ユニコーンS回顧 ピンクカメハメハへのレクイエム
2020年7月19日
函館5R 芝1800m
9番、武豊騎手騎乗のピンクカメハメハ
名前を初めて見たとき、キングカメハメハの子供かと思ったら、リオンディーズの子供だったから、それ以来忘れずにレースは気になっていた。
先頭に立ち、内を行く向正面で、ルメール騎手騎乗のゾディアックサインが横に並びかける。
そこで、ピンクカメハメハは、冷静だった。
かからず、ペースを維持する。
ルメール騎手は、そこは予想外だったんだろう。
行ききらず、ゾディアックサインの折り合いを付けながら、ピンクカメハメハと並走する。
そこから、ピンクカメハメハは突き抜ける。
ゾディアックサインを気にせず、4馬身差の圧勝。
幸先いい新馬戦。
ここから快進撃が始まるかと思った。
神様は、そう優しくなかった。
芝で思うように結果がでず、乗り替わり乗り替わり。
そんなピンクカメハメハが転機が訪れるのは、2021年2月20日。
サウジダービー(ダート、1600m)。
初ダートだ。
芝で成績が出ないとダートで走らせる光景は見ることがある。
中央で走れなくなった馬が、地方競馬に転厩して走っているのもよく見る光景だ。
初ダートで、世界が舞台だ。
世界中から馬が集められて走る。
1着賞金90万ドル。
無理させるな。
流石に厳しいだろうと思った。
しかし、ピンクカメハメハは、人の評価なんか気にしなかった。
13番、ソフトウィスパー、天下のゴドルフィン所有馬。
ソフトウィスパーの少し後ろ、外を並走する形で、正面に入ってからが新馬戦を思い出させる粘りを見せる。
1400mのところでソフトウィスパー交わす。
残り200mだ。
後ろからは、6番、ニュートレジャーにデットーリ騎手が必死に鞭を打ち、ピンクカメハメハを追い抜かそうとする。
そして、残り100mのところからは、外を2番、コワンが強襲してくる。
どうなるんだ。
思わず、頑張れ、声が出る。
結果は、
キングアブドゥルアジーズ競馬場のゴールを駆け抜け、
1着。
そんなことあるんだ。
驚かされた。
今後どうなるんだろう。楽しみが増えたな。
そう思った。
2021年6月20日。
東京競馬場
11R、ダート1600m。
ダート馬として今後活躍するのかな。
どう走るんだろう。
スタートの出はよく、前から3番目につけることができた。
ここからサウジダービーのごとく、第4コーナーからハナに立ち、粘って走るのかなと思った。
しかし、神様は残酷だ。
3番目から後ろに後退しだしたかと思ったら、柵にぶつかり、レースを中止してしまった。
急性心不全。
ピンクカメハメハは、東京競馬場を駆け抜け、天国に行ってしまった。
思い出を有難う。
オレはピンクカメハメハの走りを見て、より競馬を好きになれた。
ありがとう。
オレは君のことは忘れないから。