実施設計報告を行ってきました。
先日、設計を進めていたプロジェクトの図面が完了したので、その報告に伺ってきました。設計の計画はだいたき規模にもよりますが、間取りが決まってから2.5~3.5か月程度の実施設計期間があります。
基本計画時に建物の配置、規模、階数、高さ、間取り、仕上げ等があらかた固まった段階でそれを図面に詳細に落としていく作業になります。
設計の面白い所でもありますが、ち密な作業及び各協力会社との連携が必要な重要な部分でもあります。
基本的には実施設計期間においても細かな打合せは都度行いますが、全てを同時に行う事は時間的に難しい為、段階段階で細かな打合せを行っていきます。その細かな打合せの集大成が実施設計図としてまとまり、その最終報告を業者に見積もりを行ってもらう事前段階で行います。
補助金事業に関しては入札の図面提出前にこの報告を行います。
基本的にはこの段階での大きな修正や変更はないのですが、そのあたりの共通認識の誤りやずれがないかの確認の意味合いもあります。
建築の図面においてはおおきく4つのジャンルに分かれています。
①意匠図
最も利用者の目に見える部分、使い勝手の影響が出る部分となります。建物の外観、間取り、形、デザイン、仕上げ、家具、建具、外構などが記載されている図面です。
②構造図
人間の身体でいう骨となる部分です。建物の基礎、躯体となる図面です。
③電気設備図
照明やコンセント、テレビや監視カメラ、放送設備や防災設備が記載された図面です。
④機械設備図
水回り、給湯、空調、換気、排水などが記載された図面です。
これらの4つのジャンルに分かれてまとめた図面を各担当者が1ページずつ説明していきます。
大体総数で150~200ページにもなるので、聞く側も大変かもしれませんが、最終的に施工者が見積もり作業を行う図面となるので、大切な事なのです。
普段の打合せはA3の図面で行う場合が多いですが、現場はA1の図面をもとに施工を行っていくので、図面はA1のスケールで作られます。その為、A1で出力したもので説明を行わせていただきます。これが結構重く持っていくのも大変です・・。
詳細図の説明になると多くの方が「こんな細かい所まで考えていただいているのですね!」と仰ってくれるのですが、これがとても大切な作業になっています。100㎜とここに書いてあれば本当に100㎜のサイズで出来上がります。1つ1つの線に意味があるので、一般の方から見たら情報量の多い図面に見えますが、我々にとっては図べて意味のある情報なのです。
構造図などは一見ではなかなか理解するのが難しいかと思います。出来てしまうと隠れてしまう部分であるので、どういった考え方でどういった構造のものが成り立つかをここで改めてご説明させていただきます。
ひと昔前まではこういった紙ベースだけの打合せが多かったですが、最近はBIM(3D図面)を用いて実際に可視化出来るものをベースに打合せしているので、後後になってからの大きな共通認識のずれは少なくなってきていると思います。
基本的にはこういったBimを用いて普段の設計を行っているため、先に書かせていただいたように、実施設計報告の段階で大きな方向性の変更が出る事は少ないです。
それでも成果品として、最終的な図面を共有しておくことはとても大切な事であると思います。
この図面をもとに入札の図渡しを行っています。
入札の日取りも近づいておりますので、入札に関してもことらのノートで取り上げていきたいと思います。
ありがとうございました。