Jamboreeに行く時に気をつけること
iGEMのアドカレ2です。当日に記事を書いておりkbsi。
はじめに
今回はタイトルにあるようにiGEMの競技面での目標地点であるJamboreeへ行く時に気をつけることを記載します。また、Jamboree参加中に気をつけることについても書こうと思います。会場はフランスのパリで行われ、観光名所を回ることもできますが、私は観光面はチームメンバーに任せ、後ろをついて行ったり迷子になったりはぐれたりしていました。そこで、観光について書くというよりは、全体的に気をつけるべきことを書こうと思います。とは書いたものの旅行記みたいなものです。
渡航のお金
海外旅行するにあたってお金が必要です。もしお金を必要とせず海外にいける合法的で安全な手段があれば別です。また、なぜかiGEMでは参加者にもチケットを要求しており、早めに買ったとしても550 $必要です。拝金主義ですね。それとは別に渡航費用がかかります。船舶については詳しくないのですが、おそらく航空機を利用する方法が最も安価で渡航できると思います。
私は働きたくないという意志のもと、最低限の頑張りでフランス渡航を試みました。そのためには渡航費用を抑える必要があります。日本からフランスの直行便では渡航の3ヶ月以上前に航空券を購入しても20万円以上かかります。しかし、トランジットをすることで大幅に費用を抑えられます。私は12万円程度で往復券を取ることができました。
2024年時点では渡航までにかかる費用は20万円程度です。チケット料金も渡航費用も払いたくないですが仕方ありません。今度からは参加者が多い中国を会場にしてもらえると渡航費が下がり嬉しいです。また、渡航時に排出される二酸化炭素とかも抑えられるんじゃないんですかね。環境が大好きな欧州の人に是非ご一考してもらいたいです。
ここで私は一つ大きな見落としがありました。航空券を購入した際に使用したクレジットカードには海外渡航用の保険が付随していませんでした。その事実に気づいたのは羽田空港にいる時でかなり焦りましたが、その場でHISの海外渡航用保険に加入しました。結果的に何も問題はありませんでしたが、事前に対策しておくことができる漢への第一歩です。一週間だったので大体5000円だったと記憶しています。
渡航準備
渡航に必要なものをまとめます。渡航前に意味がわからないくらい忙しかった上に、フランス時間に慣らすための生活をしていました。渡航の準備ができないまま気づいたら渡航の2, 3日前とかになっていました。さすがにまずいので、必要なものをリストアップしました。ドジっ子なので (そこが可愛いですが)見落としがあってはいけないと思い、Twitterで準備物を開示し、足りないものをご教示していただきました。ありがとうございました。
こんな感じです。書いたものは大体準備できたのですが、タコ足配線で現地の電圧?に対応しているものを用意できませんでした。国内の実店舗ではあまり販売されていないかもしれません。お借りした変換プラグとチームメンバーのおかげで問題はなかったです。ただ、日本っぽいお菓子を現地で仲良くなった人に配ろうと計画していたのですが、準備中にお腹が空いたので食べてしまいました。厳しい。
特に必要なものはeSIMです。私はubigiというものを利用しました。日本国内でのみ購入が可能であり、現地で有効化するタイプです。金額としては一週間でおよそ1000円だったと思います。渡航期間は七泊八日だったので、現地到着後にすぐに使用はしませんでした。
また、現地の気温等も確認しておくことをお勧めします。寒いという前評判だけで衣服を準備したのですが、思ったより寒くなく、ちゃんと定量的なデータに基づいて行動するべきでした。ただ、厚手の衣服はお土産として持って帰ったワインの緩衝材にはなりました。預け荷物の重量も12, 3 kgとかなり余裕があります。余談ですが、預け荷物にパソコンを入れてはい蹴らないらしいです。バッテリーが爆発物判定になるらしいので、手荷物にしのばせましょう。
空港
出発時刻が早く、始発に乗って空港に向かいました。到着時点ですでに長蛇の列ができており、間に合うか心配でしたがなんとかなりました。またチームメンバーの一人が航空券とパスポートの氏名を間違えており、かなり焦りましたが、なんとかなりました。このレベルのミスでも問題なく搭乗できるのであれば、現地でも手続き周りで困ることはないと思い、海外渡航に対する不安が消え、若干舐めた態度で旅行していました。
トランジット先の北京まで3時間ほどかかります。事前に調べていなかったのですが、機内食が出ました。大変おいしかったです。北京についてからは空港内の移動があります。1時間少々しか時間がなかったため焦りましたが、大きな遅延もなく搭乗口に間に合いました。
パリ行きの飛行機に乗り込むとそこから10時間程度の空の旅が始まります。特筆することはありませんが、私は機内食が出るたびに喜んでいました。映画を見ることができたのですが、座席のイヤホンジャックが壊れており、音声が聞こえませんでした。仕方がないのでマリオの映画を無声で見ましたが、それなりに面白かったです。
フランスでの過ごし方
ドラえもんに出てくるスネ夫とその関係者たちはフランスのことを「おフランス」と記述していますが、決して丁寧語にする必要がある場所ではありません。作中の時間においては丁寧語にしたくなるような地だったのかもしれませんが、現時点ではそうとは言えません。もしかしたら私が知らないフランスの入り口があり、上流層向けの煌びやかな世界が広がっているかもしれませんが。
私が宿泊したところの治安は良く、結局スリに遭うこともアジア人差別に遭うこともありませんでした。後者は気づいていなかっただけかもしれませんが、何も問題が生じなかったことに安心しています。
街の歩き方ですが、最初のうちは道を譲ってもらえることはありませんでした。おそらく肩が萎んで俯きがちだったからです。少し経つと向こうでの暮らしにも慣れたのでしっかりと前を向いて歩けるようになり、道を譲ってもらえることも増えました。これは日本でも同様ですが、弱そうに見えると付け込まれます。また、フランスの信号は切り替わりが非常に速いです。加えて、車の運転も荒いため、横断歩道を渡ることに慣れるまで時間がかかりました。多くの人は信号よりも車の往来を横断する際の基準にしており、赤信号であろうと車が来なければ混んだいないと判断して歩いて行きます。私たちもだんだんとそのスタイルになれたため、旅の終盤ではフランス人さながらの横断歩道渡りニストになりました。
ちょっとした失敗を挙げるとすれば靴の選択です。さまざまな観光地を回る予定が立っていたらしく、パリを東西に横断する必要がありました。そのため、歩きやすいスニーカーを用意すればよかったと後悔しています。有名な観光地に行ったりJamboree会場に行ったりと、歩き回っていたためか平均の歩行距離は10 km程度でした。また、長時間のフライトのせいかフランスにいる間中、足が痛かったのでちょっと厳しかったです。
治安の悪いところを避けて移動していたおかげでもありますが、前述の通り差別はありませんでした。また、こちらが観光客だとわかると親切に対応してくださる方もいました。ただ、会話に使用した英語が難しかったです。私の聞き取り力がないせいですが、フランス語混じりが原因ではなく、非常に速い言い回しに置いてきぼりにされることが度々ありました。これは旅行中ずっと感じていましたが、そのくらいの英語でも会話を試みればなんとかず通じるものだといいように解釈し、適当な英語とジェスチャーで想定以上に人と話すことができました。また、中国の学生たちは英語の出来に関係なく積極的に会話を試みており、その姿勢に感銘を受けました。
円安に加えて欧州のインフレが私の財布を痛めつけました。ちょっとした買い物をするだけでも日本の1.5倍程度必要になります。私の頭が弱いのか、10 €を超えたあたりから金額の計算ができなくなり、却って20 €くらいまでなら安いと考えてしまうようになりました。これによって不必要な散財を繰り返してしまいました。フランスでは外食と自炊を行いましたが、私の口には日本食の方が合いました。渡航中に一番おいしかったのは北京空港で食べた麻婆豆腐です。流石に外食よりは自炊の方が安く済みましたが、それでも出費は大きかったです。パンも過剰の砂糖とバターによって美味しく作られている反面、足元を見てくる金額だったので、旅の終盤ではバゲットばかりを貪っていました。本格的なフランス料理を食べてみたかったのですが、同行者が多かったことに加えて費用もかかるのでそういった店に行きませんでした。結果として、日本のマクドナルドや寿司とフランスのそれらがどう違うのかを検証するというしょうもないことを行っていました。当然ですが、日本の方が美味しいです。
観光地で注意すること
スリや悪質な物乞いを避けることは当然ですが、それとは別に個人的に厳しかった部分を紹介します。
エッフェル塔は夜間にキラキラします。基本的には黄色から金色のように見える外見なのですが、1時間に1回だけキラキラします。偶然にもキラキラに遭遇できたのでカメラに収めようとシャッターを切ったのですが、よくよく考えるとキラキラは一瞬であり、写真ではなく動画に収めるべきでした。
フランスの観光地には当然ながら日本語を使用する人もいます。それなりに多くの日本語を使用する人がおり、妙な親近感が湧いたので出身や文脈を知りたくなり少しの間見つめたりしていたのですが、明らかに不審な動きだったと反省しています。その反面、彼ら彼女らが困っているときに手助けすることができなかったのは心の弱さからでしょうか。
自身の写真フォルダを見ているとそれなりの写真をとっていました。海外に行く機会はそこまで多くないと予想しており、そのため記録に残そうと思い、色々な写真を撮ったのですが、自分の姿があまりありません。自撮り文化は私の中に根付いていないためほとんどが建築物や美術品で埋め尽くされています。そこまで後悔していませんが、自分の姿のない写真はインターネットに転がっている知らない人が撮った写真と本質的に変わらないことに気づきました。要は、自分を画角に収めるだけなのにそれを怠り、誰にでも撮ることのできる写真を撮っただけでした。
お土産
フランスといえばワイン、チーズ、紅茶などさまざまな強みがあります。日本に大量にお土産を持って帰ろうと思っていたのですが少し誤算がありました。まず、ワインなどの酒類を関税がかからない範囲で購入する必要があります。750 mL程度のものが3本までだっと思います。同時にそれが入るだけのキャリーケースなどを用意しましょう。手荷物にした場合手荷物検査を通り抜ける際に没収されます。また、ワインについても事前に調べましょう。結局どの銘柄がどのような味かわからず、どれを持って帰ると喜ばれるかもわかりませんでした。
次に、チーズを持ち帰ることはかないませんでした。保存時間的に日本まで腐らせずに持ち帰ることが難しいと判断し断念しました。ハードタイプのものであれば不可能ではないらしいです。同時にバターも諦めました。これらの製品は、日本で購入するよりもかなり安価に購入することができるらしく、非常に厳しいです。また、私は持ち帰ろうとしていないのですがジャムやマヨネーズのようなものも手荷物だと没収されるらしいです。分散媒が液体だとおそらく液体判定されるようです。
そして、紅茶の持ち帰りには成功しました。一つ問題があったとすれば事前に調べなかったため、パッケージを見て雰囲気で決めるしかありませんでした。購入したものの風味は良かったので満足していますが、調査不足がかなり裏目に出ている結果となりました。
また、シャルル・ド・ゴール空港を利用したのですが、お土産を購入する場所がありません。正確にはブランド至上主義のマーケットが広がっていました。私には決して手の届かないブランドが立ち並んでいる他は街中にもあるようなコンビニがいくつかあるだけで、お土産を買うのに適していませんでした。空港内で購入するのでなく、事前に観光地等で購入することをお勧めします。一応ブランドでもコンビニでもないお店があるのですが、あまり私の興味が湧くものが置いておらず残念でした。
終わりに
帰りのフランス-北京間は隣席にアベックが座っており大変申し訳ない気持ちになりました。ふたりの世界を邪魔しないように機内食やワインを摂取しているうちに着陸し、彼らとはもう二度と接点を持つことは無くなりました。
以上が私のフランス渡航記です。何も調べないまま適当に海外に行った結果です。かなり楽しかったですが、もっと楽しめたんだろうとは思います。また、今回の旅のおかげで旅行に対する恐怖心がなくなったので、これからは積極的に国内旅行をしたいです。あと、自分のことを勝手にチームメンバーの引率者だと思っていたので、だれも怪我とかしなくて安心しています。