我が家の脱炭素

 最近はやり出した言葉ですが、ちょっとうさんくさい気はしています。決して間違いと言いたいのではなく、正しいことなのですが錦の御旗を立てられて、これに従わざる者は人にあらずと言われているような気がしているのです。

 脱炭素には私も昔から取り組んでいます。例えばバイクです。30才過ぎまで車の免許は取りませんでした。生徒にも60キロの人を運ぶのに1トンの車を使うのはおかしいとか、四ツゴマ(4輪)でよたよた走るかっこ悪い車には乗らんと言っていました(今は1.5トンの車に乗っていますが・・・)。それ以外にも昔から取り組んでいることがあります。我が家の風呂はほぼ100パーセント脱炭素です。太陽風呂とマキ炊きですから。冬以外の晴れた日は太陽風呂からの給湯で間に合っています。雨が続いたときや冬期は、マキで暖めます。お湯が冷めにくいのと、冬には釜の火を火鉢に移すと部屋も暖められます。釜の灰は家庭菜園や山草のあく抜きに使えます。

 ただ大変なのがマキ作りです。近くにある山に行って木を切り、家まで運び適当な長さに切って割って乾燥させます。生木だと1年くらい乾燥させてもまだ十分ではありません。今年もかなり作りましたが、来年の冬期に使用するつもりです。だから完全に脱炭素だと言いたいのですが、木を切るときにチェーソーを使うため、それに少量のガソリンが必要なのでほぼ100パーセントと書いたのです。また釜は高温になりますので傷みが早く15年くらいでだめになります。業者に交換してもらおうかと見積もりをとったこともありますが、あまりに高価だったので自分で交換しました。費用は業者に見積もりしてもらった額の四分の一以下ですみました。この春に2回目の交換をしました。

 昔知人の女性たちのお茶会に参加させてもらったとき、私の家事手伝いとして、風呂だけは私がやっていますと言うと、「浴槽を洗うだけでしょ(家事手伝いにはなっていない)」と、返されたので説明するとびっくりされました。おまけをつけて、「まず最初に奥様が入られますので、お湯加減はいかがですかと聞き、次に子供たちが入りますので、お嬢様・お坊ちゃまお湯加減はいかがですかと聞かなあかんのに、私が入るときは誰も聞いてくれんので、冷えた湯に入っとります」とウケ狙いにいきました。

 山間の地区ですが、近所でもマキ炊きの風呂はほとんどありません。脱炭素としては良い見本ではあると思っていますが、「我が家は脱炭素で頑張っとる」とは言いたくありません。「金がないきん(から)、仕方が無いんじゃ」と言っています。昔はこの地区の全家庭がマキ炊きでしたので、その良さを知っている人も多く、「ええなあ。冷めにくいきん」と言ってくれる人はいますが、脱炭素とは誰も言いません。時代遅れと言われているかもしれません。

 

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