正面からビューティフルなデルタ隊形で進入してきます!」とか案内しつつ、実況のMCとの雑談もこなす。4万人の観客を前に大したもので。

「将来は戦闘機パイロットになりたい!」とか話す、空気の読み方も秀逸w



お次は、第2次世界大戦における名機の中の名機、P-51Dマスタング。

この時代の米軍機としては異質ともいえる流麗なスタイルと、大戦中の最高傑作ともいわれる高性能。

アメリカ的には、おそらく大戦機の中で一番人気でしょう。

個人的にはドイツ推しだし、日本では海軍機のヘルキャットやコルセアの方がメジャーかもしれないけど。

ヨーロッパ戦線とはほぼ無縁だった日本と違って、アメリカにとっての第2次世界大戦は「ナチスドイツとの戦い」のイメージが強いんじゃないかな…真珠湾攻撃が始まりで、原爆投下が締めではあるんだけども。

特に航空戦は、B-17やB-24による戦略爆撃、そして護衛のP-47やP-51 vs ドイツ空軍「ルフトヴァッフェ」の戦いの方が大規模だったはず。

アメリカ人にはグッとくるものがあるのでしょう。

MCでは「世界の自由と平和を守るための戦いに身を投じ、犠牲になった全ての方に感謝と敬意を捧げます。この中に、陸海空軍・海兵隊・沿岸警備隊に勤めた方はいらっしゃいますか?皆様、あたたかい拍手を」とかやってる。


が、僕のテンションはさほど上がらない(大事なことなので2度目w)

言うてもプロペラ機。Planes of Fameの時みたいに、見るだけのはずが予想外に飛んだ!というのは嬉しいけど、エアショーでは現代のジェット戦闘機の迫力と爆音を味わいたいんよ!!



うまいことテンション上がるやつと下がるやつが織り交ぜられて、割とダレることなく時は過ぎ、終盤に。

アクロバット界のレジェンド、ロブ・ホランド氏による飛行!

Holland is the only pilot in history to win: five consecutive World 4-minute Freestyle titles, Ten consecutive U.S. National titles, and eleven total U.S. 4-minute Freestyle titles.

(4分間のフリースタイルアクロバット部門の世界選手権で5年連続優勝、全米選手権で10年連続、計11回優勝)

Wikipedia(英語版)

やっぱり、"プロペラ機の飛行の中では"いちばん見応えはあるよね。

この写真でも、スモークの軌跡を辿るとどんな動きしてるんだよ…って話で。水平飛行から機種を下げて、そのまま方向転換してるわけだけど、ただ操縦桿を前に倒し続けるだけでは、こんな小回りはできないはず。

でもまぁ、テンションはあがらn(ひどい



そして大トリは、アメリカ空軍アクロバットチーム「サンダーバーズ」。

日本を含め、多くのアクロバットチームがコンパクトなジェット練習機を使用する中、サンダーバーズは現役戦闘機のF-16。素晴らしい!

地上で飛行に向けた準備を進める中、

  • パイロットはもちろん、整備や支援にあたる要員にも卓越した技術とチームワークが必要!

  • 空軍の全ての人間が、このアクロバット飛行と同等の技量と集中力をもって、戦闘・偵察・救難・輸送・人道支援といった任務にあたっている!

  • 我々は自由と民主主義を守るため、日夜頑張るアメリカ空軍!

  • サンダーバーズの飛行を通じて、その能力の一端をお見せしよう!

…的なことを、イケイケのテンションでサンダーバーズのMC隊員が語りあげる。


フライトの方は特に説明することもなく、期待通りにアツいフライトだったから、テキトーに写真を並べておきますw

加工してないけど、真上を撮ると空の色は濃くなる
ブレーキかけながらエンジン全開にしてるの図
「サンダーバーズ・バースト」とか必殺技みたいな名前
カメラの連写性能と運がすべて
観客からの見え方が計算されまくってる



これでフライトは全て終了だけど、帰るまでがエアショー。
ここからは、基地を出るための混雑との戦いが始まる。

バス停から最も離れた場所で見物してたこともあり、サンダーバーズの着陸を待たずに撤収開始。

日本の航空祭だと、基地を出て、帰りの乗り物に乗るまでに2時間ぐらいかかったりするからね…。


が、来るときと同様、バス乗り場の一番奥まで行ったらすぐに乗れて。

冒頭のスクショでピンを立ててたことからも分かるとおり、広大な駐車場のどこに止めたかもGoogleマップで把握してるし(ただし電波はビミョー)。

このとき、バックアップとしてサブのiPhoneを車内に置いて、「探す」アプリでも見つけられるようにしてたものの、Googleのピンとは100mぐらいズレてた。手がかりなしよりははるかにマシだけど。

こうして、帰り道は車は連なっているものの、渋滞みたいに止まってしまうことはなく、スムーズに基地を出れたのでした。

やっぱりアメリカのエアショー最高!

少し離れた町の様子を見に行くも期待外れで、17時過ぎには最寄りのスーパーに到着。ここで買い物しt…んんっ!?

建物のスキマから見えたものを僕は見逃さなかった。



こんな砂漠の真ん中でこんにちは

モハベの郊外には、エドワーズ空軍基地とは別物の、モハベ航空宇宙港があり。

その片隅には「旅客機の墓場」とも呼ばれる、航空機の保管エリアが。

先進国の航空会社で役目を終えた旅客機が売却され、運が良ければ別の会社で第二の人生を歩み、悪ければ部品取りやスクラップ…という運命を待つ機体たち。

アレの影響で航空業界は大打撃、特に国際線が壊滅したことから、割と新しめの機体でも長距離向けの大型機が退役しまくっているのです。

この先、どうなるんだろうね?



はい、これで1日目はおしまい。

そう、2日目もあるのです!

今日の反省を活かして、午前中に見逃した米軍機のフライトや、充実した地上展示もしっかり見てきたから、2日目のnoteもお楽しみに!


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