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対話で交わされるもの
プロセスとツールよりも個人と対話を。
Individuals and interactions over process and tools.
「個人と対話を」と聞いたときに、どんな絵が思い浮かびますか?私はなんとなく人々が話している絵を思い浮かべていました。問題解決のために、話し合ってお互い理解しあうために行われる様子です。ただ、ふと原文の ”Individuals and interactions” という文章を見たときに “interactions” ってただ話すだけじゃないよな、と考えがよぎりました。単語の意味も辞書で見てみると、
交流、ふれあい、やりとり、相互作用
とあります。これを見たときに、私の頭に浮かんだのは、 “interactions” というのがただ単なる問題解決に向けた会話・対話なのではなく、チームの人々の心の交流みたいなものが重要なのではないかと思いました。対話はあくまでもそれをこなす手段なのでは……いや待て、もしかしたら「対話」という言葉にはそもそもそういう意味がある可能性も……訳されたの平鍋さんだし絶対考え抜いて言葉を選んでいるはず……そう考えを巡らせながらいくつかの辞書を見ていると、その多くは話し合うことのみに触れていながらも、ありました。
広義には2人以上の人物間の思考の交流をいい,広く文学的表現法として用いられるが,特に哲学では問答によって哲学的主題を追究していく形式。プラトンをはじめ,古代ギリシア・ローマ哲学で用いられ,中世,近世でも,宗教,政治,経済などの論争的思想の表現として対話形式がとられた。現代では特に実存主義的傾向のある M.ブーバーが,我と汝という形而上学的な関連において,対話による出会いの哲学を展開している。
こ、これだ……問題は私の学の無さだった……とは言え、他の辞書においては「話し合う」と書いてあることも多いので、同じ認識だった人もいるのではないでしょうか。
思考の交流ってなんなんだ
思考の交流とは、知の交流と心の交流とで作られているのではないかと捉えています。知の交流はお互いの知識、例えばプロジェクトの事だったり、技術の事だったり、プロセスの事だったり、チームの事だったり、プロジェクトの成功に向けて考えるべき必要なことについてお互い情報を交換します。
一方で、心の交流はもっと人のウェットでセンチメンタルでエモいところに関わるものです。朝のおはよーだったり、そのときに互いの目があってほほえんだり、話し方、言葉えらび、気遣い、一緒に遊ぶ、話す、仲間からもらった記事へのいいね、なんだか深刻な顔してため息をついていたら声をかける、そういう所作の中で交わされる心の柔らかいところです。
知の交流と心の交流、その両方が人々やチームが最高に輝くには必要なんじゃないか、と改めて感じます。最高にする方法はひとつじゃありません。それを探っていくこともまた思考の交流だといえます。だって自分が、チームメンバーが何をしているときに輝くかをお互い知ろうとするって、知るべき情報であるし、最高にエモくもあるじゃないですか。
Interaction のもう一歩奥へ
さらにもう一歩踏み込むとすれば、心の交流の中にも、表面的かつ一時的な反応である「感情や行動」と、さらにその感情が表にでた理由となる「根源的な欲求」があります。
どういうことか。たとえば、チームメンバーがミーティング中にイライラした表情を見せたとしましょう。その「イライラ」という感情自体は表面的な反応ですが、その感情が生まれた背景には、「もっと話を聞いてほしい」という欲求や、「自分の意見が軽視されているのではないか」という不安が潜んでいるはずなんです。
私たちが対話を通じて目指すべきは、この「感情」の先にある「根源的な欲求」に気づき、それを共有し合うことな気がしています。つまり、表面的な感情や言動だけでなく、その奥にある人間のエモい部分に触れることが、心の交流を深める鍵なのです。
そうすることではじめてお互いの欲求を満たすには何ができんの?ひいてはウチらサイコー(に輝いてる状態)って言えるようになるため何する?となれるはず。そのためには相手の欲求に気づくのも大事ですが、何よりも自分の気持ちや行動の裏にある自分の欲求に素直に気づいてみること、そしてそれを相手にリクエストしてみることができると良いです。そうです、アジャイルで目指すべき対話とはNVC(非暴力コミュニケーション)でもあるのかもしれません。
コミュニティとのInteraction
昨日はシンアジャイルの忘年会でした。前回参加したのが春の回なので、みなさんと久しぶりに会えました。しばらく足が遠のくと、またそういう場に出るのって、後ろめたさというか変な感じになるというか、そんな気持ちがどうしても出てしまうよねとKmatsuさんと話していたんですが、今回はフジノさんが直接連絡とってくれたので素直に嬉しくなって参加しました。これもInteraction、ありがとうフジノさん。傾きをゼロにしないことの大切さをまた教えてもらいました。
そしてアドベントカレンダーの季節です。この記事はシンアジャイルアドベントカレンダーの21日目の記事です。前の職場の仲間たちが彼らのアドベントカレンダーで私のnote記事を引用してくれたり、フォローしてくれたりして、嬉しくて忘年会で自慢しました。あれもそれもInteraction。
みんな一緒にそんな対話をしてみませんか。
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