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音量記号と音量について。

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バイオリニストの児玉彩霞さんという方の、こちらのサイトから引用させていただきました、チャイコフスキーの悲愴の一部です。

これはかなり音量記号が極端な曲ですが、その他の楽器の楽譜でも、fffみたいな、文字3つくらいまでなら、まぁまぁ見ることはあるのではないでしょうか?


『途中のすげー盛り上がるところで、ffあったけど、最後の4小節fffってどうすんねん!』というのはよくありますよね。

その中間の盛り上がりも落とせないし、そもそも厳密に音量を数段階に分けるのは厳しいものがあります。

結論を言うと、単純に音量だけで、特に「ffとfff」や「pppとpp」などの差を求めようとするのは無理です。
だから、違うもので差の印象をつけるしかありません。


解説します。


音量を計る単位として、Db(デシベル)が採用されているのはご存知かと思いますが、そのDbの算出方法はご存知でしょうか?
Dbの単位は、音量ではなく音圧(パスカル)ですが、話を流れの大事にして、音量で進めます。

音量、すなわち、空気の振動量を計測し算出するのですが、それを計算する際、単位が大きくなりすぎるので、対数log10を使って、、、

詳しく知りたい方はこちらです。
わたしも訳が分からなくなってきたので、外部リンクで逃げます。


要点だけ伝えると、
log10でお察しされた方もいるかもしれませんが、

『「”ある音量”から2倍の音量にボリュームを上げた」と、聞いている人に思わせたかった場合、"ある音量"が10個分(10倍分)必要」

ということです。

人に2倍の印象を与えるために、物理的には10倍に増やさない、といけないということは

たとえ1.2倍の印象にしたいだけでも、単純に1.2倍吹き込むよりも、もっと吹き込まなければならない、ということになります。

結構吹き込んだffと、そのあとに出てくるfff、まぁ厳しいです。というところに落ち着かざるを得ません。

そして、「違うもので差の印象をつけるしかありません」と書きましたが、これは、
音質や発音の仕方、タンギングのはっきりさやキツさ、ビブラートの深さなどなど、いろいろな選択肢があると思いますので、これは個人の好みを追究してください。

この話の発端はpppとppや、ffとfffのところから入りましたが、
これだけに限ったことではなく、すべての音量記号のところで、悩むべきだと思います。



最後に、話はそれるかもしれないのですが、音量記号に対しての考察の延長として言いたいことは、『音量記号を、単なる音量の指示と思うのは良くない』ということです。

「mfと書いてあるけれども、強さや攻撃的などのニュアンスを少し出すなどではなく、やさしさや包み込む感じを少し見せる感じにしたい」
「pだけれども、信念をもって今は身をひそめるという感じを見せたい場面なので、発音や音の芯ははっきり見せたうえで目立ちすぎないように演奏したい」

という解釈をする場面、これは結構多々あります。


こういうことを考えるのが、音楽をする楽しさの中で、一番の醍醐味なような感じはしますので、是非、解釈で楽しんでみて下さい。


以上です。


「悲愴」というよりは、チャイコフスキーかなりエグいですよね。

真面目に音量記号を付けたのでしょうか?ネタに走ったのでしょうか?


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