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人が灰になるまでの3時間

12/24【伊久磨の記事】人が灰になるまでの3時間
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メリークリスマスイブ🎄🤶!

クリスマスイブ、皆様いかがお過ごしでしょうか?
みなさんの1日がハッピーであることを願っています。

さて、そんな今日。
おそらくみなさんの空気感とは明らかに違う、クリスマスイブにそぐわない記事を書くことをお許しくださいませ。

※今日の記事はかなり衝撃の強い内容になっております。人間がどのようにして灰になるかというお話です。そういったお話が苦手な方は読まないことをお勧めします。今日僕の目の前で起きた事を忘れないように。僕が頭の中で整理しておくためにも、この記事を書かせていただきます。

▼人が灰になるまでの3時間
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いま、この記事を書いている僕の目の前では人が焼かれています。

僕の今いるインドのバラナシは、ヒンデュー教の一大聖地と呼ばれています。別名を『大いなる火葬場』。


バラナシには自然死を迎えた人を火葬して、ガンジス川に流す場所があるんです。


この火葬場というのは、ガンジス川沿いの寺院の近くにあり、親族に限らずどんな人でも遺体の目の前まで行って、火葬されているのを見ることができます。

この火葬場に近づくと、1人の男の人に話しかけられました。

『ガイド代は一切いらない。僕がこの場所について案内する。ぜひこの国の文化を知って欲しい。ただ一つだけ願いは、もしあなたの心が導くなら、火葬する薪のドネーションをして欲しい。』

そう言われ、せっかくだからしっかりとこの場所について知りたいと感じたので、20分ほど火葬場を案内していただきました。

結論から話すとこれは大正解でした。
#ドネーションしましたがほぼガイド代くらいの小さい金額でも嫌な顔はされませんでした
#もちろん悪質なガイドもいるそうなのでみなさんが行かれる際はご注意を


この場所で、どんなことが行われているのか。英語の拙い僕にもわかりやすいように、丁寧に、そして全て間近で実物を見せてもらいながら説明してくれました。

冒頭でも少し話したように、そもそもこの火葬場で焼かれる人は、 “自然死を迎えた人”だそうです。

それ以外の亡くなり方をされた方は、別の場所で火葬されるそうです。
#どこで火葬されるのかはイマイチ聞き取れなかった

ガンジス川の近辺には、死を受け入れて、死を待つ人々の収容施設があったりして、そこではひたすら祈りを捧げて、死を待つそうです。

ここで焼かれるのはだいたい亡くなって24時間以内の方々。かなり遠方からここへご遺体を運んでくる場合もあるそうで、そうなるともう少し後かもしれません。

亡くなられてから24時間以内なので、まだ生きている人間と同じように肌は艶やかで、眠るようにタンカーの上に横たわっています。

まずはそのタンカーをガンジス川に浸けて、ご遺体を清めます。

全身清めたら、タンカーを近くの火葬場に持っていき、マンゴーの木をキャンプファイヤーの要領で置かれた場所に乗せ、綺麗な赤色の花と白色の花を親族みんなで散りばめます。

そして、ラードのようなものを全身にかけて、全身布を被せます。

その上にまたマンゴーの木をキャンプファイヤーの要領で積んでいき、全身がおおよそ見えなくなります。
#見える部分もあります。

そこへ火をつけます。

この火の火種は3500年間絶やさずずっと燃やし続けているそうで、火種のところにも連れて行ってもらいました。

そこで自分の家族、大切な人の名前を心の中で唱えるとご加護があるとのことで、手を合わせて唱えます。

すると、僧侶のような方が火種の灰を僕の眉間に当てて、祈り始めました。

これがなんとも言えぬ感覚で。僕の真ん中から何かが浄化されていくような、僕の体を通してご加護が大切な人の元へ飛んでいくような、そんな不思議な感情を覚えます。


そして、いま。
僕はこの火葬場に3時間ちょっといます。
なぜなら、人が灰になるまでこの火葬場では最大で3時間かかるからです。

ずっと火のそばで燃えゆく人の姿を見ていました。

3時間。

黒く、焦げ落ちていく遺体から目を離さず。

ずっとそこにいました。

3時間後。

残ったのは白い灰。

この灰を丁寧に集めて、でかいバケツに入れて、頭の上に乗せてガンジス川に向かいます。

そして、灰を川に流すんです。

僕が見ていた3時間でも、おそらく10体ほどが火葬されていました。なのでおおよそ1日に100体近くの灰がガンジス川に流れてゆくのだと思います。

バラナシは常に煙がかっています。

この煙は火葬時の煙でもあると思います。
#大気汚染の影響もあると思う


この街に流れる川、一帯の空気。

いまこの全てに亡くなった方々の命が流れているように感じます。

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