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人はなぜ、プレゼンするのか。

ぼくが主宰しているライフデザインアカデミーMOKUMOKUでは、1年間の最後に、プレゼンテーションをする機会があります。

ざっくりと、MOKUMOKUはこんな取組です↓↓↓↓↓
MOKUMOKUは、大学生が1年間かけて自分の人生と向き合うプログラムです。長期実践型インターンシップや地域のマルシェへの出店、高大連携アントレプレナーシップ教育への参加、マイプロジェクトなどなど、様々な社会にひらかれた挑戦をしながら、振り返りと対話を繰り返して、自分の人生を本気で考えています。
第3期は県内6つの大学や学校から、17名が参加しています(うち1名は20歳のフリーター)。

これもMOKUMOKUの特徴の一つで、MOKUMOKU生は有無を言わさず、プレゼンの準備をして、壁打ちをして、当日を迎えます。
話す内容は主に3つ。
【 ①1年間の振り返り ②未来の在りたい姿 ③明日からの行動宣言 】
MOKUMOKUでの1年間の活動を振り返り、自分が思う将来の在りたい姿を言語化して、そのためにどんなアクションを起こしていくのか、を5分間で話します。1年間のことと未来のことを話す時間が5分間と圧倒的に足りないので、何を話して何を話さないのか、そもそも伝えたいことは何か、などを1ヶ月以上かけて仕上げていきます。

そもそもプレゼンテーションってなんだ?

ChatGPTにプレゼンテーションを端的に説明してもらうと、このように出てきます。

プレゼンテーションは、特定のテーマや内容について他者に情報や考えを伝えるための手法です。通常は口頭で行われ、視覚的な補助(スライドやグラフなど)を用いて支援されることが一般的です。目的は、聴衆に対して情報を効果的に伝えることや、彼らの理解を促進することにあります。

デジタルが当たり前になった今では、パワーポイントやCanvaを使ってスライドをつくることがプレゼンの当たり前になったものの、歴史を遡ると、人類が当たり前に行なってきたことだそうです。

古代ギリシャ時代にアリストテレスが説得の3要素「エトス(信頼性)・パトス(感情)・ロゴス(論理)」を定義したところから、政治、宗教、戦争など、さまざまな場面で使われながら発展してきたそう。

なぜMOKUMOKUではプレゼンテーションをするのか

振り返りを深掘りする機会に

プレゼン資料を準備する前に、まずは「何を話すのか」を考えます。MOKUMOKUでは、先ほどもお伝えした通り、【 ①1年間の振り返り ②未来の在りたい姿 ③明日からの行動宣言 】の3つを話すので、まずは①1年間の振り返りからすることになります。

ここで大事なことは、どんな振り返りをしていくのか。ぼくは大学時代に「“なぜ?”を5回繰り返すと本質に辿り着く」と教えられました。そもそも振り返りは経験を次に活かす学びに変換するためにするので、次に活かせない振り返りをしたってそんなに意味はないと思っています。

例えば、お祭りに出店した際に、売上が良くなかったとする。その時に、「準備が足りなかった、売ろうとする意識が弱かった」で終わらせてしまうと、次に繋がりません。どんな準備が足りなかったのか、なぜ足りなかったのか、どんなリソースが不足していたのか、なぜ販売意欲が湧かなかったのか、なぜその意識のまま過ごしていたのかなどを問いかけることで、課題や原因がより明確になってくると思います。

プレゼンテーションは誰かに伝えることが前提なので、振り返り時点では納得できていたけど、話してみると文脈が繋がっていないことに自分で気付くことができます。(もしくはフィードバックで気付くことも)

言語化を諦めない

深く振り返ることで、一つ一つの出来事を抽象化すると他の出来事との共通点が見えるので、全体として得られる気づきや学びを明らかにしたり、自分の思いや特徴をあらためて知ることにつながります。

ただ、なかなか言葉にできない経験、きっと誰しもありますよね。抽象的なことや初めての経験など、言語化しづらかったり、時間がかかることがたくさんあります。でも、MOKUMOKUは、それを諦めないんです。

MOKUMOKU生は今期、17名。前期は6名でした。1年間も一緒に過ごして、似たような経験をしていると、「言葉にできないけど、なんか伝わる」こともあるんです。「えー待って、わかるわ、なんかね、わかるよ」みたいなのが、ぼくも大学時代けっこうありました。笑

でも、基本的にはMOKUMOKUはひとつのコミュニティでしかないですし、大学を卒業したり、卒業していないくても一歩飛び出したりすれば、知らない人ばかりの世界が待っています。そのときに、言葉にできない状態はもったいないと思うんです。自分の経験や思い、考えを相手に伝えられないことをみんなに経験して欲しくないんです。だから、1年間の最後に身内だけではなく、外部の方も招いて、言語化したことを話す機会があります。

なぜ、その言葉を使うのか

プレゼンテーションするにあたって、時間が十分にあるわけではありません。言語化された内容を、かなり取捨選択しなければなりません。だからこそ、MOKUMOKU生には、使う言葉にも思いを込めてもらいたいと思っています。

広辞苑にも載っているような一般名詞でも、人によって受け取り方が違ったり、本来と異なる意図で使われたりします。ぼくの生業の一つである「まちづくり」や「地方創生」もまさにそうですよね。人によって意味も使い方も変わってくる言葉です。

自分の思いや考えをそのまま表現できているのか、違う受け取られ方をしないか、言葉の意味を間違えて使っていないか。言語化にこだわるからこそ、一つひとつの言葉にも意識を向けていきたいのです。

第2期修了式のプレゼンテーション後

この機会に、どんな意図を持って臨むのか

いろいろと話してきましたが、MOKUMOKUのプレゼンテーションは、最終的にはMOKUMOKU生一人ひとりがどんな意図を持って前に立つのかが一番大事だったりもします。ほぼ強制的なプレゼンの機会ではあるものの、その機会を、自分自身がどう捉えて、何のために、誰のために話すのか

ライフデザインアカデミーMOKUMOKUは、人生をデザインする術を身につける1年間のコミュニティです。最後のプレゼンテーションも自分の人生の一部だと捉えて、その場しのぎではなく、長い人生の、今この瞬間の自分自身を表現する、そんな風に使ってくれると嬉しいなあと、毎年思っています。

そして、人の思いや考えは変わりゆくものです。大勢の前で話した瞬間、「違うかも」と思うこともあるけど、変化を前向きに受け入れることも、人生の楽しみ方の一つであり、変わりゆくけれど、常に自分と向き合っていくしなやかさしたたかさが身につくようにと、MOKUMOKUを運営しています。

MOKUMOKU生の声

*2月19日のMOKUMOKUは3月15に開催する修了式に向けたプレゼンの中間フィードバック会でした。

自分のバックグラウンドや感情が少ないといった点は改善でき、自分のことを知ってもらえる内容になってきたとは感じた。しかし、時間がだいぶオーバーしてしまったので、どこを残して、どこを削るのか、本当に自分の伝えたいことは何なのか考え直したいと思った。

本当に伝えたいことはこれなのか?誰に伝えたいの?どうして伝えたいの?
3/15をどんな日にしたい?そしてこの日をどう振り返りたい?
頭の中で、たくさん考える時間になりました。
自分の中でやるべきことを形にしていきたいと思います。

就活をしているというのもあってこの1年間を常に振り返っていたので、あまり悩まずに作成できたし伝えたいことをプレゼンに込めることができたので良かったです。と同時に、プレゼン作成を通して新たに発見した自分の想いや考えもあってすごく良かったです。

みんなそれぞれのこの1年の熱い想いが伝わってきて、とても感動した。自分はMOKUMOKUを通して自分の生き方にどんな影響があったかについて話したのだが、直前に構想したのもあり、あまり深みを持たせることが出来なかった。

第3期修了式でお待ちしています!

【日時】3月15日(土) 10:30-15:15
【会場】HITTOBE
【事前登録フォーム】https://forms.gle/hdhGTcpTCXTa9vDKA
【案内】
・途中参加、途中退室大歓迎です!
・お昼ご飯が必要な方はフォームにてご回答ください


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