国内難聴者とヒアラブルデバイスの現状
日本には難聴者の人がどれくらい居るの?
この業界に関わることになってすぐに、日本の聴覚障害者数について調べました。
2018年の聴覚障害による身体障害者手帳の交付数は約44.8万人です。
ただ、前回記事でも書きましたが、この数字はあくまでも聴力レベルが高度重度の方になります。
日常生活に支障を来すレベルの人たちも含めて、一体どの程度存在するのでしょうか?
色々ネットで調べましたが、推計年や定義に違いはあるものの、500万人~1940万人という規模感です。それらの中でも調査内容のロジックが公開され、且つ調査からまだ時間がそれほど経っていない「JapanTrak2018調査報告」を参考にするのが有益なのではないかと思います。
Japan Trak2018によると、日本の難聴者率は11.3%で、2018年の総人口から計算すると、約1429万人存在するという事になります。聞こえで生活に困っている方は、国民の10人に1人以上という事になりますので、皆さんの身近な方でも数名おられるのではないでしょうか?
年齢別の難聴者率は、
14歳以下 0.6%
15~24歳 3.6%
25~34歳 2.8%
35~44歳 3.8%
45~54歳 7.0%
55~64歳 8.9%
65~74歳 17.6%
75歳以上 39.2%
45歳以上/65歳以上で上昇し、75歳以上の約40%の方が難聴者という事になります。この数字を見ると、いま若い方も将来の自分事として捉える必要がありそうですね。
ヒアラブルデバイスの普及はどうなっているの?
難聴者にとって、その聞こえを補助する機器として頭に浮かぶのはやはり補聴器でしょう。
JapanTrak2018によると、日本における補聴器の普及率は14.4%で、イギリス・スイスが40%を超え、ドイツ・フランス・アメリカが30%を超えていることを考えると、かなりの低水準という事になります。
理由としては、補聴器購入の際に助成が受けられる聴力レベルの基準の違い、商品共有体制の違い、補聴器のイメージや知識不足の問題などが挙げられるようです。
それでは、補聴器を保有していない残りの85.6%の人々は、一体どうしているのでしょうか?
軽度中等度の難聴の方は何も使用せず我慢している人も多いでしょうが、生活に支障を来している以上、何らかの行動は起こしていることも考えられます。
だとするならば、それは恐らく集音器でしょう。集音器は通販・ネットショップで簡単に購入でき、且つ価格も手頃なため、ユーザーにとっては購入しやすいものと考えられます。
しかし、集音器に関しては、統計資料を探したのですが見つからず、年間にどれだけ販売されているのかわかりませんでした。ただし、年間200万台をはるかに超える台数が出荷されている可能性が高いというブログ記事を
見つけました。
日本補聴器工業会によると、補聴器の2019年の年間出荷台数が約61.3万台ですから、普及率14.4%という数字も含めて考えると、集音器の年間出荷台数が200万台以上であっても全く不思議ではありません。
補聴器・集音器に関する知識を得て、自分に最も適した商品を選ぶべき
聞こえが悪くなり、コミュニケーションがスムーズにとれなくなると、精神的にも辛い状態になります。
一番大事なことは、皆さんの日々の生活の質を向上させることですから、そのためにもヒアラブルデバイスに関する情報をしっかり調べて、実際に機器を試し、自分が最も満足できる機器を選んで頂きたいと思います。
まとめ
・日本の難聴者数は1429万人。国民10人に1人以上が聞こえに
問題を抱えている。
・75歳以上では、約40%もの人が難聴に陥っている。
・日本では、購入時の助成金が得られる基準や供給体制、イメージの問題
から、諸外国に比べて補聴器の普及が進んでいない。
・その分、手軽に手に入る集音器の購入に流れている可能性がある。
・ヒアラブルデバイスに関する情報をしっかり調べて、試し、最適なもの
を選択するべき。
■参考
・JapanTrak2018
http://www.hochouki.com/files/JAPAN_Trak_2018_report.pdf
・はじめての補聴器
https://www.4133first.com/blog/104-update/2684-2020-01-09-03-07-58.html
■ソリッドソニック株式会社 公式HP: https://solidsonic.co.jp/