コロナが田舎を変えた
この前の「年の終りに」が今年最後の投稿と思っていましたが、面白いことがあったので投稿します。何度も書いていますように日曜日以外はほぼ毎日喫茶店に行ってモーニングを食べています。曜日ごとに行く喫茶店は決まっています。28日の土曜日に予定通りの喫茶店に行こうと車を乗り入れたところ、顔見知りの女性が店に入るのが見えました。相手も私に気がつき会釈をしてくれました。車を降り店に入るとその女性が中で待ってくれていました。そして「今日はこの店にあなたが来るはずなので会えるかなと来たら店頭でばったり会えた」と言われました。持てる男はつらいと冗談を言いながら席に着きましたが、しんどい話かなと思いました。この女性は私より少し若いのですが、県庁所在地で生育されて、近くの山間の地区に嫁がれたのですが、古い風習に悩まされながら生活されていました。しかし古いタイプの女性ですので自己主張ができないのですが、納得できずに暮らしているので、そんな女性グループに只1人の男性である私と知り合いになったのです。ただ最近は会う機会が殆どありませんでした。県庁職員だった夫が退職後体調を崩されたことと孫たちの面倒を見るためです。他のメンバーが誘っても参加できないことばかりが続いたのです。
この日も体の不自由な夫がデイサービスに出かけている間の息抜きに、会える可能性が一番大きな(一番暇な)私に白羽の矢が刺さったようです。多分夫の帰り時間を気にされていたのか時計をチラチラ見ながら息つく暇もなく話が続きました。家庭のこと近所のこと仲間たちのことと話が尽きませんでした。そんな話の中に田舎の古い風習をぶち壊してくれたのがコロナであると二人の意見が一致しました。例えば地区に死者が出たときは、地区の人は会社を休んでも葬儀の手伝いに行かなければなりません。そこに行くといわゆる有力者がしきって(今風にいうとマウントをとって)古くさいことを強要されます。殆どの人が嫌だったのですが、面と向かって言うことは、特に女性にはできなかったのです。
ところがコロナの流行で人が集まることは制限されました。ですから葬儀も家族葬ということになりました。この方が良いと誰もが納得したため、コロナ収束後も家族葬ばかりになりました。田舎ではコロナ様々ということです。1時間半くらい話し合ってこの女性の気分が落ち着いたようで、時計を一段と気にし始めたので、「年をとるとあの世とトイレが近くなるんよ」と何時ものギャグを言ってトイレに立ち、帰ってくると女性はいませんでした。うまく息抜きできていれば良いなと(基本私は自分が言いたいことだけを言っていましたから)思いながら、あとは週刊誌の読書タイムになりました。