【留学】オンライン学習がどれだけ発展しても、私が海外留学を選ぶただ一つの理由。
世界中でロックダウンがさらに強まる、2021年1月を迎えました。
2020年を振り返って、これだけ海外が(物理以上に)遠く感じた1年は無かったのではないかと思います。
地球上のどこかに散らばった友人をオンラインでかき集め、それぞれの時計の下回線に乗せて作るコミュニケーションにも慣れた今日この頃ですが、
ふと5年前 - スコットランド留学直前の記録を見返すことがあり、
「もしコロナ禍があの時に起こったとして、私はやはり留学すべきだったのだろうか」
と思いました。
そして答えは「すべきである」でした。
あの時の私に渡す手紙のような思いで、このnoteを書いています。
5年間で今のあなたはこうなりました
詳しい自己紹介は本筋から外れるのですっ飛ばしますが、私は大学在学中の2015年から2016年にかけて英国北部スコットランドにある地方都市に留学していました。
そこかしこにいるウサギ
中学高校から成績自体は中の上くらい、得意な国語と政経で点を稼ぎ、苦手な数学と英語がいつも成績表の足を引っ張るタイプ。
半分本気で、「どうしたら私たち日本人が英語を勉強するのではなく、英語圏の人々が日本語を使う社会が作れるんだろうか」と妄想するくらいには英語が嫌いでした。
- 複雑な発音記号が嫌い(呪文すぎ)
- 英米で使い分けられる単語の多さが嫌い(統一してくれよ)
- 縦にシュッと長いアルファベットのビジュアルが嫌い(半角すら許せなくなっている)
自分からも英語からも、一生歩み寄ることのない2人だと思っていました。
それがなんと、仏系→米系→米系と、アルバイト以降は全て外資系企業と呼ばれる組織で働き、今の私は10数ヵ国のメンバーと一緒にプロジェクトを走らせています。
そんな自分を作ってくれたのが、あの1年の留学経験だと思う。
だから私は海外留学を、このオンライン学習が加速する中でも必要な選択肢だと考えます。
あなたの目的は英語を話すことですか?
英語を学ぶだけだったら、もしかしたら自宅でコツコツと勉強するのもいいのかもしれません。
単語帳やテキスト、動画を使って、驚くほど早く英語力が伸びた、という事例はよく見かけます(私はそれでも難しかったけれど)。
ただ、当時の私には憧れの職業があり、その職は海外ビジネスを自分で動かすようなポジションでした。
そして海外で戦うということは、今まで日本人として日本社会にいた多数派の眼鏡を外し、
色々な角度から一定のスピードで沈みゆく市場の人間、マイノリティとしての眼鏡をかけて戦術を学ばなければならないと理解していました。
言語はあくまでツールであり、言語を話せること=ゴールではなく
言語自体は多少拙くとも意思が伝わればいい。
それよりもマイノリティがマジョリティを動かすために何が必要かが知りたい
というのが私にとってのゴールだったのです。
(今でも追いかけているテーマです)
そしてそのゴールは、日本に暮らす限りは決してスタートすらできなかっただろう、と思うのです。
多数派の眼鏡をかけている限り、少数派の世界は見えない
現地留学の最大の魅力は、なんと言っても
「ぼーっとしていると死んでしまうかもしれない」
という環境を作り出せることです。
例えば住む場所。現地エージェントにお願いする場合も多いですが、
「待ち合わせ場所に誰も来なかったら?」
「鍵がもらえず部屋に入れなかったら?」
「入ったはいいものの水道も電気も通っていなかったら?」
など、ハプニングはつきません。
頼みの綱のインターネットだって、住むとなったら自分で回線契約する必要があります。
私は2日間くらい寮にこもって、どの通信事業者のどのプランがいいのか、日本語だろうが英語だろうが構わず調べ、
やっと理解できたところでそのプランのスクショをお店の人に見せて
「This, please」
だけ言ってSIM開通させました。
こんな経験は日本にいたらきっとしなかったことと思います。
家族や友人という輪だけでなく、飲み物ひとつとっても蓄積された会社・ブランドへのイメージや信頼感がありましたし、
何かあればちょっと聞いてみようか、なんてお気楽に構えていたからです。
多数派の眼鏡を外してみて、初めて当たり前が当たり前でないことに気づく。
少数派の眼鏡をかけて、慎重に、小さな擦り傷をたくさん作りながら勘所を探る。
このトライ&エラーを繰り返した1年間を、私は一生忘れることはないと思います。
いつでも目的と手段をリンクさせていよう、という話
オンライン学習に意味がないと言うつもりも、
英語を語学として習得することを否定するつもりもありません。
(そう伝わってしまっていたらごめんなさい、コメントください)
ただ、海外との行き交いが仕方なく遮断されてしまっている今、
「現地に行かなくても全く同じ経験ができる!」
「留学生は勉強に行っていたのだから、オンライン授業になれば自分の国にいても関係ない!」
というメッセージを見かけるようになって、本当にそうだっけ?と思ったことを書いてみました。
何より5年前の私(そもそも日本大好き人間・面倒くさがり)がこういうメッセージを聞いた時、
「なんだ、行かなくてもいいのか〜」
と軽く現地留学を選択肢から外してしまうような気がして。
そもそもなんでそれをしたいんだっけ?する必要があるんだっけ?という、
目的(したいこと・ゴール)と手段(やること)がバラバラになってしまわぬよう
自分のアタマで考えていきたいなと思った次第。
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