紙のバリエーションは無限大◎
デザインの仕事を扱い出すと、必ず紙の仕様について考える機会があります。
といいますか、紙の使い方ひとつで大きく制作物のテイストは変わりますし、そこまでも紙によってデザインすることができます。
チラシ等のいわゆる"ペラもの※1"や大量部数のフリーペーパーなどは、始めから指定業者さんとの関係やコスト面で使用する紙が決まっている場合がほとんどですが、新規クライアントのDMや名刺、特に"ページもの※2"は紙のバリエーションを自由に選べることが多いかと思います。
※1 ペラもの:チラシなど、1ページものの制作物をさす。
※2 ページもの:冊子など、ページ数のある制作物をさす。
また美容室のDMや名刺ですと、職業柄からもクリエイティブな表現を好む
お客さんが多いので、デザインだけでなく紙選びも好きにやらせてもらえたりします。
私の知り合いの広告代理店 営業さんも、奥さんが美容師さんなのもあり「美容室の体質とデザイン事務所の体質は似ている」なんて言っていましたが、まんざら嘘ではないなと思ったりしています。
——————————————————-
そんな紙の世界ですが、果たして紙の種類ってどれぐらいあるのでしょうか?
主な用紙種類として、
・上質紙(非塗工紙):書籍の中面や単色のチラシによく使われます。紀州上質紙等、使用頻度が高い上質紙ですが、そのポピュラーさ故にチープな
イメージを持つ人もいますが、製品種類も多く、名前のごとく非常に上質な紙です。
・コート紙(塗工紙/グロス):もっともベタな紙と言っていい程、新聞折込チラシ等多々使用される紙です。ポスターやチラシなど、ペラものはまずこの紙を使っておけばハズレがありません。
・アート紙(塗工紙/グロス):写真集などによく使われる、コート紙よりもさらに光沢があり、彩度も高い紙です。ペラものにも使用します。
・マット紙(塗工紙/マット):こちらも名前のごとく、質感がマット(つや消し)な紙になります。カラー印刷面に光沢の出る「ダル」タイプと光沢が少なくシックなテイストの「マット」タイプがあります。
このカテゴリー分けの時点で、ややこしくて軽くいやになってきますが笑。
ここにさらに『ファンシーペーパー』等、特殊紙を入れると大変なことになります。
製品名だけでいいますと、正直数えきれません。そのくらい膨大な数があります。
竹尾のようなペーパー専門の商社の営業さんを除いて、おそらく全ての製品を完璧に把握している人っていないのでは?と思うくらいあります。
しかし、この以上な製品の多さが、『紙選び』の妨げになっているのも事実だと思います。
ですので、我々は本当によく紙のことを知らなければなりません。
——————————————————-
学びの方法として、
1. 竹尾や平和紙業ペーパー専門の業者の展示ショップに足を運ぶ。
2. 印刷会社や出力センターの営業担当者さんと仲良くなり、
こちらから紙の仕様を聞いてみる。また、サンプルを取り寄せてもらう。
3. 紙の専門書を読んでみる。
等、あるかと思います。
紙の情報を知ることもそうですが、何よりも『紙そのものを見て、さわってみる』ことが一番かと思います。その為にも、1.や2.は非常に手っ取り早い方法です。
また、気になった紙や展示会で見て「面白い!」と思った紙は、即仕事の案件に使ってみるというのもおススメです。特にリスクの少ない自社製品をつくるとき(名刺や自社パンフなど)に、思い切って気になっていた紙を使ってみたり見積をとってみてはいかがでしょうか。
やはり、頭だけでなく『経験』で覚えることの方がスムーズに身に付きますよ。
——————————————————-
【おススメのペーパー展示ショップ】
(2008年6月27日:記述)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?