カウンセリング相談事例 性格について
※サムネイル画像は「源流点から中流域まで、四万十巡礼 - 奥四万十時間 - 高知県奥四万十エリアの観光ガイド」様よりお借りしました「JRのポスターにも採用された端正な佇まい[茅吹手沈下橋]」です
これまで多くのカウンセリングセッションを通じて、よく質問される事項があります。それらをここで共有し、新しくカウンセラーとして独立された方々をはじめ、皆様のお役に立てれば幸いです。
性分は後世まで変わらない
性格について、例えば仏教では「性分は後世まで変わらない」とされています。つまり、その人が生まれ持った性格は基本的に変わらないということです。
自分の性格が良い方向に
例えば、細かいことを気にする性格の人がいます。このような人は、他人からの些細な言葉で不安になったり、傷ついたりしがちです。また、他人の小さな欠点が気になり、日々悶々と過ごすこともあります。細心であるという性格自体は変わりませんが、その性格の捉え方や活かし方は変えることができます。人に言われたひとことを真摯に受け止め、自分を向上させる糧にすることができるようになります。また、他人の小さな欠点に気づくことができる一方で、それをどのように補うかという心配りができるようになります。さらには、他人の長所にも気づくようになるでしょう。細かいことが気になる人は、こまやかな気遣いや配慮ができるという強みを持っています。その能力を最大限に発揮することで、より豊かな人間関係を築くことができるのです。
自分の性格は、いわば個性であり、自分らしさの一部です。
内気が問題なのではなく、「内気だから自分はダメだ」と思うことが問題なのです。どんな「短所」であっても、「長所」にならない短所はありません。内気な人は深く考えることができます。長所と短所は表裏一体なのです。
自信を持って自分の良い面を伸ばしていけば、自然と欠点は目立たなくなります。
「短気」ならば何をやっても速くて「スピーディー」だという長所になります。「おとなしい」性格は「みんなの和を作る」長所に、「感情の起伏が激しい」性格は「情熱的」な面に変わります。「大ざっぱ」な性格は「おおらか」に、「神経質」な性格は「細やかな心配り」になるのです。
性格によって幸福や不幸が決まるのではなく、どのように生きたかという「内容」によって決まる
たとえば一本の川があるとします。ある地点ではその川の幅は変わりません。同じように、人そのものは変わりませんが、その「質」はさまざまです。川の浅さや深さ、濁りや清らかさ、魚の多さなど、「内容」は異なります。人生も同じです。性格によって幸福や不幸が決まるのではなく、どのように生きたかという「内容」によって決まります。つまり、自分という川が別の川になるのではありません。しかし、努力次第で濁った流れは清らかになり、魚がたくさん泳ぐ川へと変わるのです。川は蛇行しながら流れ、行き詰まることはありません。それが自然です。性格も努力すれば、蛇行しながらも改善していけるのです。だから、とにかく前へ前へと流れ続けなければなりません。
誰でも「完成された性格」などありえません。万人が何らかの宿業によって未完成の存在です。困った性格も当然あります。しかし、それにとらわれ、自分を嫌ったり卑下したりして進歩を妨げるのは愚かです。
心の中に理想的な「未来の自分」を描き、それに肉付けをし、色をつけ、やがて「現実の自分」として実現していく、そんな力が「心」にはあるのです。
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