同性愛講演録非難への反論⑷
●青少年同性愛者の自殺率が高い原因
「LGBTの自殺リスク」について、楊尚眞教授は次のように説明している。米国同性愛リサーチ及び治療団体である同性愛研究と治療のための協会によれば、同性愛者の自殺の原因は、社会の冷遇と差別ではなく、自分が同性愛者であると幼少期に感じること、同性愛者が若い年齢で性行為を始めたこと、同性愛者自身が 経験した欠損家庭、同性愛者が受けた性的虐待の経験、同性愛者の違法な薬物乱用や逮捕などが伴う違法行為、高い売春率等が同性愛者の自殺率を高める原因であり、社会的差別が同性愛者の高い自殺率の直接的な原因ではないという。
2009年に発表されたデンマークの研究によれば、青少年同性愛者の自殺率が高く、同性パートナーシップ関係に登録した男性同性愛者たちは、異性婚男性よりも8倍自殺率が高かった。
同性愛者たちがすべての面で州政府の支援をよく受けているベルリンでも、7倍自殺率が高いという。ラマフェディの研究によれば、青少年の同性愛者の自殺は、単純に社会的差別では説明できない特別な危険要素、すなわち、性的虐待、性同一性障害、売春の経験、違法薬物使用、逮捕歴、婚姻関係の親がいないことと関連しているという。
●LGBTについて学校で教えるべきこと
松岡宗嗣氏は楊教授が学校で教えるべきことは「回復治療や宗教的信仰、又は自然に変化していくことがあり、世界には同性愛や性同一性障害から脱した多くの元LGBTの人たちがいるということ」と主張している点に異論を唱えたが、同教授は次のように反論している。
<LGBTの人格を尊重し、絶対にLGBTをいじめたり、蔑視したりしてはなりませんが、LGBTの性的指向や性同一性や性自認や性表現は、先天的なものではなく、後天的なものであるので、回復治療、宗教的な信仰、自然に変わることがあるという科学的的な研究結果も教えなくてはなりません。偏った一方的な見解でLGBTについて教えることは、学習者が偏った知識をもつようになります。現在、そのような偏った知識が注入されることを非常に危惧します。>
なお、これまでに書いた関連テーマの拙稿一覧は以下の通りである。
⑴ モラロジー道徳教育財団「道徳サロン」拙稿連載138「LGBT理解増進法と 性・ジェンダー革命」
⑵ 同132「LGBT問題をめぐる国際・国内動向の比較的考察
⑶ 同91「包括的性教育推進提言を検討し、日本型性教育の構築を目指す」
⑷ 同90「過激な性教育をめぐる日米共通の問題点」
⑸ 同89「性教育の歯止め規定の是非を問う」
⑹ 同65「ジェンダーをどう捉え、教えるべきか」
⑺ 同64「同性パートナーシップ制・埼玉県条例案の問題点」
⑻ 同63「家族の多様性、性の多様性をめぐる最新動向と論点」
⑼ 同56「人権監視機関と『包括的性教育』導入の是非」
⑽ 同55「ジェンダー・平等・差別の根源的意味を問い直そう」
⑾ 同51「こども庁問題Q&A補説一「日本型包括的性教育」の構築が課題」
⑿ 同50「道徳・家族を破壊する「グローバル性革命」「包括的性教育」」
⒀ ノート5,10「LGBT理解増進法案と日本型包括的性教育」
⒁ 同5,11「英のLGBT教育の混乱と首相の懸念表明」
⒂ 同5,13「LGBTの「正しい理解」増進のための議論を尽くせ
⒃ 同5,14「自民党は読売社説・当事者4団体の抗議に耳を傾けよ」
⒄ 同「LGBT理解増進法論議に欠落している視点」
⒅ 同5,17「科学的根拠に基づくLGBTの「正しい理解」を増進するガイドラインの作成を」
⒆ 同「松浦大悟氏のLGBT法案に関する発言」
⒇ 同5,23「『包括的性教育推進法』制定の謀略」
21 同5,25「ジェンダーフリーの正体は何か一LGBT理解増進の根本的視座を探る」
22 同5,27「英国教育省の『新しい性教育指針』の注目点」
23 同5,30「青少年精神医学の権威が警告する『性自認』問題」
24 同5,31「英スナク首相が緊急見直しを命じたLGBT教育の実態と『政策転換』報告書」
25 同6,8「同性愛講演録非難への反論⑴⑵⑶一急死した楊尚眞教授から託された原稿」
26 同6,9「LGBT理解増進法案で危惧される点は何か」
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