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日本柔道の未来を考える|フランス式柔道をはじめようと思ったきっかけ

日本柔道の未来を考える


近年、日本の柔道界はさまざまな課題に直面しています。指導者による不祥事や勝利至上主義に偏った少年指導が問題視され、それに伴い柔道人口の減少が顕著になっています。
柔道そのものの価値が下がったわけではないのに、柔道を取り巻く環境やイメージが悪化し、結果として柔道の価値が正しく評価されていない状況です。

では、海外ではどうなのか。

私がこれまで指導してきた国々では、日本とはまったく異なる光景が広がっていました。そこでは、多くの人が柔道を求め、楽しみながら学んでいる。
日本発祥の柔道が、日本よりも海外で求められている現状を目の当たりにし、大きな疑問を感じました。

この状況を象徴する動きのひとつが、日本の元有名選手や名コーチが海外に招かれ、指導者として活躍していることです。外国語さえ話せれば、海外で指導する方が日本よりも待遇が良く、やりがいも大きい。
結果として、世界的に柔道が普及し、強豪国が増えていくことは喜ばしいことですが、その一方で日本国内の柔道は衰退していくのが目に見えています。

もしこのままの状況が続けば、10年、20年後には多くの柔道クラブがなくなり、子どもたちが柔道を学ぶ環境が減っていくのは容易に想像できます。しかし、柔道の本来の価値を正しく伝え、日本の柔道を楽しもうとする人が増えれば、きっと良い兆しが見えてくるはずです。

そこで、私は フランス式柔道 に着目しました。

フランスの柔道を考える


私は北アフリカにあるチュニジア共和国で柔道を教えていました。チュニジアはイスラム教国家ですが、もともとフランス領だったこともあり、公用語はアラビア語で第二言語がフランス語でした。
文化というのはその国に深く根付いていて柔道も例外ではないと思います。チュニジアでは、フランス柔道の影響を受けた指導法が普及されていて、私がフランスの柔道に興味を持ったきっかけでもあります。
※チュニジアの柔道指導については、別の記事で寄稿します。

本題です。
フランスには、子どもの年齢に応じた体系的な指導カリキュラムがあり、安全を最優先した指導が徹底されています。また、指導者の質を管理する環境が整っており、誰がどのように指導しているのかが明確です。さらに、「Loisir Judo(レジャー柔道)」という、競技志向を排除し、純粋に楽しむことを目的とした柔道の文化が根付いています。

私はこの3つの要素を日本に逆輸入し、柔道の新たな形を広めていきたい。

今の日本柔道界に必要なのは、技術的向上だけではなく、柔道本来が持つ教育的価値の再認識と、「純粋に柔道が好き」と言える環境の整備です。海外で指導した経験を通じて再確認した 「柔道の本当の魅力」 を伝えていくことが、私の使命だと考えています。

柔道をより良いものにするために、一緒に新しい柔道の形をつくっていきましょう。

taka|柔道について

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