先輩、同期、後輩は全員ライバルであり、尊敬する存在。田中禅は大学ナンバーワンストライカーを目指して真っ直ぐに走り続ける。
9月14日に千葉県内で行われた全日本学生選抜の事前合宿。韓国で行われる日韓大学定期戦に向けて合宿を張る全日本学生選抜の練習試合の相手となったのが、関東大学1、2年生選抜だった。
関東の大学の有力な1、2年生が集められ、9月10、11日で紅白戦を行い、そこから選ばれた23名の中に明治大の2年生ストライカー・田中禅の名前があった。
田中は185cmの高さと屈強なフィジカル。空中戦の圧倒的な強さと上半身のしなやかな身のこなしを駆使し、ポストプレーヤーとフィニッシャーとして高い能力を持つ。
全国トップクラスの強豪として知られる明治大において、途中出場がメインだが、目の覚めるような弾丸ボレーや強烈なヘッドなど、土壇場で発揮されるゴールハンターとしての能力を駆使し、これまで何度もチームの窮地を救ってきた。
ハイレベルな仕事を見せる田中は、全日本学生選抜戦では前半45分のプレーとなった。
流通経済大1年生の川畑優翔と2トップを組んだ彼は、同じ明治大の先輩であるプロ注目の3年生・岡哲平と常葉大の速水修平のCBコンビに対し、フィジカルコンタクトを駆使してボールを収めたり、ワンタッチでの正確な落としで攻撃の起点となった。
試合は5分にMF水野颯太(桐蔭横浜大、ヴァンフォーレ甲府内定)に先制を許すも、田中と川畑の2トップが前への推進力を発揮し、29分には川畑が鮮やかなダイレクトシュートを決めて同点。前半を1−1で折り返した。
お互いメンバーが総入れ替えとなった後半は、全日本学生選抜のFW泉柊耶(びわこ成蹊スポーツ大、ヴィッセル神戸内定)の鮮やかなドリブルシュートを浴びて勝ち越し。1−2の敗戦を喫した。
試合後、浮かない表情を浮かべていた田中に話を聞くと、自らの心の内を素直に口にしてくれた。
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