息子が靴紐を結ぶ3分を待てる父親で在れるか。という話。
ちょっと前に東京都知事選挙があり、小池都知事が当選。岸田首相の後任として石破さんが当選。
今は衆議院議員選挙の最中。
僕も今回は久々に投票に行けるかもしれない。
今まで正直どうでもいいと思っていた選挙。
誰がなってもそこまで変わらないでしょと。
変わったところで僕らの生活はさして変わらないでしょと。
でも、歳をとってくると段々と、その変化を感じるようになってきた。
それは養われる側から養う側になり、生かされる側から生きる側になったからかもしれない。
そして何よりも、自分はどうでも良くても、自分がいなくなったこの世界で生きていく息子や、もしかすると将来の息子の子どもたちが生きていくこの世界、と考えると、なんだか自分毎よりも自分毎な気がしてならない今日この頃。
惜しくも都知事当選は出来なかった蓮舫さんの演説内容を聞いて、素直に感じるものがあり、また、これって子育てに限った話ではないなと思ったことがあるのでシェアします。
割と多くの人がそうかもしれませんが、蓮舫さんってずっと前から、口うるさい、厳しい、いつも批判している。
2番じゃだめなんですか?
そんなイメージが多かった。
でも、この話を聞くと、そのルーツが少しだけわかった気がして、そのルーツが少しでもわかると、その人の言っていることがまるで違うことのように聞こえて来る。
以下は演説部分を要約したものと、演説原文をそれぞれ切り取ったもの。
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(蓮舫さんの演説の部分要約)
東京都の合計特殊出生率が1を切ったらしい。
人口を維持するには2.07ないといけないという。
1を切るということは、人口流入がなければ、東京の人口は、半分になるということ。消費者が減る、労働者が減る、経済のパイが小さくなる。
ここをなんとかしなければいけないんじゃないか。
20年間。子どもが減った。合計特殊出生率が低くなった。そうすると、国は結婚させる政策をつくる。
「なんとか結婚してもらおう、そしたら子どもが生まれるだろう」ずっと同じ発想。
国は、今何をやっているか。
地方自治体が、婚活パーティーをやる、出会いの場をつくる、合コンイベントをやる、そこに皆さんの税金を地方創生だといって補助金で流す。
今年度の東京都、税金を使って何をやるか。婚活アプリを開発する。
あるいは、合コンイベントを企画する。
果ては、皆さんの結婚の思い出の曲を広く募って漫画にしてお届けをするという。
これが少子化対策、子育て支援なのか。
(蓮舫さんの演説原文)
結婚だけを重点化するんじゃないんだ。
みんなが幸せになる。それが大前提。
その上で、私が20年間、少子化対策にもっとも力を入れてきたことには、原点がある。
双子の子どもを育ててきました。
もっとも後悔していること。
幼稚園生ぐらいになると、子どもって靴紐結べるようになりますよね。
マジックテープじゃイヤなんだ。
靴紐結ぶんだ。でも朝は忙しい。
双子の2人がもたもた靴紐を結んでいる。
たった3分が待てなくて怒ってしまった。
数年しか生きていない子どもに、30年生きた親が、たった3分も待てない。
なんであんなこと言っちゃったんだろう。
今でも後悔している。
子育てって、そういう精神的な余裕を大丈夫なんだよ、それぐらいの余裕持っていいんだよ、そういう支援が必要だと私は思いました。
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※もちろん、様々な生き方があり、すべての人が幸せになる為として、結婚、出産がすべての正ではないことは大前提として蓮舫さんは演説の中で主張しています。
その中で、合計特殊出生率という人口と経済を維持する為の数値が危機的状況にある中での演説内容の一つです。
まずこの演説を聞いた時、僕は父親としてグッと来るものがありました。
確かに、
〇〇分の電車に乗る為に〇〇分のバスに乗らないといけないから〇〇分には家を出ないといけない。その為にはあと10分で着替えを済まさないと。
毎日です。詳しくは週5日。
多分働いている人はみんなそう。
そんな中、着替えを嫌がったり、おもちゃを手放すのを嫌がったり、テレビ消すのを嫌がったり。全部待ったら確実に10分過ぎます。
遅刻は出来ない。
でも置いてはいけない。
早くしないといけない。
焦りがイライラに変わっていきます。
そうすると、どうしても強い言葉を浴びせてしまったり、無理やり着替えさせ、おもちゃを取り上げ、テレビを消し、担ぎ上げてベビーカーに括り付け、家を出ます。
ごめんね。と思いながらも、こちらも時間は変えられない。
蓮舫さんは、まずは親としてどうして待ってあげられなかったのだろうかと後悔していました。
それを聞いた僕は、今までよりももっと時間に余裕を持って、朝、息子の気持ちの準備を待つように意識しています。なかなか毎日は出来ませんが、、、
着替える心の準備が出来るまで。
おもちゃもすぐに手放したくなかったら玄関まで。
それでも寂しければ保育園の入り口まで持たせてみます。
そうすると、保育園に着く頃に自分からおもちゃを渡してくれるようになりました。
そして蓮舫さんは、親としての自分の立場での後悔と反省をした後に、では親が何故そこまでして3分を急がなければならないのか。
その前提や背景に目を向けなければ、根本的解決はしないのだと言っているのだと思いました。
会社で言う上司と部下。
職場でいう先輩や後輩。
店舗でいう教える側と教えられる側。
もちろん一緒ではないけど、考え方は同じなんじゃないかって。
そんな小さな子どもと、二十歳過ぎた大人を一緒にするのはおかしい?
いや、一緒なんだよどう考えても。
大人と子どもって、人と人だから。
感情持ち始めた子どもなら、もうそれは同じ。
子育てと仕事というジャンルに関してはもちろん違いは生じるけど。
対象が人である以上、考え方は割とシンプルになってくる。
教え方の厳しい親がいたとして、
でも、その親にも親がいて、過去の経験があって、
過去の経験や親を気にして正義感が形成され、息苦しさを感じていたとしら。
それはもうその人だけの話ではない。
ということ。
「うちの子は必ず東大に合格させなければいけない!」
そうやって子どもに毎日厳しく勉強を教える、
時に押し付ける親も。
自分以外の何かの影響によってその正義感が形成された。
そしてそれが、それのみが正しいと自分でも知らない間に刷り込まれ、それを子どもにも刷り込んでいく。
それはもう当事者同士では抜け出せない関係になっていて。
もしもそこから抜け出す、
あるいはさまざまな選択肢や幅を与えるには。
その親にとって、
自分よりも大きな存在からの強いメッセージでしかない。
それだけがすべてではないよ。
他の選択肢もあるよ。
本質はそこではないよ。
すべてのゴールは選択肢の1つでしかないよ。
目的を見失ってはいけないよ。
万物の目的の1つって幸せになる為だとは思うけど、
いつしかその目的を失ってまで、無理やりゴールを目指す人は少なくない。
それは人生という大きい括りで捉えても、
仕事。という1つのコミュニティで捉えても同じ話だ。
もちろん僕にも親はいるけれど、僕も親である以上、息子や店舗のメンバーの親としては、目先のことよりももっと大切なことに気付かせてあげるべき存在でなければならない。
一生懸命頑張ってる人に、
それは違うよ。って伝えることは辛いけど。
その人が東京へ行きたいのに大阪方面の電車に乗ろうとしていたら、
「そっちは大阪行きだから反対だよー。こっちだよー。」って。そう思えば伝えてあげるのも少しは辛くない。
違うよ。って言うのは、
あなた自身が間違ってるという事ではなくて、
あなたが行きたい方向ではないところに進んでいるよ。
と教えてあげることだから。
話の対象が子どもに対してからその親に代わってしまったことでややこしくなりましたが、
僕が感じたことは、子どもに対してもっと広い心で、
本質と自主性を育むためには、その親がそう教えることが出来るような社会、環境を作るべきである。
と言うことでした。
まあ、店舗にこの話を落とし込むと、親子の話では出てこない大切な存在、《お客様》が登場するので、
靴紐3分ただ待ってあげるだけではいけないタイミングは来ます。
子の成長とお客様満足。どちらも疎かにしてはいけないのが仕事。
それをどうすれば両立出来るかを考え、実行することが仕事。
そして、お客様に待ってもらうのが当たり前、前提ではないが、見守っていただけるバッファを確保すること。
子の成長のバッファを会社として許容出来る体制にしていくこと。
それが、自身の今やるべきことなんだと。
学校の教科とか時間割って、今思えばその人がより何に興味を持てるかの最低限の選択肢であって、興味がないというのなら、それはそれである程度やっておけば良い話で、そこから自分の興味を深掘りしていけば良い。
きっと仕事もそうだと思うので、社員の社歴やキャリアに応じてのカリキュラムを組むことは、その後の本人の興味を育てる為にも必要なのだと。
内発的動機付けによって生まれた興味は、確実に効果を発揮してくれると思うので、来年の新卒が入社するまでにはカリキュラムを整えていきたいと思いました。
久々に書いたら長くなってしまったー、、
けどどこでも誰にでもあり得る話だから、この課題って日本そのものなんだろうな。
アメリカとかヨーロッパが伸び伸びしてるイメージって多分この考え方がもっと強いからかも。
日本人は真面目っていう言葉の裏にある窮屈さを少しでも取り払って、子も大人も今よりもすくすくと育っていける環境を、国も会社も家でも意識していかなければならない。
というお話でした!
先ほどまで福岡向かう飛行機の中でしたが、お相撲さんたちも同乗していて、身体がものすごく大きくて機内真っ直ぐ歩けていないくらいでした!!
でも、みなさんすごいいい匂いがしたのがギャップ萌えで何回も見ちゃいました笑
どすこい!
本日、ドジャースとベイスターズ。どちらも勝って欲しいと願いながら、福岡と関西の子どもたちに会いにゆきます。