見出し画像

芽摘みとは??[盆栽技術①]

最初は芽摘みです。
だいたい今ぐらいの時期にやるから先に書くことにします。

芽摘みとは?

春、新芽が芽吹きその新梢を摘むこと。

タイミング等は樹によって変わってきます。

目的、効果は?

①力の均一化をして、バランスを整える
②樹高を抑えて枝の間延びを防ぐ
③芽数を増やして、短く締まった枝葉作り

デメリットは?

①樹勢がのらないので弱る(施肥で対応)
②芽が集中して先で太る(葉すかし、芽おさえで対応)

芽摘みの重要性

植物は日光を求めて成長します。
 順番的にはまずは上に伸びます。ある程度いくと横にも伸びて効率よく陽の光を吸収できるよう展開、成長していく訳です。
「頂芽優勢」の言葉通り外側に力が集中します。
自然では長い年月をかけ成長していく過程で内側や下の方の枝葉は日影になり、日影になった枝葉はやがて自然淘汰されて枯れていきます。
そして、その時間の中与えられた環境によって姿が形成されていく訳です。

 盆栽では、大自然の景色を作っていくわけですが古木感を出す為にこの自然淘汰される内側、下の枝葉を枯らさずに育てて作り込んでいく必要があるのです。内側に芽を持てば、将来そこまで追い込み小さく締めていけるのです。
そして、短く締まった枝葉を増やすことで様々な複雑な樹形に作っていくことができる訳です。

芽摘みのやり方

①もみじ、かえで(雑木類)の芽摘み
②雑木類の芽摘み
③松類の芽摘み
④真柏の芽摘み

①もみじ、かえで

対生という1つの節から2つ対に出てくるのが特徴。

芽吹いて葉が2つ開くと真ん中から新しい芽が1つで出来ます。
これをピンセットで摘み取ります。
特にもみじは時期を逃すとすぐ大きくなり、間延びが著しいので1週間は目が離せず、気をつけましょう。

②雑木類(けやき、うめ、さくら、長寿梅、、)

互生の特性をもった種類のタイプは交互に芽が出るので、芽吹いてから葉が固まるまでは伸ばして力をつける。2~3週間くらいで新梢が固まってきたら根元から2節(2葉)残して、少し上で切る。あまりすぐの所で切ると枯れる可能性がある為。固まってないところは同じタイミングで切らず、固まるまで待ってから切る。

③松類

松類の芽摘みは"ミドリ摘み"とも言われます。
松の芽(ミドリ芽、ロウソク芽)が春伸びてくると力の強弱で強い所は長く、弱い所は短く差が出てきます。同じところから3つ以上ある場合は2つにする為、1番大きい芽、必要のない方向の芽は元から摘み取ります。
 そして、葉が伸び出して開き出す前に長く飛び出たミドリ芽を短く摘んで全体の力を均一化します。下の芽は上より少し残し気味にするとバランスがとれます。
 摘む場所は将来葉となるトゲの範囲内で摘んでその下の軸の所では摘まないようにする。

④真柏

春から9月頃まで新芽が伸びるのでその都度、輪郭からはみ出てきた所をハサミで切らず、手でつまんで抜き取り摘みます。枝分かれしている分岐点で摘み取るように心がけましょう。

ざっくりとこんな感じです。
樹の状態に合わせて他の「芽切り」などの技術と合わせて盆栽を目指す樹形、景色にしていく訳です。

また、次は別の技術を書いていければと思っています。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

では、また!!


松尾隆弘

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?