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PMP®︎→PgMP®︎→PfMP®︎ 3年間の挑戦を終えて 【307/200】

今週はPM/PMOの実践家としてnoteを書きます。

僕は学習支援系の日系企業で24年間、うち15年近くをPM/PMOとして働いてきました。

もともとビジネスサイドの戦略策定・経営企画・マーケティング・商品開発あたりを守備範囲でやってきて、デジタル化・DXの進展の流れを踏まえて開発領域を含めた事業全体としてのプロジェクト推進の中核を担う役割を担当させていただき、PM/PMOとしてのキャリアを積み上げてきた、という感じです。

特定の目的と期限を定義して、一期一会のプロジェクトメンバーたちと協働する仕事のあり方は、僕にとってとても刺激的で、性に合っているなと改めて思います。

これまで積み上げてきた実務経験がどこまで業界の標準に合っているのか、グローバルスタンダードに通用するのか、興味を持ち、2022年にPMP®︎の資格取得を目指すことにしました。



2022年 PMP®︎への挑戦

PMP®︎(プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)は、プロジェクトマネジメントの国際資格です。
結構有名な資格で検索すると色々出てくるので、詳しくはこういう解説記事をどうぞ。

PMP®︎は受験するための条件として、プロジェクトマネジメントの実務経験(大卒だと36ヶ月以上)と、運営元であるPMI本部が認めた公式の研修を35時間分修了する必要があります。

仕事をしながら通学することがしんどかったので、僕はUdemyで自習しました。
確かこの講座だったはず。

英語のコースで、当時は日本語字幕もなかったので、英語字幕を表示しながらシャドウイングしながら英語の勉強を兼ねて受講しました。
ただ、この35時間研修だけでは内容理解が追いつかなかったので、その後、35時間分には換算されない日本語の別講座も複数受講して、内容理解に努めました。

230分180問の試験対策には、同じくUdemyで模擬試験問題集を買って何度も解き、このようなテキストも購入してひたすら勉強しました。

約半年間の勉強を経て、10月に試験に挑戦し、無事に一発合格しました。

当時、約4時間の試験は「めっちゃしんどい」と思っていましたが、それはまだ序の口に過ぎないことを、僕は後に知ることになります。。


PMP®︎を取得しても満たされなかった自分

PMP®︎を取得して一丁前のPM/PMO人材として称号を得たぜ、と思っていた僕でしたが、実際のところ、ちょっと違和感を感じていました。
というのも、PMP®︎で扱う知識と技能は、IT開発に寄った内容が多く、僕のキャリアの軸であるビジネス領域を推進するプロジェクトマネジメントで必要なナレッジはあまり多く含まれていなかったから、です。

PMP®︎受験を機にPMI会員になった僕は、PMIからのいろんな情報を受け取るようになりました。
その中で、PMI日本支部が主催する「プログラムマネジメント研修」というものがありました。
プログラムマネジメントというのは、単一のプロジェクトでは得られないベネフィットを生み出すために複数のプロジェクトを統合的にマネジメントしていく考え方・手法である、ということで、興味を持った僕は、2023年4月にこの研修に参加しました。
そして、この研修が、僕の違和感を拭い去ってくれました。

講師の方からも「あなたのやっていることはまさにプログラムマネジメントだし、ポートフォリオマネジメントでもある」と言われ、気付きました。
僕が目指していたビジネスサイドの戦略実行や新規事業開発などのプロジェクト推進は、PMP®︎のさらに上級資格であるPgMP®︎(プログラム・マネジメント・プロフェッショナル)およびPfMP®︎(ポートフォリオ・マネジメント・プロフェッショナル)のナレッジとして学ぶことができる、と。

講師の方から「ぜひPgMP®︎を取得して仲間に入ってください」と言われ、僕はその場で受験を決意。
PMIのホームページで速攻で受験申請を行いました。

勢いで申し込んだものの、2022年時点で国内有資格者が4.2万人以上のPMP®︎に比べて、PgMP®︎はわずか22人とのこと。

おいおい桁が全然違うよ、、と思ったわけですが、その理由として、
・PMP®︎の時点で国内のPM/PMOとして十分専門性が認められている
・PMP®︎は日本語対応しているが、上級資格PgMP®︎とPfMP®︎は英語のみ
ということが挙げられます。

もうPMP®︎取ったし十分だよ、と思う方が多いのは理解できます。

ただ、僕はPMP®︎だけでは満足できなかったし、何よりPgMP®︎とPfMP®︎で学べるビジネスサイドのプロジェクト推進ナレッジを純粋に学びたいと思ったのです。


2023年 PgMP®︎への挑戦

ということで、2年目の挑戦はPgMP®︎となりました。

PgMP®︎は特に公式研修の受講等は不要で、代わりに
①プロジェクトマネジメント経験&プログラムマネジメント経験、そしてPMI発行の「プログラムマネジメント標準」で定義されている5つの領域(その後改訂され最新は3つの領域)ごとの実務経験についての職務経歴書審査(すべて英語)
②240分170問の試験(もちろんすべて英語、しかも途中休憩時間なし)
を通過する必要があります。

詳しくはこちらをご参照

まず、①がそもそもしんどい。

この職務経歴書は自分の好きなように書けばいいのではなく、「プログラムマネジメント標準」で(英語で)書かれていることをちゃんと理解した上で、それに合った実務をやりましたよ、と(英語で)的確に記述しなければならないのです。
つまり、まずは「標準に書かれていることをきちんと理解する」からやらなければならないわけです。

僕は例によってUdemyで

を受講して、英語を勉強しながら、英語で勉強をしました。
(ちなみにこの頃からスマホの「Speak」アプリを購入して毎日スピーキング練習を始めました)

①職務経歴書は1回目で審査落ちし、困った僕はPMI日本支部の研修で背中を押してくださった講師の方に泣きつき、たくさんの励ましとアドバイスをいただき、2回目の申請でなんとか通過しました。

次に②の試験勉強を2ヶ月ほどやって本番へ。

結果は惨敗。

230分のテスト時間とは別に10分休憩が2回与えられるPMP®︎と違って、PgMP®︎は240分のテスト時間の中で休憩したい人は勝手に取ってね(時間は流れ続けるけどね)という形式。
しかも問題がすべて英語なので、PMP®︎よりも解答スピードが上がらず、開始1時間後の解答数が予定の8割にも満たなかった時点で心が折れ、敗北が決定しました。

惨敗のショックをまたもPMI日本支部の講師の方に慰め、励ましていただき、それからさらに2ヶ月の猛勉強を経て2022年12月、2回目の受験で合格を果たしました。

2ヶ月間、英語で問題をスピーキングしながら解きまくり、時間配分のトレーニングを繰り返し、240分の中でどこで休憩を取るのかのプランを綿密に練り(休憩時間はスニッカーズを食べる、と決めていた)、本番はそのシミュレーション通りに完璧な試合展開で勝ち切ることができました。
正しい努力は、ちゃんと実るんだなぁと実感した瞬間でした。

お世話になったPMI日本支部の方々に御礼と報告を送り、国内26人目のPgMP®︎ホルダーになった、ということを知らされました。


2024年 ラスボスPfMP®︎への挑戦

PgMP®︎に合格した瞬間の喜びは、これまで感じたことのないほどの深い喜びでした。

「自分で自分を褒めてあげたい」というのはこういう感情をいうのだなと。

当時のnoteはこちら

PgMP®︎と同じだけの努力を、もう一度やる、ということに若干のためらいはあったものの、ここで止めるわけにはいかない、という気持ちを持って、2024年の年明けからPfMP®︎の勉強を始めました。

PfMP®︎はラスボスです。
経営レベルのマネジメントなので、僕の一番好きな領域であり、ぜひともこのレイヤーのナレッジをしっかり身に付けたいと思って取り組みました。

PMP®︎→PgMP®︎→PfMP®︎の守備範囲についてはこちらの記事がとてもわかりやすくまとめてくださっています。

2024年は前年に比べてより本業の負荷が大きく、なかなか勉強が進まないところがあり、職務経歴書の申請も前年に比べて2ヶ月ほど遅れての提出となりました。そして、2年連続の審査落ち。。
昨年の免疫があるのでそこまでショックを受けず、すぐにリベンジ提出をして、2回目でなんとか通過しました。

いよいよ残すは4時間170問試験を残すのみ。

PgMP®︎同様に、めちゃくちゃ勉強しました。
が、昨年と大きな違いがありました。英語力が明らかに上がっていたのです。
問題を読むことが苦ではなく、戻り読みをしなくともスッと頭に入ってくるようになっており、暗記の効率が格段に上がっている感覚がありました。

試験に合格するために勉強しているわけですが、その中で「なるほど、こう考えればいいのか」と実務上の学びになることを味わう余裕もありました。

試験本番も、前年同様のペース配分、スニッカーズ休憩の予定を立てて臨みましたが、予定よりもかなり早く解答が進み、休憩で15分失っても、3時間弱で全170問を終えました。
残り1時間、丁寧に丁寧に見直しをして、4時間フルで使わずに自分から試験を完了し、見事に合格。

帰りがけに渡される簡易レポートでも、全領域で「Above Target」(合格基準のさらに上、最高評価)を獲得して、完勝といえる結果となりました。

国内22人目のPfMP®︎ホルダー、そして、PMP®︎&PgMP®︎&PfMP®︎の「トリプルPホルダー」としては国内10人目、ということになりました。


3年間の挑戦を終えて

PfMP®︎の合格を勝ち取ったことで、僕の3年間の挑戦は幕を閉じました。

思えば、2年目のPgMP®︎が最も苦労した感覚がありますが、あれを乗り越えたことで、大きく成長した実感があります。

実は今年、別途本業の関係でScrum@Scaleの3日間集中研修に参加し、Scrum@Scale Practitioner®︎の資格も取得してまして、PM/PMOだけでなくAgile/Scrumに関しても深く学ぶことができました。

資格取得の前提として必要になった英語についても、この3年間でかなり好きになりました。
(次はTOEICも受けてみるか、、)

15年分積み上げてきた実務経験を、3年間の集中勉強で体系化・形式知化することができたので、ここからはまた世の中への価値還元、PMI風に言うとValue Deliveryしていくフェーズに入っていきたいと思います。

ありがとう、2022年〜24年の僕。よくがんばってくれたね。

少しだけ休んで、2025年からまた、がんばろう。


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ヤマカワタカヒロ
noteを読んでくださりありがとうございます。 歌を聴いてくださる皆様のおかげで、ヤマカワタカヒロは歌い続けることができています。 いつも本当にありがとうございます。