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JR「往復乗車券」廃止へ 〜デジタル化の波〜

かつて新幹線の旅といえば、紙の切符が象徴的でした。私が学生だった頃〜2020年頃までは、みどりの窓口で切符を購入し、それを手に新幹線に乗るのが当たり前の風景でした。しかし、時代は大きく変わり、デジタル化の波が押し寄せています。AI技術の進展やキャッシュレス社会の進化に伴い、交通の利用方法も劇的に変化しました。

私自身も、近年では紙の切符を使うことはほとんどなく、Suicaやネット予約システム「新幹線eチケット」「EX予約」を活用しています。こうしたサービスは手軽で便利であり、乗車券のチケットレス化が「必然」である理由を感じさせます。



「往復乗車券」廃止の背景

2024年12月2日、JRグループは「往復乗車券」と「連続乗車券」の発売を2026年3月で終了することを発表しました。このニュースは、多くの人々に衝撃を与え、SNS上でもさまざまな反響を呼んでいます。

SNSの声

  • 「往復乗車券廃止に反対」

  • 「小さい頃から帰省するためによく使っていた。廃止は寂しい」

  • 「実家に帰るときに毎回使っていたので、シンプルにダメージがでかい」

多くの人々が懐かしい思い出とともに、「往復割引」の廃止に惜しむ声を上げています。


廃止の理由と現状

往復乗車券は、同一区間を往復する場合に行きと帰りをまとめて購入できる切符で、特に長距離(片道601キロ以上)の場合には運賃が1割引きになるという「往復割引」が特徴的でした。このサービスは1887年に始まり、実に100年以上もの歴史があります。

しかし、以下のような現状が廃止の背景にあります:

  1. 利用者の減少
    JR東日本によれば、過去5年間で往復乗車券の利用は約2割減少しており、全体の中長距離切符に占める割合は約16%にとどまっています。

  2. デジタル予約の普及
    ネット予約システム「新幹線eチケット」や「EX予約」の普及により、紙の切符の需要が低下しています。これらのサービスでは、割安な料金プランが用意されており、利用者は便利さと価格面でメリットを享受しています。

  3. 窓口業務の簡略化
    往復乗車券は払い戻しや行き先の変更を窓口で行う必要があり、手続きに手間がかかるという課題がありました。デジタル化により、このような手続きをオンラインで完結できることが求められる時代になっています。


今後の展望

「往復割引」の廃止は惜しいという声が多い一方で、デジタル予約にはさらなる利便性が期待されています。現在、「新幹線eチケット」や「EX予約」での「往復割引」の取り扱いは未定とされていますが、これらのシステムが進化し、新しい割引プランやサービスが提供される可能性もあるでしょう。


まとめ

紙の切符からデジタルチケットへの移行は、時代の流れとともに避けられない変化です。便利さを追求しつつ、かつての「往復乗車券」が持っていた温かみやノスタルジーをどのように引き継いでいくのかが、今後の課題とも言えます。今回の廃止を機に、私たちも改めて旅の形やその価値を見直してみるのも良いのではないでしょうか。


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