エアショー・戦艦・戦闘機。ヘリから機銃掃射して、またエアショー。ミリタリー三昧のアメリカ旅行 〜計画編〜
先日、11日間のアメリカ旅行に行ってきました。
到着した次の日から、エアショー2日間。
そこから2日の移動日を経て、戦艦に乗り、航空博物館を見学、ヘリから機銃掃射、またエアショー2日間。そして帰国。
いやー、やはり本場はすごかった!
地獄の円安の中でも決行した価値があったというもの。
この壮大なミリオタ旅行も、キッカケはシンプルなもので、
「せっかく戦闘機撮影用に一眼持ってるけど、最近使ってないなー。ひさしぶりに航空祭でも行くかな」
あ、でも…
日本の航空祭はツラい
超混むんだった…。
戦闘機を見に行ってるはずが、オタクを見に行ってる気分になる。
最前列で見ようと思ったら、スーパー早起きして開門前に並んで、開門ダッシュで基地内を的確に駆け抜けて、運よく場所を確保できたら、イベント開始までの数時間、そしてそのまま夕方まで、その場を死守。
行くことからして大変で、車で行こうものなら大渋滞。駐車場は限られているから、何駅か離れたところの駐車場に入れてから電車で行くとか、本末転倒もいいところ。
電車で行っても最寄駅から徒歩1時間とかザラ。泊まりで行くにしてもホテルは争奪戦で、会場近くのホテルなんて日程が発表されるとすぐ埋まる…
アメリカのエアショー最高
その点、2009年に行ったアメリカのネリス空軍基地のエアショーは最高でした。
開門前に並ぶどころか、開場1時間後ぐらいに車で行ったのに、なぜか余裕をもって最前列に陣取れる。トイレや食事のタイミングに悩むほど、休みなく繰り広げられる迫力のフライト。
しかもここは、日本ではなかなか見られないサンダーバーズの所属基地。
それが2日開催。
自衛隊をdisる意図はありませんけど、事実として規模が比較にならないし、なのにさほど混雑してないんですよ。天国です。
そこで今回、行けそうなイベントがないかと海外エアショー情報サイト・MILAVIAを見てみたら…。
来月行けそうなエアショー発見!
あれ?
サンフランシスコのフリートウィークが10/7〜9。
エドワーズ空軍基地のエアショーが10/15〜16。
これ、ハシゴできるんじゃね?
米軍の2大アクロバット飛行チーム、空軍のサンダーバーズと海軍のブルーエンジェルスを両方見れる!
ヨダレが…。
これに気付いたのが9/11のこと。
そこからプランを立てて、航空券をポチったのが9/20。
ニヤニヤしながらプランを立てて、実際に現地で楽しんで、帰ってきてからの余韻に浸っている約1ヶ月半、こんな楽しく日々が過ぎ去ったのは久しぶり。
そこで、その熱い想いが残ってるうちにnoteに書き留めておくことにしました。
今回はプラン立案編。
プランを立ててる間から、本番を妄想しながらテンションが上がっていくあの感覚…伝わってほしい!
サンフランシスコのフリートウィーク
きっかけはもはや覚えてないけど、ずいぶん前に書いた「人生でやってみたいことリスト」の中にあったんですよ、フリートウィーク。
「フリート=艦隊」、「ウィーク=週間」ということで、アメリカ海軍の軍艦がサンフランシスコに入港して、それに合わせて各種イベントが開催されるのがフリートウィーク。
その中でも最大のイベントが、サンフランシスコ湾の海上で開催される航空ショー。
ブルーエンジェルスはもちろん、F-35C戦闘機のデモチーム、C-17輸送機やP-3&P-8哨戒機の飛行展示、T-33やL-39を用いた民間アクロバットチームなど、飛行内容も充実。
しかも、海上航空ショーなので船でクルーズしながら見ることもできるんです!
そんな船の中には、第2次世界大戦中に建造され、ノルマンディ上陸作戦(映画「プライベート・ライアン」の舞台)にも参加した輸送船なんていうシロモノも。
博物館船なのに航海できる状態で管理されていて、年に何度かクルーズがあるようです。
エアショーは3日間の開催なので、1日は海から、もう2日は陸から…といったように、まったく違う場所から見物することもできちゃう。
エドワーズ空軍基地の航空ショー
こちらはアメリカ空軍の試験開発部隊が置かれていて、最新鋭機が真っ先にテストされる場所。
1947年10月14日にはX-1実験機が音速の壁を突破し、史上初の超音速飛行が行われた場所でもあり、2022年はそれから75周年。今回の航空ショーにはそんなお祝いの意味も込められているようです。
アメリカ航空宇宙局・NASAの開発拠点もあり、世界でここにしかない特殊な機体も数多く配備されていて、宇宙から帰還したスペースシャトルの着陸地でもあります。
そんな基地なので、飛行内容は超豪華!
空軍のF-22やF-35のような最新機種はもちろん、B-1やB-52といった爆撃機、NASAの観測機材を搭載したU-2やDC-8、支援機のF-15やF/A-18などなど。
民間アクロバットチームももちろん参加(あまり興味はないけどw)、そして締めはサンダーバーズ。
これはアメリカでも最強レベルにアツい航空ショーになりそう!
イベント間の5日間もミリオタ天国
サンフランシスコのフリートウィークは8&9の土日で見ることにして(これが後に悲劇をもたらすことに…)、エドワーズは次の週末15&16の開催。
エドワーズ空軍基地はサンフランシスコと同じカリフォルニア州とはいえ、約500km離れたモハベ砂漠の中。公共交通機関なんてあるはずもなく、レンタカーが必須。でも、そこからロサンゼルスまでは150kmと、さほど遠くない。
そんなわけで、10/7(金)に飛行機でサンフランシスコ入りして、10/17(月)にロサンゼルスから帰国することにしました。
それが決まったら、今度はイベントの中休みとなる10/10(月)〜14(金)の5日間でサンフランシスコからエドワーズに向かうプランを練りつつ、途中に良さげなものがないかリサーチ。
Pacific Coast Highway
なんとも都合のいいことに、サンフランシスコ〜ロサンゼルスを結ぶ海沿いルート、通称「Pacific Coast Highway」は、アメリカでも有数の絶景ドライブコースだとか!
太平洋の景色はもちろん、ゴルフや高級車オークションで有名なペブルビーチを擁する高級リゾート・モントレーや、海沿いに連なる山脈のビッグサーといった景勝地だらけ。
ただ、この区間は700km以上あるので途中で1泊することにして、10/10は中間点にあるサンシメオン泊、10/11にロス入りすることに。
ところで、「どっかで聞いたことある場所だな?」と思ったあなた、正解です。
macOS 11のコードネームはBig Sur、12はMonterey。
あれはカリフォルニアの景勝地の地名だったんですね〜。
戦艦アイオワとPlanes of Fame航空博物館
さて、10/11にロス入りすると、エドワーズ空軍基地まで150kmとはいえ、まだエアショーまで中3日ある。
その後のルート検討と、通り道にある良さげな場所リサーチでGoogleマップをこねくり回していた時に見つけたのが、この2カ所。
まずは、戦艦アイオワ。
太平洋戦争で活躍し、戦艦大和のライバルともいえる艦。ロス南部のロングビーチで博物館として公開されていたとは知らなかった…。
そして、Planes of Fame航空博物館。
こちらは、第二次世界大戦期の軍用機を中心に所蔵する博物館で、多くの機体はなんと今でも飛行可能。少し前に、日本に里帰りを果たしたゼロ戦もここの所蔵機。
博物館の存在は知ってたけど、ロス近郊だったとは知りませんで!
僕は基本的にリサーチ魔で、旅行前には通る道まで決めておくタイプ。その特性が見事に発揮されて、この2カ所を見落とさずに済みました。
行き当たりばったりの面白さ、偶然良いものに出会う喜びもわかるんですが、やはりめったに行けない場所はリサーチするに限る!
というわけで、10/11の宿は戦艦アイオワに近い、ロングビーチに決定。
Angel's Crest Highwayとカリフォルニアで最も危険な街
戦艦と航空博物館、距離は100km弱しか離れておらず、東名高速レベルの道路が張り巡らされているアメリカでは1時間ほどで移動できちゃう距離なんですが、じっくり見学したいので行く日は分けたい。
だからといって、丸一日かけるほどではないので、どうしたものか…。
ここで、僕の第2の趣味「ドライブ」が登場。
「走り屋ユーチューバー」として100カ所以上の峠道を紹介してきた経験が、素敵な道のありかを告げる…!!
はい、見つけました。
ロス北東部に連なる山脈を縫って走る、約100kmに及ぶワインディングロード、Angel's Crest Highway。航空写真とストリートビューでざっくり道の様子を確認して、問題なし!
この道の終点と、次の日に行きたい航空博物館の間にはサンバーナディーノという町が。あのルート66が通る場所でもあり、面白そうな宿も見つけたので、10/12の宿はここに決定。
ここがカリフォルニアで最も危険な、犯罪率が全米ワースト19位の街だと知ったのは、泊まる前日のことです…w
ともかく、10/12は戦艦アイオワを見学してから峠を堪能、そしてヤバい街に泊まる日となりました。
壮大な景色を求め、砂漠の不夜城へ
10/13はヤバい街で朝を迎え、航空博物館を見学するプラン。
でも、次の日も丸一日空いているので、ここにもうまいこと何かを組み込みたい。
せっかくアメリカに行くので、「人生観が変わりそうな壮大な景色」を見たいな〜と思ったんですよ。パッと思いつくのはグランドキャニオンだけど、遠すぎる。
というわけでGoogleマップを眺めると、エドワーズの北東250kmあたりにあったのが、デスバレー。
いつだかSNSで見かけた記事で、自然写真家が「一切の音がせず、聞こえるのは自分の息と鼓動のみ」みたいなことを書いてたのがデスバレーだったような気がして。
なんかちょうど良いなーってことで、行き先として仮設定。
ただ、航空博物館からは400km近くあって、デスバレー自体も広大なエリアなので、どこかに泊まる必要が。
しかし「Death Valley = 死の谷」なんていう名前が付くほどの場所、周辺に観光客が泊まるような街はない。
最寄りの都会は…200km離れた、砂漠の不夜城・ラスベガス。
ラスベガスも博物館からは400km近くあるものの、高速道路で4時間ほど。道はひたすらまっすぐ、そして全米で唯一、夜歩きしても安全な街ラスベガスなので、暗くなってもヨシ!
こうして、10/13は航空博物館を見学してから、一気にラスベガスまで突っ走ることに決定。
はい、カジノで有名な、あのラスベガスですよ。
僕にとってはただの経由地ですけどw
ヘリコプターから機銃掃射だと…?
10/14は金曜日、エドワーズ空軍基地でのエアショーの前日。
ということは、夜には基地の最寄りの街であるモハベに到着している必要があり、ラスベガスから最短距離で350km、デスバレーを経由すると480km。観光しつつ5〜6時間といったところでしょう。
いつも通り、Googleマップでルートを検討していると目に飛び込んできたのが、「Gunship Helicopters, Range and Tanks」とかいう魅惑の物々しいスポット。
Gunshipというのは地上に向けて機銃掃射を行う航空機の総称で、Helicopterはそのまんま。
この場合、どう考えてもRangeは射撃場、Tankは戦車…。
行きます!!
なんだかんだ10〜15万円は散財することになりそうなので、カジノに期待するしかないっ…!←
こうして、10/14は機銃掃射して、デスバレーを通って、エアショー会場近くのモハべ入りというプランに。
ここで3泊して、10/15〜16はエドワーズ空軍基地のエアショーを堪能、10/17にロサンゼルスの空港に向かって帰路へ…という旅程が確定!
本番はここからだからね!
アメリカはエアショーだけでもすごいのに、ついで扱いの博物館やアクティビティですら日本じゃ体験できないものがウジャウジャある、ミリオタ天国。
そのことを伝えたくて、計画編として一気にお見せしました。
まるで行ったかの如く書いてきましたけど(実際、帰国してから書いてますけどw)、これはプラン立案の振り返りです。まだ妄想のお話。
事前に緻密な計画を立てていても、その想定を超えてきた感動と悲劇(いやホントに)。
次回からは、それを綴った本番レポートを書いていくのでお楽しみに!
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