田舎生まれ、田舎育ちにしては特異な価値観を持った人間たちの集まりと、木村亮一君について
カッコいい音楽を作ることが至高。カッコいい音楽を演奏することが最高。カッコいい音楽を聞くことがイケている。18〜25歳くらいまで、そんな価値観を共有する仲間たちの中で生きてきた。
その仲間たちというのは、田川という人口10万人くらいの寂れた田舎まちで生まれ育った人たちで、僕もその一人である。
例えば、仲間と車でご飯を食べに行く時、どんな音楽が車で流れているのかが大事だったりする。それは、マウントや見栄ではなく、いい音楽を発見した喜びを共有したいという気持ちから、それを大事にしたりする。
そんな価値観を共有した仲間たちの中で、木村亮一(以下、亮一君)という人は、僕にとって、もっとも影響力のある先輩だった。そして、その影響力を感じていたのは、僕だけではなかったと思う。
亮一君は、ハードコアバンド「999999999(キュー)のリーダーで、VANSが主催するバンドコンテストでアジア1位になったり、お笑いコンビどぶろっくさんのバンド「どぶロッカーズ」のベーシストとしてサマーソニックに出演したり、音楽の世界で活躍している。
いいかねPaletteのYouTubeチャンネル「いいかねPalette通信」で、亮一君がゲストに出た時、㈱BOOKの樋口代表は「田川にコアを持ってきたのはリョーチだった」と言っていた。
コテンラジオの中で深井さんはよく「物事に純粋に突っ込む人」や「純粋に探求する人」が社会に影響を与えているという話をする。利益や評価のための行動でなく「純粋さ」が人を動かしてきたのだと、僕は解釈している。
実際、亮一君の音楽や映画などの文化に対する純粋な探究心とそれを純粋に共有したいという想いが、田川の仲間たちに影響を与えてきた。そして、影響を受けた人たちは、至るところで、多くの人に影響を与えている。
先日、亮一くんに、僕がやっているThe DiamondsというバンドのPodcast番組「カントリーマンラジオ」のゲストとして出演してもらったのだけど、亮一くんの純粋な探究心と鋭い観察眼が、誰かに影響を与えていたことを、あらためて認識した。
37歳になった今、
カッコいい音楽を作ることが至高。カッコいい音楽を演奏することが最高。カッコいい音楽を聞くことがイケている。
という価値観は変わっていないし、これから変わる予定もない。
ただ、そのほかにも色んな価値観を得たし、色々な視点を持てるようになってきたとは感じている。