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スクラムマスターの専任・兼任について

この記事はQiitaアジャイルアドベントカレンダーの18日目の記事です。

スクラムガイド2020上映会、実は途中参加でフルではまだ見ていないのですが、スクラムマスター専任・兼任の話があったっぽいのでそれを見る前に自分の考えをまとめて後で答え合わせ的に見に行こうと思います。

スクラムマスターは専任がいいの?

スクラムマスターがは専任が良いとは思います、が、最近はMustでなくBetterぐらいの気持ちでいます。大切なのはスクラムマスターとしての責任を果たしているかどうかです。兼任しているロールの責任とどっちつかずな状態になってしまい、スクラムマスターとしての期待に応えられなくなっているのなら大人しく専任に戻ってしっかり責務を果たすべきです。

最近勉強を進めれば進めるほどスクラムマスターが抱えている責任というものは大きい気がしてきています。「スクラムの有効性に責任を持つ」という一文がガイドにありますが、その有効性を高めるためにできることっていくらでもあると思うんですよね。たとえばチームの働く環境を良くしたり、有効性という意味ではおそらくビジネス上の成果が求められているわけですからビジネスを理解する必要があったり、技術的やデザインのサポートやらを必要に応じてチームに提供する必要があったり……

なかなか出来ることすべてやったのか?っていうスクラムマスターにはなれそうにありません。もちろん全部一人でやる必要もないとは思うのですが、その仲間やノウハウを見つけてくるだけでも結構骨が折れそうです。なので、最終的にスクラムマスターが不要なチームになることが理想とは言えど、そこに至るまでに出来ることはよくチームやプロダクトを観察すればいくらでも出てくるのでスクラムマスターはやめられないし、兼任している場合じゃないんじゃないのか、というのが今の個人的な考えです。

スクラムマスターの兼任のパターン

兼任が問題となるとして、どういった兼任のパターンがあるかを考えてみました。

・既存の業務(スクラムチームに無関係)に加えスクラムマスターをやる
・スクラムマスターと開発者を兼任する
・スクラムマスターとプロダクトオーナーを兼任する

1点目は、既存の業務も大事だし新規事業として始めているスクラムチームも大事だしで、業務に優先順位がつけられていない状態に感じます。これは単純に人が足りていないときにも陥りがちな状態な気も。そこはマネジメント側で正しい判断をくだしてほしい、としか言えませんね。ただ、その忙しい中でちゃんと責任を果たせるならOKだとは思いますが、できる範囲はどうしても限られると思います。

2点目で危惧するのは、開発者(スクラムマスター含む)とプロダクトオーナーの対立構造が強調されてしまわないかですね。そのためにはちゃんとプロダクトゴールやスプリントゴールを設定してそれに向かって頑張るということがチームの中で徹底されていることが良いと思います。ただし、ここらへんの考え方がスクラムガイド2020にアップデートできておらず2017のままだと対立の関係になってしまう可能性はあるでしょうね。

3点目は、よくスクラムマスターとプロダクトオーナーの目標が対立するからNGといわれてきてますが、スクラムガイド2020ではどうでしょうか。スクラムマスターがチームの有効性、プロダクトオーナーはプロダクトの価値をそれぞれ最大化することが求められているとすると、実はそんなに違いは無いのかもしれません。意外と兼任できるのではと書いていて思ってしまいましたがここでも2点目と同じチーム内の対立構造ができないようには気をつけたいですね。

一番言いたいこと

これまで書いてきたように責任が果たされれば兼任でも良いとは思うのですが、一番避けてほしいのは当たり前に兼任をファーストチョイスとして選ぶことです。スクラムガイドでは理由があってそれぞれの役割と責任を分けて書いているわけですし、そもそもそれらの役割の本質が分かっていないうちからの兼任は危険です。理論や価値基準の部分を誤った理解のまま進めかねません。これも守破離の「守」のステップを守るかどうかですね。基本を学ぶうちは基本に忠実に。それを守っていないのに「スクラムがなんか上手くいかない」と悩んでいるとしたら、それは説明書読まずにプラモデルを組もうとしているのと同じです。慣れているなら作れるでしょうが、初心者なら歪なものを作り上げているのかもしれません。

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Takahiro Ito
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