カメラのスペックをドヤ顔で語るってどうなのって話
今日はみんなだいすきカメラのお話。関連する項目として、こういう記事も書いてるので先に読んでもらうと、俺の機材に対する考えが分かりやすいかもです。
先に言いたいことを書いておくと、俺はプロのように失敗が許されない立場の人を除いて、スペック厨は好きではない、さらにいえば、立場上仕方ない人を除けば、ドヤ顔でカメラのスペックを語る人は嫌いです。
そりゃスペックを比較して良いカメラを買うのは当たり前だし、失敗するリスクを減らすために使うのは悪い話ではないんだけど、スペックでカメラを語るのは開発者やエンジニアのような人々がするべきであって、ユーザーがドヤ顔で自慢する話じゃないと思ってるんですよ。ユーザーなら、使い勝手等で話をすべきであって、スペックの(しかも比較して非常にビミョーな差)をカタログ通りの内容で語るのって、恥ずかしくないのかなと考えちゃうタイプです。それは店員さんに任せれば良いのではないでしょうか。
最近でいえば、カメラメーカーのキャノンとニコンがミラーレスを発表しましたよね。案の定スペック論争が繰り広げられてゲンナリしております。
連射速度を求めるくせに、ニコンのXQDカードの採用に文句を言ったり。
画質やダイナミックレンジが〜というくせに、キャノンのDUAL PIXEL CMOSの採用に対する疑問がなかったり。
スペックでカメラを語るなら、そういったスペックにある裏側の技術に対しても目を向けてほしいなぁと思う次第でございます。こういうカメラの新商品が出た時はみんなカタログスペックに騙されるんですよ。何故そのメーカーがこのスペックでカメラを出したか。このタイミングで出したか、そして各技術の裏側といった部分に、もう少し興味を持ってもらいたいなぁと思う次第なんです。
自慢ではないのですが。俺もスペックの鬼といわれるSONYα7RⅢを使っています。このカメラが出た当初も、スペック厨が沸き起こったのを鮮明に覚えてます。
ただし俺は瞳AFも、連射スピードも必要はなかった。でも、当時撮影していたソフトウェアスリットスキャンのためには、サイレントシャッター可能、高画素、テザー撮影が可能で、かつ充電しながらリモコンをつけることができる機種が必須だった。これに該当する一番良い機種がα7RⅢだったので選択したんですよ。
ぶっちゃけ連射スピードとか確かに凄いけど、所詮SDカードだからバッファ→カードまでの書き込み時間が長くて、その間何もできないのは本当にイライラするんですが、そういうところってスペックじゃ表れないですよ。
とはいえ以前も書いたように、カメラは道具なのです。基本的に道具なんだからスペックが良いものを使うべき(使いたい)気持ちは当たり前。だから、それ自体は全然良いことやと思ってるし、機材をなんでも良いといって使う事に比べれば、俺は好きです。でも、それをドヤ顔で解説してたり語るのは店員さんに任せれば良くて、カメラマンや写真家がやることじゃないでしょって思うんですよね。
もしスペックを語るなら、「なぜそのスペックが必要なのか」がわかる写真を撮るべきじゃないかなぁと思うわけなのです。
↑は全く今回のネタと関係ない、レンズに更にレンズを組み合わせたカメラ
最後に余談ですけど。
個人的には、しばしば写真家が「今はカメラが進化し、誰でも簡単に撮れるようになった。あとは何を撮るか。どう撮るかだ。」みたいな話をするけど、これもカメラ作ってる人がいうべきセリフであって、写真家が語る言葉じゃないと思うんですよね。
正直今やプロカメラマンですら、カメラの知識が乏しいのです。電子シャッターで玉ボケを欠けた写真を撮ったプロがいましたが、自身の知識不足を表現という言い訳で語るのは唖然としましたもん(関係者から怒られそうだけど、俺は許せなかったです。技術者の努力の結晶を、簡単に表現という言葉で潰さないで欲しいんですけどね)。
ま〜こんだけ偉そうなこと書いてていうのもアレですけど、俺はカメラ作ってる人間じゃないし、知識はそれほどないので勉強中の身なのです。また偉そうな事ばっか書いてるなと言われそうですが(笑)
でも、だから普段から頑張って勉強しているつもりだし、機材の自作を試みているわけで。あと、まがりなりもエンジニアなので、こういう多くの人が関わったプロダクトを分からん人が文句ばっかり言うのが許せないってのもあります。(なんか写真家撮った写真に対しては文句言っちゃいけない風潮なのに、機材に対しては文句言っていいんですかね、訳分からんですよ・汗)
誰でも簡単に撮れるようになった、だからモチーフやテーマがという時代ですが、それならモチーフやテーマに合わせたカメラを求める、作るような環境が、今後できていけばいいなぁと思ったりする次第でございます。そういう声こそが、カメラを語るという事じゃないのかなぁと思うんですよね。
以上
ちなみにサムネイルは記事とは全く関係ない、昔作ったスリットシャッターマウントアダプターです。世界でおそらくただ一つの、マウントアダプター型シャッターでございました。