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もう手遅れ⁉︎ 私学は自然淘汰の時代へ②(深掘りLIVE #29 文字起こし記事)

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深掘りLIVE #29 もう手遅れ⁉︎ 私学は自然淘汰の時代へ②

深掘りライブの29個目ですね。前回に続いて、「もう手遅れ⁉︎私学は自然淘汰の時代へ」のその2をお話したいと思います。

平和な10年が終わった

前回は、主に18歳人口の変動ですね。ちょうど21世紀入る直前、1990年代からの18歳人口の推移をほぼ10年単位で見てきて、そこでこれまで人口の変動の中で私学がどういう状態になってきたかということで、全入時代定員割れ時代、そして実は2010年からつい最近までですね、平和な10年だったと。平和な10年だったんだけども、根本的な危機は解決していないし、むしろこれから自然淘汰の時代に入る。

私学は自然淘汰される時代へ

自然淘汰の時代に入るっていうのはどういうことかというと、要するに自然淘汰に近い淘汰圧がかかるということなんですね。

多様な生物が自然界には存在してますけれども、生物が進化のプロセスで自然淘汰をどうやって乗り切るかっていうことも実は結構、参考になったりするんですけれども、その話はまた後でするとして。

ちょうど4月1日、エイプリルフールを狙ったわけではないですが、前回4月1日にこの「もう手遅れ⁉︎」という配信をさせていただいたんですが、これは冗談でもなんでもなくて、本当にこれからの10年で私学は募集停止が毎年相次ぐという形になってくるわけです。

迷惑を被るのは学生と新入生

そこで一番迷惑を被るのは学生なんですよね。その被害を最小限に食い止めるということが一番、最重要課題にしなければいけないにもかかわらず、大学経営者は学生のことよりも大学の生き残りだけを考える。生き残りだけを考えて、生き残ればまだ学生には被害は少なくて済むんですが、結果生き残れない

やむにやまれず募集停止を4月早々に宣言すると。すでに、この4月が明けてから募集停止を発表した大学が何件かありましたが、こういうことがこれから毎年続くわけですね。やめてほしいのは新年度早々の募集停止の発表です。

なぜ新年度早々、募集停止を発表するのか

なぜ新年度早々に募集停止を発表するのか。新入生が入学してきて希望に燃えているところで、入学生少ないなと思いながらも、頑張って4年間勉強しようと思っている矢先にですよ。募集停止を発表するんですね。4月の理事会でね。

これは何でこんなことが起きるかというと、いくつか理由があるんですが、
一つは、低迷している私学の理事会には先見性がないということです。先見性がないから最後までいかないと、ご臨終間際にならないと決断ができない。つまり決断力がないということです。この先見性がないっていうのは決断できないということとセットです。

先見性の欠如、決断力の欠如

つまり先が読めないから決断も遅くなるということです。もう決断したときにはもうどうにもならない。というかどうにもならないから決断する。

一種、不渡手形が出るようなもんですね。だから学生、新入生に対しては単なる詐欺行為しか行っていないということです。せっかく受験して入学したにもかかわらず、この大学はおしまいですというわけですから、これはもう詐欺以外の何物でもないと私は思うんですが、そういったことを平気でやるわけですね。

苦渋の決断ですとか言うんだけど、苦渋の決断でもなんでもないんですね。苦渋の決断っていうのは、もっと早くやらなきゃいけないわけですね。苦渋でもなんでもないです。それしか選択肢がなくなったからそっちを選んだだけで、決断でもなんでもないという話ですね。何を苦渋の決断とか、格好つけた言葉を言ってるんだろうというぐらい、憤慨するわけですけれども。

なぜそういったことが起きるか。


受験生に対して詐欺行為を働いていることの無自覚

4月早々の募集停止の発表がなぜ起きるか。一つは、先見性の欠如、決断力の欠如という、学生、新入生に対する受験生に対する詐欺行為を働いていることの無自覚といったものがあるんですが、さらにですね、これは結局、入学者が確保できなかったということが、新年度にはっきりするわけですね。

結局、入学式にならないと今は入学者数確定しないんですが、それが確定した段階で、「もうダメだ」になるわけですよね。それはもっと前に解れということです。もっと数年前に解るはずなんですが、何でそれができちゃうかというと、根拠のない期待があるわけです。

根拠のない夢物語につき合わされる受験生はたまったもんじゃない

来年こそは来年こそは、今年こそは、今回が最後のチャンスだと。でも頑張ろうと言って結局ダメだったっていう。これは根拠のない期待を持ってるだけで、宝くじが当たらないのと一緒でですね、そんな淡い期待は現実にはならないわけですね。単なる夢物語で、夢物語に付き合わされる受験生と新入生はたまったもんじゃないということです。

ここにはもう一つ、現実主義ではなく精神論があるってことですね。現実が見れてない。だから例えば前回、10年ごとの18歳人口の推移を見ましたけども、私も経験してますが、例えば同僚の先生がね、ちょっと年配の先生が、なんとか今年は定員確保できたねと、よかったねって言うんだけど、いや先生、10年後は無理ですよと、このままでは。だからその年がなんとかなれば、そのままいけるとなぜか根拠なく思えると。だから来年も頑張ろうと。

自然淘汰を生き抜くにはイノベーションが必須

そうではなくて、もう完全に客観的な環境が変わるわけです。つまり淘汰圧がかかるわけですから、そのときに求められるのはイノベーションです。

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