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マーケット|要人発言多し。米小売売上高はサプライズも
ストリート・インサイツの経済アナリスト・安田佐和子さんが為替市場のイベントやトピックを解説してくれる「イベント・インサイツ」。週初に更新しています。動画版はYouTubeでご覧ください。
目次
2月3日週の振り返り
まずは先週の動きを振り返ります。先週はドル円が下落する展開となりました。
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2月3日、前週末にカナダとメキシコ、中国への関税を4日にも発動する大統領令に署名した影響で東京時間は上昇しながらも、以降はトランプ氏の「EUにも必ず関税を課す」との発言も意識され、リスクオフの展開となりました。
その後、カナダ、メキシコとは30日間の関税発動見送りで合意したものの、ドル円の戻りは限定的でした。
4日は中国に対する追加関税10%が発動し、リスクオフの展開。
5日は日本の12月実質賃金が2か月連続で前年比プラスとなり、早期の日銀追加利上げ観測が高まった結果、ドル円は153円を割り込みました。
6日は田村審議委員のタカ派的な発言で152円割れ。
7日は日本の12月実質個人消費が5か月ぶりにプラスに反転、早期の日銀追加利上げ観測をサポートしドル円の下落を促しました。
ニューヨーク時間に発表された1月・米雇用統計は概して堅調な労働市場を示唆したためFF先物市場(アメリカの政策金利にあたるFF金利の先物市場)では、6月FOMCでの据え置き観測が利下げ観測を逆転することとなりました。
それでもドル円はさらなる下落を迎えます。トランプ氏が「来週にも相互関税を課す」と発言。リスクオフが再燃し、一時150円93銭と週安値をつけました。
2月10日週の注目指標
次に今週の注目指標をお伝えします。今週はトランプ氏が相互関税を発表する見通しです。
USスチール買収をめぐり日本製鉄・幹部との会談も予定します。その他にも経済指標や中央銀行関係者の発言が多い1週間となります。
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2月11日(月)のイベント
2月11日は、ベイリー・イングランド銀行総裁に始まりNY時間にはグリーブランド連銀総裁の発言も予定します。
さらにはパウエルFRB議長による半期に一度の議会証言も行われる予定です。その後も要人発言が続々と続きサンフランシスコ連銀総裁やニューヨーク連銀総裁、ボウマンFRB理事などが続きます。
2月12日(火)のイベント
12日は、1月・米消費者物価指数(CPI)を予定します。コアCPIが市場予想どおり鈍化するならば、足もとのドル円下落トレンドを後押ししそうです。
12日はFRB高官の発言が相次ぎます。ニューヨーク連銀総裁に始まり、アトランタ連銀総裁やウォラーFRB理事と続きます。
2月13日(水)のイベント
13日は、日本の1月・企業物価指数を予定します。この中には「円ベースの輸入物価」が含まれ、前月は前年比でプラスに転じました今回もプラスが続くのであれば日銀の追加利上げ観測を高めそうです。
13日はこのほか1月・米生産者物価指数(PPI)や米新規失業保険申請件数を予定します。
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2月14日(木)のイベント
14日は、1月・米小売売上高が発表されます。小売売上高のうち、自動車を除くコアの小売売上高についてシカゴ連銀は前月比0.8%に増加すると予想しています。この通りとなれば市場予想の0.3%の増加を上回り、サプライズと受け止められ、ドル円が上昇で反応しそうです。
14日はこのほか、ダラス連銀総裁の発言も予定します。
米小売売上高にサプライズの可能性
アメリカの経済指標では今週、1月・米CPIと米小売売上高を予定します。クリーブランド連銀の「ナウキャスト」によると、1月のCPIは前年比2.9%。前月と同水準になる見通しです。
コアCPIについては3.1%と前月3.2%から鈍化する見通しとなっています。この通りとなれば足もとのドル円の下落トレンドを後押ししそうです。
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小売売上高は市場予想を上回る可能性があります。シカゴ連銀の予測値では自動車を除くコアの小売売上高が前月比0.8%の増加と予想されているためです。
市場予想では0.3%となっておりシカゴ連銀の予測通りとなれば、ドル円は上昇で反応しそうです。
以上、今週の経済指標「イベント・インサイツ」、安田佐和子がお届けしました。どうもありがとうございました!
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