讃岐の県民性
1月に投稿した「知人の告別式に行きました」について、知人から「そんな県民性やったら、皆短命になるんと違うか」と言われました。それで都道府県別の寿命を調べると、男女ともに全国平均より長いのです。調べるまでもないことと思っていました。風土がかなり快適だからです。水が少ないくらいで災害には殆ど無縁です。台風も雪も殆ど来ません。ここ数十年は四国三郎(吉野川)からの分水で水不足になることもありません。逆に言えば台風銀座の沖縄よりも長生きしてもいいはずだなと思います。
そうならない理由の1つは、周りを気にする・気を遣う・争うのを嫌う県民性だろうと思います。住むのに快適なので、長く住み続けているので、周りは全て知り合いが多いからだと思います。最近無差別に見知らぬ人を殺傷する事件が多発していますが、香川県では起こりにくいと考えています。そんなことをしたときの、家族・親戚への世間の目をよく知っているからです。非常に保守的な環境です。自分の故郷に長くいたいのは日本の国民性だと思いますが、日本一狭い県にかなりの人が住んでいますので、特にそうならざるを得ないのかなと思っています。
狭い県ですから、これ以上の発展性はほとんどありません。そのため上昇志向・社会承認欲求の強い人は他人を利用・貶しめ・出し抜くしかないのです。そして近くにお偉いさんがいると、すり寄っておこぼれで甘い汁を吸おうする人も出ると思います。こんな人はたくさんいます。前にも書いたのですが、NHK高松放送局に勤めていた人が、「定期的に人事異動があってな、県外から来た人が最初に覚える讃岐弁は"ずべらこい"やで」と教えてくれました。この"ずべらこい"は"へらこい"の最強力語です。"へらこい"にあたる標準語は思いつきません。ずるい・金銭等にきたない・悪賢い・図々しい・弱みにつけ込み自分の利益を得ること全てを含んだ言葉です。ただそんな人は自分のことを"へらこい"とは考えずに、「自分は利口な生き方をしている」と考えているようです。もちろんこんな人は全国どこにでもいます。いわゆる「勝ち馬に乗れ」もそれだと思います。ただその度合いが強いのと、周囲が目を光らせているから、こんな言葉が生まれたのではないでしょうか。そしてその事に成功した人は「ええ人生を生きとるで」と長生きするのではないかと思っています。私も人並みには上昇志向・社会承認欲求は持っていたつもりですが、特に社会人になってからの周囲の動向を見たり、私にもすり寄ってこられたりすると、ついて行けませんでした。