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Solo Camp から Camp@Usへ

2021年の卒業式が、私にとって大学の学長としての最後の卒業式となった。
あいにくのコロナ禍で、対面での卒業式は学科別に行われたため、学長式辞は、大学ホームページ上にメッセージを掲載する形となった。

以下は、その学長メッセージからの引用である。


2021年の学長メッセージ

コロナ禍の影響もあってか、最近ソロ・キャンプ(solo-camp)というものが静かなブームになっているようです。背景には、一方で、個人化の進行があります。他方で、こうした営みは社会性に支えられています。
私たちがソロ・キャンプするにあたっては、それまでに蓄積された社会的な情報を活用することが不可欠ですし、実際に装備する道具は、社会的分業によって生産されたものを利用しています。実は、ソロ・キャンプという営みは人類が積み上げてきた社会性に支えられて初めて可能となっています。

キャンプ(camp)というのはもともと、野営宿営を意味する言葉です。また集団性を意味する言葉でもあります。その意味で、ソロ・キャンプというのはやや矛盾した営みであるともいえますが、改めて人類の原点を見つめ直す時間と空間を経験する機会にもなっているようです。そこには、人間発達の原点としての「」の使用、人間文化の原点としての「」の摂取、人間文明の原点としての「」の工夫がみられます。現代では、キャンプ地に向かう際には、車を利用する場合が多いでしょうが、キャンプ地での生活を含めて、そこには「歩く」という営みも欠かせません。人類は、食や宿営地を求めて「歩く」ことでを発達させてきたとも言われています。

たかはしはじめ「卒業生・修了生へのメッセージ」2021年3月13日

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