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本読むならこっちの席が読みやすいよ

「本読むならこっちの席が読みやすいよ」

喫茶店のマスターが注文したアイスコーヒーを持ってそういってくれた。

「こっちの席は窓から自然の光が入ってくるから気持ちいい」

お言葉に甘えて席を移動させてもらった。
確かに光が程よく入ってきて本が読みやすい。

店内は昼間ということもあって電気がついていない。
入り口を開けっぱなしにしているのと、店内の窓から差し込む光で十分明るかった。

店内には昔ながらの縦長スピーカーがあり、心地よいジャズを奏でていた。
どうやら老舗のジャズ喫茶らしく、ルパン三世のテーマを手掛けた大野雄二さんや大物ジャズアーティストが演奏しにくる有名店らしい。

それよりもアイスコーヒーしか頼んでいない長髪の若者にさりげない気遣いが嬉しかった。

私は一瞬でファンになった。
気遣いもキュンとしたが、アイスコーヒーがほんっっっっっとに美味しい…

あとコースターがレコードになってるの可愛すぎ…

氷も製氷機じゃなくて、板氷を割ってからグラスに入れてくれる。
製氷機特有の余計な雑味がなく、するすると飲めてしまう。

読書をするのに最高のお供だ。

スピーカーから流れるジャズも大きすぎず小さすぎず丁度いい。
居心地がよすぎる。

私が居心地のよさを感じるのは、
・店員さんの愛想
・店内BGM
・お客さんの話声がうるさくない

に集約される(小姑か)

常連さんもいたが、程よい声量でマスターと談笑している。
他のお客さんも店内のBGMを超える話声の人はいなかった。

ジャズ喫茶だからボリュームを押さえているのかはわからなかったが、話声すらも心地いい。

それもこのお店のマスターが作り上げてきた雰囲気なんだと直感的に思った。

居心地のいい空間と美味しいコーヒー。
お店の雰囲気と同調したお客さんと心地いいジャズ。

「本読むならこっちの席が読みやすいよ」
といってくれたイケオジマスター。

すっかりこのお店のとりこだ。

メニューにしょうが焼きがのっていた。
明日はしょうが焼きを食べにいこう。




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