ドローイング・ファンタジア | 無料公開の塗り絵たち | #001
自身のアートワーク塗り絵にして無償提供する「Coloring Picture Collection」というプロジェクトをスタートした。
この新型コロナウィルスのパンデミックを受け、ニューヨーク在住のイラストレーターの友人が、ニューヨークを離れて近隣の州へと移動していた。このように厳戒態勢が長引く様子を受けて、東京も同じような状況になることは容易に想像できた。そこで、東京に緊急事態宣言が発令された時点で、この塗り絵プロジェクトをスタートすることにしたのだ。
すでに外出自粛していた子供たちが自宅で楽しく過ごせるように。親が子供と一緒に楽しめるように。自分自信とじっくり向き合える時間となるように。テレビやネットの大量の情報に疲れた心を少しでも柔らかくできるように。
懸命にみんなが生きること向き合わなければいけない時期だからこそ、モノトーンの絵柄に自分の直感でカラフルに色彩を加えてみる。この状況下で、創造的に遊びながら、描くこと自体を楽しんでもらえたらそれでもいいとお
プロジェクトをスタートするあたって、「そもそも、無料で公開されている塗り絵ってあるの??」と気になって簡単なリサーチを開始した。結果的には、想像していた以上に「無料の塗り絵たち」が多く存在していた。キャラクターの塗り絵はもちろんだが、特にニューヨーク医学アカデミーの呼びかけで世界各国の図書館、文化機関が参加してい「#ColorOurCollections」は、塗り絵の貴重なコレクションが多く公開されている。このハッシュダグで多くの作品を見ることができるので、興味のある人は探してみて欲しい。
さらに、塗り絵と言っても様々なタイプがある。単純な図柄で構成された幼児向け系、知的好奇心をくすぐる繊細な大人向け系、鉄板のキャラクター系などなど。ここでは、細かくカテゴリーで分けることはせずに、無償で提供されている作品から、イラストレータ ーとして個人的な視点で魅力的な塗り絵たちを紹介しようと思う。
1. トミー・ウンゲラーの塗り絵 | AM Forlag
フランス出身の児童文学作家、イラストレーター。絵本作品『すてきな三にんぐみ』『ゼラルダと人喰い鬼』など、少し洒脱な作品が強い作家。子供のために調子を下げて描くことを嫌った作家の信念が素敵だ。
→ http://bit.ly/tomi_colouring_sheets
2. セビリア大学図書館の塗り絵 | Fondo Antiguo de la Biblioteca de la Universidad de Sevilla
擬人化された動物、虫、鳥たちが美しく楽しいコレクション。点数もかなり充実しているので、やりごたえがありそう。がまくんとかえるくんの「ふたりはともだち」の絵本を思い出させてくれた。
→ https://www.flickr.com/photos/fdctsevilla/albums/72157713685741142
3. アーロン・メションの塗り絵 | Crocodile Creek
ニューヨークのトップ・イラストレーター 、アーロン・メションの作品。クロコダイルクリーク社から発売されている絵本から30日間・毎日1ページずつダウンロードできる企画として提供されている。特に、幼児には、たっぷりに楽しめる内容だ。
→https://www.crocodilecreek.com/coloring/
4. ダベンポート図書館の塗り絵| Richardson - Sloane Special Collections Center, Davenport Public Library
ダベンポート図書館の所蔵作品、パトリック・コステロというイラストレーターの作品がとてもキュート。
5. ミネソタ大学図書館の塗り絵 | University of Minnesota Libraries
ユニコーン、海のライオンなどグロテスクな印象はあるが、想像力を刺激する奇想天外な生物のイラストが魅力的だ。
→https://www.continuum.umn.edu/2016/01/color-our-collections/
6. ハワイ州立文化芸術財団の塗り絵 | Hawaii state foundation on culture and the arts
1920年のハワイのサーファーが描かれた作品。旅行も趣味も自粛しているこの時期だけに、その気分だけでも楽しむことも良いものだ。
7. ジョン・テニエルの塗り絵 | British Library
ジョン・テニエルがイラストを手掛けた名作に、ルイス・キャロルの児童文学『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』などがある。あのアリスの世界の色をつけてみるのも面白そうだ。
British Library → http://library.nyam.org/colorourcollections/british-library-coloring-book-2019/
8. ミュシャの塗り絵 | Mucha Foundation
チェコを代表する世界的画家のアルフォンス・ミュシャ。19~20世紀に舞台ポスターなどで活躍したアール・ヌーヴォー様式のアーティスト。近年、日本でも展覧会が頻繁に行われているので、どこかで目にしている人もいるはず。
Mucha Foundation → http://www.muchafoundation.org/gallery/colour-your-own-mucha
9. ニューヨーク植物園の塗り絵 | New York Botanical Garden
ニューヨーク植物園の塗り絵。ドラマチックな植物イラストが好きな方にもおすすめのコレクション。
→https://drive.google.com/file/d/0B8O7MTiZdDjnTk1PTlRjMU1PcTQ/view
10. チャールズ・ヘンリー・ベネットの塗り絵 | Old Book Illustrations
19世紀に人気のパイオニア的イラストレーター 。イソップ物語なども手掛けていた作家。このOld Book Illustrationsというサイトは、19世紀末から20世紀にかけてのイラストが中心。ヴィクトリア朝などロマンチックなイラストに特に興味のある方へ推奨しているみたいだ。
Old Book Illustrations → https://www.oldbookillustrations.com/artists/bennett-charles-henry/
Coloring Picture Collection | Takahisa Hashimoto Illustrations
末尾ながら、僕が提供している塗り絵たち。インドのミティラー画という民族細密画を基調としながら、現代的にアレンジして描いているイラストレーション。興味あれば、是非こちらもお楽しみください!
→ https://www.dropbox.com/sh/4l1axhejprq8hzf/AAAjR5gF1zto2-4xvw8BW_dBa?dl=0
以上、ジャンルレスなセレクトになったが、この「Stay Home, Stay Safe」な時間を、ポジティブ変換して、自分だけの色彩で思いのままに楽しむための選択肢のひとつとしてもらえたらなら幸いだ。もう少し言うならば、この記事のタイトル「ドローニング・ファンタジア」にも込めている思い同様に、気ままに描くことの楽しさを改めて味わって欲しい。
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