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鼻中隔弯曲症と手術(1) 入院まで

CPAPと鼻閉
手術を受けようと思ったきっかけはCPAP。睡眠時無呼吸症候群の治療のためCPAPを使うことになった。

睡眠時無呼吸症候群
睡眠時にいびきをかくが、それが急に止まったりするという家族の指摘で近所の睡眠時無呼吸症候群を診てもらえるクリニックに行き、睡眠時の呼吸を計る装置をつけて寝たところ、見事に呼吸が止まっていて血中酸素が低下していたらしい。3~4分間息を止めているのと同じくらいだそうだ。

心房細動
後にホルター心電図、という24時間計測できる携帯型心電図で心臓の状態をはかったところ、睡眠時に心房細動を起こしていることもわかった。

CPAPがうまくいかない
で、CPAPの機械(Philips製)を睡眠時に装着したんだけど、息が苦しくて全く長続きしない。息を吐く時に抵抗があって苦しい感じ。マスクを変えたり、圧を変更したり、最後はCPAPではなくBiPAP(圧が継続するのでは無く、息を吐く時は弱める呼吸器)にしたもののダメ。

鼻中隔弯曲症
もしかして鼻が詰まっているのが原因なのでは?と考え、クリニックに紹介状を書いてもらい大学病院の耳鼻科行く。CTで見てみると、左右の鼻の穴を隔てる壁が正面から見ると逆「く」の字になっている。で自分から見て左側がふさがってるんだけど、右側の穴のヒダ(下鼻甲介という)がおおきい。

左右の鼻の穴を隔てる壁が成長時のゆがみなどで曲がってしまい、片方の鼻を塞いでしまっているらしい。もう一方の鼻は通りが良さそうなものだが、鼻の中の粘膜が肥大してしまいこっちもふさがってる。そういうことなので先生からは、これからずっと薬を飲んで症状を抑える方法と、手術をして鼻の空気の通りをよくする手術をするという二案ありますがどうしますか?と提示された。まぁこれは手術一択だなぁと思いその場で返事。具体的には「鼻中隔矯正術」と「下鼻甲介粘膜切除術」。今日来てすぐって訳にはいかないとは思っていたが、3ヶ月先とはずいぶん先だなぁ。

過去の手術
そもそも、4年前、フルマラソン中に倒れて「心房細動」と診断され、カテーテルアブレーションという手術を受けた。左心房にある肺静脈の付け根から異常な信号が出て、心拍数がとても早くなったり不規則になる病気。マラソン中に心房細動になり、心臓が空打ちをはじめてしまい、低血圧になったのが倒れてはじめてわかった。日常生活では特に問題ないのだが、心房がワナワナ震えるときに血液のよどみが出来て、血栓となり身体に飛び散るというリスクがあるそう。お医者さんに言われたのは「小渕、長嶋、オシム」。いずれも心房細動からの脳梗塞を起こした人だそうだ。カテーテルアブレーション後は正常に戻ったが、上記のとおり無呼吸の時に心房細動が起こっているようだ。

つまり、鼻閉が睡眠時無呼吸を起こし、それにより心房細動が起きてるのではと考え、まずは鼻閉を治そうと考えた。

一ヶ月前診察
手術前一ヶ月の診察に行く。血液検査、心電図の他に試薬をかいでにおいの有無や種類をあてる嗅覚検査、静脈ににおいの元を注射してにおいを感じるかというテストも実施。(注射は口の中がもやもやーっと「アリナミンをなめすぎて糖衣が取れたときの味!」と思ったら本当にアリナミンの静脈注射だった)検査の後、医者から手術についてとリスクについての説明がある。
 病名:鼻中隔弯曲症、アレルギー性鼻炎
 治療:鼻中隔矯正術、両側下鼻甲介減量手術
 全身麻酔下2時間程度
「鼻の穴から内視鏡を用いて手術を行います。鼻中隔の弯曲を曲がった骨や軟骨を除去し矯正します。肥大した下鼻甲介を切除し減量します。」

手術とリスクの説明
鼻中隔矯正術では左右の鼻の穴を隔てる壁が曲がっているため、その壁になっている軟骨の一番曲がっている一部の軟骨を切り取ってまっすぐにする手術。軟骨を抜いたところの左右には粘膜があるが、これが軟骨を抜いても隙間なく左右くっつけば成功。隙間が出来た場合、そこに血がたまり細菌感染をするリスクがある。これを鼻中隔血腫というのですが、これが出来ないように「ワタ」を詰めて圧迫します。鼻中隔血腫が出来た場合、わかれば再手術、そうでないと細菌感染から左右の鼻の穴をつないでしまう穴が出来てしまうことがある。これを鼻中隔穿孔といい、大きな支障はないのですが呼吸時に音がしたり、カスが引っかかったりすることがあるそうだ(それは嫌だ)。もっともその病院では過去鼻中隔穿孔が起きたケースは一件だけで確率は低いと言うこと。

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下鼻甲介というのは、鼻の中にあるヒダのなかでも一番下に位置していて大きく、自分の場合空気の通りを大きく邪魔しているモノ。これの軟骨を除去し、場合によっては粘膜の一部をとって鼻の通りをよくする手術。軟骨は顔の上下方向と奥手前方向と二方向にあるので、その交差する場所の軟骨を除去する。上の方を除去すると、鞍鼻といって鼻筋がへこむ可能性があるのでなるべく縦方向の上方面は削らないとのこと。ただし手術をする以上わずかながらでも鞍鼻のリスクはあるとの説明。また、全部取ってしまうと、下鼻甲介の本来の機能、呼吸した息を加湿加温する機能が失われ、のどがつーんとしたりひりひりするようになるらしい。なのである程度は残しておくそうだ。

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鼻の中は普通の表皮と違い粘膜だ。手術をした後は縫合し、手術あとがふさがるまで圧迫して止血する。で、通常手術後3日間はワタをびっちり詰めて圧迫止血。昔はガーゼを使っていたそうだが、乾いた後とるのがかなり痛かったそうだ。(想像しただけでも怖い)いまは海草から作った綿球をぎっちりつめて、にじみ出た血液や古い組織などと一緒にワタが徐々に排出されるとのこと。科学の進歩のおかげで痛みはずいぶん減った模様。

この手術によりアレルギーが治るわけではないということ(ずいぶん楽になると思うけど)、全身麻酔のトラブル、大量出血のショック、ベッドからの転落や歩行時の転倒などのリスクについて説明があった。

注意:この一連の文章は著者の個人的感想に基づいています。医療治療に関することはそれぞれの事情が違いますので、正確な情報は専門医にお伺いください。

                           (つぎ)

鼻中隔弯曲症と手術(1) 入院まで
鼻中隔弯曲症と手術(2) 入院から手術完了まで
鼻中隔弯曲症と手術(3) 手術後2~6日退院まで
鼻中隔弯曲症と手術(4) 退院後~退院後最初の診察


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