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ニートの三種の神器について もしくはおいしいからこそ飽きる

テレビでこんな話を聞いたことがある。
あるところにカレー弁当屋があった。当然のことながらできるだけおいしく作っていた。ところが一時はよかったもののしだいに客足が遠ざかっていった。そこで、あえて味を落としてそこそこおいしいものを提供するようにしたところ、常連客がつき経営が安定したそうな。
どういうことかというと、一回だけ食べたい味と、弁当屋さんにふさわしい毎日飽きずに食べられる味はちがうということだ。そしておいしいからこそ飽きるのだ。やたらめったら刺激を高めるとその一回は効果的だが繰り返すとイヤになってくる。

おいしいからこそ飽きる というのは物事に広く言えると最近よく思うのだ。
まず、マンガ・ゲームというか作り物全般、作り物である以上それには意図があり、伝えるためになにかしら強調されある程度刺激的にならざるをえない。マンガとかキャラクターはとくに顕著だ。

(ネット)ニュース しょせん報道は営利組織なので、数ある事件から最も刺激的で数字が取れそうなニュースが選ばれ報道される。さらにネットではコメントを誘うようなツッコミどころがある物事、また、顔真っ赤にして論争をしたくなる賛否両論ないざこざが好まれる。

Twitterは語るに及ばず。刺激のサプリメントみたいなものだ。

創作全般、ニュース、ツイッター。これらは、刺激的で、長らくの間、そう、20年くらい私を楽しましてくれたし、だからこそ飽きた。
マンガゲームネットはニートの三種の神器だといわれるが、今の自分にはもはや役に立たない。

・・・・・・というかそもそもこれらは三種の神器なのだろうか。
ストレスフリーなニート生活にとって高められた刺激など必要なのか。まったくフラットだとそりゃあ退屈だけど、ぎゅんぎゅんに高められた刺激などまったりまったり生きているニートには別にいらないと思う。
 「ニート」の三種の神器に飽きないのはむしろ賃金労働者なのではないか。
 仕事によるつらーいストレスで日常的にサガるからインスタントな刺激が欲しくなり、それだから飽きない。たとえれば、毎日こたつでのんびりだらだらしてるのに高アルコール飲料のようなアゲいる??という話だ。

かくしてニートの三種の神器は粉々に砕け散った。これからはニート各自でニートデッキを組んでいこう。

私は無・猫・散歩をデッキに差して日々を過ごしていく。

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