設計に関する48章『わ』わからぬところはそのまま
『わ』わからぬところはそのまま
副題:事実と歴史の尊重
今では、競合製品を分解してスケッチしてと言うのはごく普通になっている。
世の中に出たばかりの製品であれば、今までの製品と何を変えてきたかも明確にする
べきである。
機能品であれば全く変えてきた場合は、自社の試験標準で評価し新規部分の妥当性は確認すべきである。
構造的に変えて来た場合は、製品の負荷想定をしFEM等で有効性を分析すれば良い。
それでも分からない場合は、そのまま、にすることである。
競合企業も多々検討し評価して市場投入して来ている。
機能品の場合、機構的に弱点がどこかと言う見方をすれば良い。
設計的な弱点はどこかを見つければ、そこを改善して新規部品を開発すれば良い。
問題になるような部分が無い機能品であれば、それこそ、一般市場品ならそのまま購入する。
自社設計の部品であれば、自社の仕入先で加工可能ならそこで製作を検討すれば良い。
自社の仕入先では難しい場合、技術力のある新規仕入先を見つけ、仕入先評価、取引先契約など
手順を踏んででもその仕入先と部品開発をすることである。
先人の失敗と経験の歴史は宝であり、それは設計標準に落とし込むべきである。
失敗し対応をするわけであり、対応が完了し問題解決した段階で、再発防止をはかる。
何故失敗したのか、その原因は何か、それを設計検討項目と評価条件などに展開し
しっかり標準化して蓄積するべきである。
それは、事実と歴史の尊重であり、先人が残した技術の資産である。
技術的に理屈的におかしいと思う設計は必ず失敗する。
試験を通ったとしても、市場で不具合が発生する。
無謀な設計はしないこと、チャレンジするなら理詰めで妥当性があること。
そのような物であれば、市場での不具合は出ないと思う。