【100万人の北九州市民へ!】ミクスタへ行けば、ギラヴァンツが感動をもたらしてくれる。
2020年2月23日(日)
J2リーグ ギラヴァンツ北九州vsアビスパ福岡
@ミクニワールドスタジアム北九州
この試合は僕にとって、ただの1試合、ただの開幕戦、ただの福岡ダービーではない、忘れられない経験となった。
そして、こう確信した。
「このスタジアムがあればギラヴァンツは強くなる」「良いスタジアムから強いチームが生まれる」
ちょっと前のギラヴァンツ
最初に言っておくと、僕はギラヴァンツ北九州の熱狂的なサポーターではない。
でも、出身が北九州市若松区ということもあり、北九州を離れた大学生の頃から、結果だけはずっと気にしていた。
因みに、北九州にいた時の経歴は以下の通り。
学校 : 青葉小 → 高須中 → 小倉高
サッカー : 青葉SC (現、フラッププライド) → 小倉南FC → 小倉高サッカー部
僕が北九州にいた時、ギラヴァンツはJFLに所属し、しかも「ニューウェーブ北九州」というチーム名で活動していた。
そのニューウェーブ時代、地元の鞘ヶ谷競技場で開催されたJFLの試合でボールボーイをしたことがある。
試合は0-3の完敗。観客も100人いるかいないか。
内容も正直めっちゃつまらなかったし、ボールボーイをしながら眠くなっていた。
その当時は、ニューウェーブのことを「地元でJリーグを目指して頑張っているクラブ」という程度でしか見ていなかった。
しかし、そこから数年後、ビッグニュースを耳にすることになる。
ニューウェーブがJFLで好成績を残したことで、晴れてJ2へ昇格するというのだ!(当時J3はなかったため、昇格したらいきなりJ2)。
僕は「え!凄いやん!」と一人ではしゃいでいたが、周囲の反応は冷たく、「へぇ〜やっと上がったんだ。」くらいで、盛り上がっているとは到底言えない雰囲気だった。
しかも、チーム名も「ギラヴァンツ北九州」に変わるという。
ニューウェーブ北九州 で慣れていた自分にとっては、「ギラヴァンツ?何だその変な名前。」という印象を持ったことを覚えている。
高校生の頃には、「せっかくだから」ということで、J2の試合を3試合程度観戦した。
場所は、本城陸上競技場 (通称、本陸(ホンリク))。
当時のギラヴァンツのホームグラウンドだ。
小学生の陸上競技大会を開催する程度の、お世辞にも素晴らしいとは言えない競技場。周りにも何もなく、近くのイオンが見えるくらいだ。
到底「スタジアム」とも呼べない(芝生の質は悪くないが)。
最寄駅と言える駅もなく、アクセスも悪い。
僕は当時、ホンリクから車で10分程度のところに住んでいたが、進んで「観戦したい」と思ったことは一度もない。
勿論、ギラヴァンツが弱かったこともあるが、一番の要因は、『ホンリク』に魅力を感じなかったから。
自分のサッカーの試合ですら、「やったー!ホンリクでできる!」という気持ちを抱いたことはなかった。
しかも、プロの試合であるにも関わらず、いつも当日券で入れる為、前もってチケットを買ったことなんて一度もない。
競技場の中に入っても、席はガラガラでどこにでも座れるような状態だった。
この当時、僕はこう思っていた。
「こりゃダメだ。。」と。
J1昇格のチャンスを自らの手で逃す、そしてJ3へ降格
しかし、少し風向きが変わり始めたのは、自分が大学生の頃。
母親から「北九州に新しいスタジアムができるんだって。見に行かないとね。」とメッセージが来た。
建設計画は自分が北九州にいた頃から進んでいたようだが、北九州を離れた頃に初めて知ることとなった。
しかも場所は、小倉駅から徒歩数分だと。
控えめに言って、最高じゃないか?そう思った。
一方、肝心なギラヴァンツはと言うと、
2014年シーズンに大躍進。
J2で5位となり、「遂にJ1昇格プレーオフに進出する権利を得たか?」と思われた。
しかし、債務超過とスタジアム(ホンリク)が昇格基準を満たしていないことで、プレーオフにすら出場できず。
唯一無二とも言えるチャンスを自らの手で逃したのだ。
「こんなバカな話があるか?」
ギラヴァンツのサポーターは皆そう思ったに違いない。
僕も「は?何だそれ?」と気が抜けたのを覚えている。
そして遂には、2016年にJ2で22位(最下位)となり、J3に降格。
J1昇格のチャンスを掴みかけた、僅か2年後である。
当然J3も立派なプロリーグである為、一度落ちてしまえば上がってくるのはとても難しい。
この結果には流石に、「やってしまったな〜」と思った。
ミクスタと共にJ2へ
話題となっていたスタジアムは2017年に漸くこけら落とし。
名前は「ミクニワールドスタジアム北九州(通称:ミクスタ)」。
写真を見て一発でこう思った。
「これは行きたい!!」
スタンドからピッチの距離が近く、海と山が見える最高の景色。
「J1にもこんなスタジアムを持っているところはなかなかない」
数多くのスタジアムに行った自分の中で、この感覚は確信に近かった。
しかし2018年、ギラヴァンツはJ3で17位。まさかの最下位である。まじか。。
「せっかくミクスタができたのに。。」
そう思っていた矢先の2019年、ギラヴァンツは生まれ変わったように大躍進。
ゲキサカで見る結果は大体が勝利。連勝に連勝を重ね、順位表を見たらなんと首位に立っていた。
J2昇格の現実味が帯びてきた。
「観に行くしかない!!!」
昇格が決まりそうな日に狙いを定め、小倉南FC時代のチームメイトであり、ギラヴァンツの選手だった中山開帆にチケットを押さえてもらった。
それと同時に直ぐに飛行機のチケットを押さえ、東京から北九州へと飛び立った。🛬
そして、
2019年11月24日(日)
J3リーグ ギラヴァンツ北九州vsカマタマーレ讃岐
@ミクニワールドスタジアム北九州
遂にこの試合でミクスタデビューである。
会場には、7,974人の観客が詰めかけた。当時のミクスタ史上最高観客数だ。
観客100人の頃を思い出すと、考えられない程の観客数である。
「最高のスタジアムだな」
ただただそう感じた。
評判では聞いていたが、百聞は一見に如かず。
観客席からピッチが近く、確かに景色が良い。
どう考えても、J3に所属するチームが持っているスタジアムではなかった。
試合はと言うと、4-0勝利。遂にJ2昇格!!🏆
この瞬間に立ち会えたことは、とても幸せだった。
そして、北九州市民が一つのチームを応援して熱狂する姿に胸を打たれた。
この次の試合、ギラヴァンツはミクスタで勝利をおさめ、J2の昇格だけでなく、J3での優勝も決めた🏅。
このスタジアムがあれば強くなる!!
昇格を決めてから約2ヶ月。
2020シーズンのJリーグの開幕戦カードが発表された。
相手はなんと、、
アビスパ!!!!
「まじか!!」見た瞬間に決めた。
「ミクスタに行く」と。
アビスパは中学の小倉南FC時代、何度も凌ぎを削った相手。自分にとっては宿敵であり、リスペクトしているクラブでもある。
行かない理由などなかった。
直ぐに試合のチケットと飛行機のチケットを押さえた。
そして、その日はあっという間にやってきた。
2020年2月23日(日)
J2リーグ ギラヴァンツ北九州vsアビスパ福岡
@ミクニワールドスタジアム北九州
天気は快晴。寒過ぎず最高のコンディションだ。
自由席を取っていた為1時間半前に入ったが、殆ど埋まっていた。
何とか見つけて座ったものの、それだけ多くの人が来場していることを物語っていた。
外で昼食を取り、再びミクスタへ。既に開始5分前になっていた。
そしていよいよ試合が始まる。
先ずは選手入場。
入場曲が鳴り始めた瞬間、1万5千人が一斉に立ち上がってスタンドを黄色く染めた。
鳥肌が立った。感動してウルっときた。
アビスパも凄い。。圧巻の光景だ。
試合は0-1でアビスパが勝利したものの、魂のこもった素晴らしい試合だった。
No.10 高橋大悟が悔し泣きしていた姿にも胸を打たれた。
しかし、結果よりも何よりも、黄色のユニフォームを着ているおじさん、おばさん、子供達が惜しいシュートに「あぁ〜!!」と本気で悔しがり、相手が時間稼ぎをしていると「ブゥー!!👎」と本気でブーイングをしている。
「いよいよ北九州にもこの雰囲気が来たか」と思えたことが本当に嬉しかった。
そして同時に、こう確信した。
「このスタジアムがあればギラヴァンツは強くなる」
歌手が「東京ドームや武道館でコンサートをしたい!」と感じるのと同じく、サッカー選手も「埼玉スタジアムや国立競技場で試合をしたい!」と感じるものである。
ミクスタはそんな感情を呼び起こしてくれるスタジアムだ。
先日、サッカー女子日本代表の試合がミクスタで開催されていたことは記憶に新しいが、
いつしか再びサッカーのW杯が日本で開催される暁には、ミクスタは十分会場の候補となるだろう(収容人数を増す前提ではあるが)。
近いうちには、北九州に世界のスーパースターがやってきて、ギラヴァンツがJ1王者となり、日本を代表するクラブになるかもしれない。
お隣のサガン鳥栖が、
あれだけファンを増やし、
J1でも上位に名を連ね、
フェルナンド・トーレスを迎え入れられたのは、
(勿論それだけではないが) 素晴らしいスタジアム(駅前不動産スタジアム)を持っていたからだと、僕は思っている。
だから、ミクスタを持っているギラヴァンツに出来ないはずがない!
最後になるが、
今北九州に住んでいて、まだギラヴァンツの試合を観に行ったことがない人は、是非一度、ミクスタに足を運んでもらいたい。
闘志を燃え上がらせて闘う選手
声を枯らして応援するサポーター
本気で地元チームを応援する北九州市民
その雰囲気を創り出すミクスタ
に感情を揺さぶられ、心を奪われるはずだ。
今こそ、北九州を盛り上げる時だ!
さあ、みんなで立ち上がろう!!