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水田雑草 浮草からのメッセージ
現在2022年の1月、大寒の安曇野です。
最近は時間にゆとりができて、夏にメモしていたことを少しだけ整えた文章にしてみたりしています。
今日は昨年6月に書いたメモから、無農薬有機の田んぼでの出来事。
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6月に入ると、うちの田んぼには実に様々な命が広がっていく。
今日はその中でも水田雑草のひとつ「浮草」を紹介したい。
僕はこの浮草がとても好きだ。
農繁期で大車輪の日々だけど、浮草を始めたくさんの観察対象たちのにぎわいが僕をワクワクさせてくれる。
浮草とは文字通り水面に浮かんでいる。
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彼らの特徴はとてもユニークで、
・水の浄化作用があり、濁った田の水を澄んだ水に浄化してくれる。
・根は真っ直ぐ下に伸び、土には触れずに生きていけるようなので水中から栄養を採っている(おそらく)
・除草剤にめっぽう弱い(たぶん)
などの特徴がある。
※僕が観察して見つけた特徴なので学術的には間違っている可能性もあります。今後しっかり勉強します。
個人的には3つ目の特徴「除草剤にめっぽう弱い(たぶん)」が最大の特徴だ。
田んぼの除草剤にもいくつか種類があって、
・イネ科(主にヒエ)に効く成分
・クワイに効く成分
・オモダカに効く成分
など、ある種の植物を狙い撃ちにする成分がそれぞれあって、田んぼに繁茂する複数の雑草に対して、複数の成分がブレンドしてある除草剤を散布するのが現代のスタンダードな稲作の除草技術となっている。
今年で言えば、「遅れヒエが出てきたから、ヒエ用の除草剤を追い撒きするんだ〜」と近所の農家さん。同じイネ科なのにヒエに効いてコメは生き残るなんて、よく研究したものです本当に。
就農1年目の昨年、田んぼを借りました。
地主さんは定年間近の会社員。職場でも上役を務めていて、休日を使って先祖から受け継いだ何haもの田んぼをなんとか耕作している多忙な方なので、化学肥料・農薬頼りの稲作をしていたんです。(兼業農家は本当に多忙です。)
そんな地主さんから借りて、1年目の6月。上旬に田植えをした直後から浮草がもの凄い勢いで広がり、気づけば浮草の中に稲が植わっているような光景に。。。
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すぐ隣の田んぼを見ても、そのまた隣の田んぼを見ても、村中の田んぼを見ても、浮草が広がっている田んぼはほとんど見当たらず、除草剤を入れなかったうちの田んぼの中は一面緑色でとにかく不思議で、とにかく綺麗だった。
「何年も、何十年も、あなたがここに来てくれるのを待ってたよ」
そう言って僕を存在を、農法を肯定してくれているかのようなメッセージを感じることができて、少しだけ涙が出た。
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藻類も除草剤にはとても弱い。
どんなに打ちのめされても、いつかは繁殖できることを信じて何年も何十年もチャンスが来るときを待ち続けていた浮草たちは、健気で強く美しい。稲にとっても、さして害にならない彼らを殲滅してしまう理由を僕は完全に無くしてしまった。
自然の声を聴き、彼らに寄り添う農法は、やめられそうにない。まだまだ続けたい。
それを続けることで僕自身が色んなものに優しくなっていける気がするから。
僕が行う農法は、何よりもかによりも誰よりも、僕自身の心を満たしてくれる。
あぁ。夏が来たね。
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今日も読んでいただいてありがとうございます。
コロナ禍が続く今、落ち着いて図書館で勉強する気にもなれず、浮草についてまだ勉強できていません。
ただ、「暇ができたから文章でも書いてアウトプットするか」という時間は、案外良い習慣になってきています。
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