世界と日本、展示会会場の規模について
ノイジャーナルで、過去にタイトルの内容で調べたことがありました。前回のテーマ、展示会OR見本市にもつながるような気がして、今一度ご紹介してみたいと思います。
展示会OR見本市、どちらで表現していますかを調べたり、関係者にヒアリング調査するなかで、ノイの創業者の方にも聞いてみたんです。
「Messeは見本市、Ausstellung*が展示会、規模が大きいのが見本市、専門的な規模の小さめなのが展示会、といった漠然としたイメージを持っています」というお答えをいただきました。*(Ausstellung=ドイツ語で英語のExhibitionにあたります)
メッセ・見本市開催のための会場機能を持つ世界の展示ホールは、 展示会としてイベントを開催している日本の施設とは、求められる機能も規模が違うのだろうか、という因果関係を感じました。
単純に規模=展示会場の面積という比較でみると、日本は到底世界基準には達していません。日本のNo1.である東京ビッグサイトですら、世界のトップ30にも入りません。世界トップクラスは、面積で見るとビッグサイトの4-5倍ほどだったり、屋外展示スペースも含むとそれ以上の計算になります。
確かに、現場を歩いていると、ビッグサイトの10倍はあるのでは?と言うほどの広大な会場だと、体感します。
AUMAのホームページ内に、Exhibition Industry - Key figuresのなかで、Hall Capacities worldwideとして2019年時点の主要会場の情報が載っています。
日本国内では、類似する協会として日展協がありますが、国内の主要会場の状況がこのようなリストで出ていました。
一目瞭然、規模では日本はかないません。
日本国内の主要会場の情報は、我々でも調べてまとめてみました。
規模を数字で語ることは簡単ですが、やはり展示会として国内市場向けのイベントを開催するには、現状のハコモノさえあれば、充分でしょう。
世界ではなぜそれほどまでに大きなハコモノが、展示会会場として存在しているのでしょうか。そして、長年世界のトップを牽引してきたハノーバーメッセや、それを追い越してしまった中国の会場など、広すぎると思う会場も、これまで何度も所狭しと、ギューギュー詰めに埋まってきました。
大きすぎると思うほどのハコモノが埋まるイベント、そこには世界的な見本市として機能しているという、本質が詰まっているからだと考えました。
ドイツでも、インターナショナルなメッセとローカルメッセと、イベントの種類た多種多様ありますが、インターナショナルな見本市となると、出展者で世界50ヵ国以上からの参加、来場者で見ると100ヵ国を超えることもあります。そうなると当然出展者の数も来場者も増え、必然的に面積も必要となります。ビジネス見本市で、来場者10万人越えも当たり前の世界です。
そのように世界中から集まるビジネスイベントとして、見本市が存在しています。テーマもありとあらゆるものがカバーされており、ハコモノたちも、キャパシティ―を広げなければなりません。
航空機や鉄道のモックアップに自動車はもちろん、大きな印刷機械や様々なマシンが実物で稼働。搬入経路もしっかり確保せねばなりません。会場のホールたちは、仮設工場かというほどフル稼働するのです。
それらが展示会ではなく、商談見本市として開催されている場所を提供するハコモノになるわけです。屋外展示エリアなんて、世界一の工事現場になるようなこともございます。
展示をした上に、その場で商談を行う見本市。そうなると、商談スペースが必要となります。単純に、いわゆる1コマ=9平米の展示スペースが必要なブースにも、商談スペースを設けようとなると、1.5-2倍ほどの面積がブースには必要になると思います。
では、少し大きめな機械を100平米で展示して、3つほど同時商談を可能にしておく環境を用意するとなると、やはり150平米ほど必要になると思います。展示及び商談ブースを、世界中の出展者たちのが一堂に会して用意する場所がホール機能には求められます。キャパシティが必要ですね。
多くの人が集まるほど、多種多様ホスピタリティが必要となります。会議室はもちろん、ケータリング関係、宗教に対応するスペース。屋外でのくつろぎエリア。ビジネスセンターはもちろんのこと、我々のようなサービス提供者が必要とするものを売っている場所など。
世界と日本の展示会会場におけるハコモノの規模の違いは、開催されるイベントの性質にもしっかり反映されているだと思っています。
インターナショナルかドメスティックなのか。
展示してみてもらうことがメインか、その場で商談もする見本市なのか。
それがどんな商材にも対応するだけけの対応力を持つか。
その点が、キーワードかもしれませんね。
規模と通して見て取れる、展示会OR見本市を考察してみました。
note の使い始めてまだまだ不慣れなのですが、少しずつ note の機能も活用して、少しでもわかりやすく記事にしていけるよう努めていきます。
今後とも、よろしくお願いいたします。
takahashin1, NOI