週刊審判ダイジェスト 第15号(2024年7月30日)
今週は各地で高校野球の熱戦が繰り広げられ、甲子園に出場するチームが続々決定しました。
そこで今回はそんな高校野球地区大会で起きたいくつかのプレイを取り上げます。
私の基本的なスタンスは、高校野球の審判員の方々はプロとして報酬をもらっているわけではなく、仕事の合間を縫い、週末を犠牲にしておられるボランティアの方々ですので、X(エックス、旧Twitter)など無料で不特定多数の人が閲覧できるプラットフォームでは、情報が一人歩きして批判に繋がったり、批判を煽るようなネガティブな投稿は行いません。
しかしながら、このブログでマガジンを購読していただいている皆さま、並びにメンバーシップの皆さまは野球、そして審判技術について熱心に研究されている方々なので、今回は批判ではありませんが、高校野球のプレイにおきましても私の正直な意見、審判員としてどうすべきであったかを忖度なしで解説させていただきます。
とは言いましても、あくまで審判技術の議論であり、当該審判員に対する個人攻撃ではないことはご理解いただきますよう、何卒よろしくお願いいたします。
千葉県大会決勝 市立船橋対木更津総合
守備妨害
まずは今週話題になったこちらのプレイから(映像↓)。
こちらのルール解説については、元NPB審判員の坂井遼太郎氏のXでの投稿にまず目を通していただければと思います。
同氏の解説のとおり、このプレイで適用されたルールはこちら。
走者の送球に対する妨害は故意であった場合のみ適用されることになっています。
少し当該のプレイとは離れますが↑で挙げたルールについて、勘違いしてはいけないのが、
送球 → 故意に妨げた場合のみ
打球を処理している野手 → 故意であるかは関係ない
という点。
送球に対する妨害と言っても、送球している(し終わるまでの)野手に対する妨害は故意でなくても適用されるので間違えないようにしましょう。
さて、話を戻しまして、ではなぜ送球が走者に当たっても基本的には妨害にならないのか。
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