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絵画教室に通い始めて2年、20代で個展をやってみた感想
こんにちは。画家の高木葉孝です。普段は障害者雇用でアートの仕事をしながら並行して自主制作をしています。
元々独学でイラストの勉強をしていましたが限界を感じ、絵画教室に入会しました。入会してから2年でアートの個展を開いてみました。そんなわたしの感想を記します。
結論
個展開催自体は誰でもできる!そして、個展をやってよかった!
・個展は誰でもできる?
まず、事務的な意味で個展を開くのは誰でも可能です!
もちろん個々のギャラリーによって決まりはありますが、ギャラリー使用料を払って一定期間開催するレンタルギャラリー・貸し画廊方式なら誰でも可能です。僕のような「2年しか絵画を習っていないけど、個展をやってみたい!」みたいな人でも大丈夫でした。
自分は「周囲から声がかかるほどの偉い先生や話題の作家が個展を開く…」こんなイメージでしたが、これは企画ギャラリーのイメージでした。
では実際の準備は?
ギャラリーを予約してからは作品作りでした。油彩、アクリル、水彩、木炭、マーカーなど全部で40作品。ギャラリーを予約して約10カ月で描きました(もちろん過去作からテーマが合いそうなものも入れています)。
元々障害者雇用でのアート活動で月3作ペースは守れていたのでモチベーションは大丈夫でした。ただ、クオリティーを上げる努力は直前までしていました。乾燥が早いアクリル画で最新作を描き、古い作品や納得できない作品を候補から外す…を繰り返して良い作品を追い求めていました。期間内に作品を作る事は良い経験値になりました。
他にはDM作成、名刺作成、作品グッズ制作、作品輸送準備、販売のマニュアル作成など…細かい作業があります。ただこのあたりの作業は絵の制作の気分転換になりますので合間合間に進めていくとすごく捗ります!昔、文化祭の準備が大好きだったのでこういった作業は大変でありつつも結構楽しかったです。
・個展をやって良かった理由
■目的を持った練習ができたから
普段自由に描いている絵と違って、展示販売する場合テーマ性や統一感は大事です。今回、ギャラリーの雰囲気に合わせてナチュラルな絵画を多く制作しました。自分はつい絵のトーンが暗くなりがちなのでギャラリーに合わせて明るめに描く意識が強くなりました。
他にも動物がモチーフの連作を数点作り、動物の描き方の技法を高めることができました。
テーマに沿って作品を作ると「絵が上手くなりたい」という漠然とした悩みが「葉っぱのテカリの表現はどうしよう?」「中央に視線を集めるにはどうしよう?」など悩みが細分化して上達に具体性が増しました!
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■自分の価値観と、お客様の価値観のすり合わせができたから
お客様から直接感想を頂けるのは本当に助かりました。幸いひどい感想を言う方も皆無で、アドバイスだったり誉め言葉だったりと助かりました。「予想通り青色の絵は反応がいいな」「動物の絵は動物好きな方が注目してくれる」「ナイフペインチングの絵は評価が高かった」などの収穫が得られました。こうした反応は本当にためになります。
そして純粋に絵を褒められるのは嬉しいです。これは確実にパワーになります。
■絵でお金を直接稼ぐ成功体験が得られたから
自分の絵が直接売れる瞬間はとても嬉しいです。遠方から来てくれた友人が私の絵を買ってくれたのですが、本当に嬉しい瞬間でした。
会期中に売れた作品はこの1作のみですが、作品ブロマイドや画集などのグッズ等たくさんのお客様にお持ち帰りいただきました。本当に嬉しかったです。
売り上げの面から見ても、会期中の売り上げと会期直後に購入された分も含めると個展期間中の宿泊費と配送代は回収できるほどになりました。
作品を作ることに目が行きがちですが、作品を売る事、アピールする事にも力を入れるべきだと思えました。(これを書いている今も通信販売の準備を進めています。)
総括
・個展はレンタルギャラリーなら初心者でも開催できる
・個展をやることで絵の課題が細分化され上達につながる
・個展で得られたお客様の感想は大きなモチベーションになる
私は本当に個展をやって良かったと思います。一度個展を開くことで「次はこうしたい」「もっと絵を人に見せる機会を増やしたい」などの前進する気持ちが強くなったからです。
それと自分は20代後半でアートを習い始めたのですが、「20代のうちに個展をやってみたい」との目標を立てていました。今後「20代で個展を開いた」という経験は宣伝にも、自信にもなるでしょう。そういった意味でも挑戦した甲斐がありました。
そして画家としての自分に仲間ができます。新しく個展に来てくれたお客様や画家の方、応援してくれる絵画教室の方々、ギャラリー関係者の方々…そして元々個人として関係のある親族、友人などの関係性もより良いものとなりました。
発表することで自分を見つめ直す。仕事では当たり前ですが、画家活動で第一歩を踏み出せた事を嬉しく思います。