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文献まとめ サルコペニアと栄養療法③

こんにちは。今回もサルコペニアと栄養療法について文献をもとに続きをまとめていきたいと思います。

『サルコペニアと栄養療法』 西岡心大 
 CLINICAL REHABILITATION Vol.29 No.12 2020.11 の続きで3回目です。

【】内は原文引用です。

今回は
・疾患合併時のサルコペニアに対する栄養療法の注意点

についてですね。前回までは予防、治療についてでしたが、今回はその注意点ということになります。何事もリスクを考慮して取り組んでいかなければなりません。


疾患合併時のサルコペニアに対する栄養療法の注意点


【炎症を伴う急性疾患(重症敗血症、熱傷、多発外傷等の重症疾患)や慢性疾患(悪性腫瘍、慢性心不全、慢性呼吸不全等)は骨格筋の異化を惹起し、筋量・筋力の減少や機能低下をもたらす】

以前勉強した知識ですが、筋肉には異化、同化があり異化>同化の状態であると体重が減少します。

※1 
  同化(合成):
   生体内でエネルギーを用いて、糖質、脂質、蛋白質、核酸などを合成する過程
  異化(分解):
   糖質、脂質、蛋白質などを分解してエネルギーを得る過程

※1:PT・OT・STの為のリハビリテーション栄養 若林秀隆 より

各々の病態を評価して適切な栄養療法を展開していきたいですね。体重や筋力だけでも判断できません。内部疾患、外科疾患など、それぞれどんな特徴があるのかも勉強していけなければいけんませんね。

自分もまだそこについては弱いため、今後の課題です。


ICU-Acuquired Weakness(ICU-AW)

【集中治療室(intensive care unit ;ICU)入室患者に代表される重症疾患患者では骨格筋量が急激に減少する】
【ICU入室患者に生じる全身性、左右対称の神経筋機能低下はICU-Acuquired Weakness(ICU-AW)とよばれ、ICU入室患者の43%に生じるとされている】
【ホルモンバランスの変化による異化亢進、不活動、ミトコンドリア機能異常、オートファジー機能不全がICU-AWの原因となるが、これらはサルコペニアと一部共通する】

ここからICU-AWに対する栄養療法がサルコペニア対策にもなると著者は書いています。

実際には入院早期に目標栄養量到達と高血糖はリスク因子になるため以下のようなことが書かれていました。

【具体的にはICU入室後1週間まで目標栄養量に達することは避け、その後は35kcal/kg以上を目安に栄養量を増加させることが合併症予防や回復のために推奨されている】

何が何でも早期に栄養量確保というわけでは無いんですね。僕は急性期での勤務経験が無いために知りませんでした。

急性期で働いている方のなかでは基本なのでしょうか。やはり生命活動を維持するための栄養ですから、体の状態を全体的に見ることが大事ですね。また時期によって十分注意が必要ですね!

慢性疾患患者に対して

慢性疾患患者では全身性の炎症と負のエネルギー・たんぱく質出納により骨格筋量が減少し、悪液質に陥る。

悪液質はよくがん悪液質として耳にすることが多いと思います。

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筋力低下が特徴的で、体重減少、食べられないなどがありますね。

この筋力低下は食べられないことのみに起因するのではなく、複雑な代謝異常によって起きています。

また
【悪液質は悪性腫瘍だけではなく慢性心不全、慢性呼吸不全、慢性腎不全、慢性感染症等、持続的に全身性炎症を生じる病態が原因となり得ると考えられている】
【悪液質の病態は複雑であり、栄養、運動、薬物、心理社会的アプローチを含め多面的に介入することが治療の原則である】

とあります。がんでなくとも悪液質の可能性を考えてみていく必要がありますね!

そしてこの多面的に介入するというのは難しそうですね。これこそチームアプローチが必要となりますね!まずは自分自身これをしっかり頭に入れておきたいと思います。

悪液質はリハ栄養を考えるうえで避けては通れませんね。かくいう僕も勉強するまで言葉と内容はなんとなく知っているけど詳しくは分かりませんでした。

他にも悪液質とは別に炎症を伴わない神経筋疾患もサルコペニアになることがあり、進行性で、この場合サルコペニア改善は難しいことなどが書かれておりました。ただ、そういう場合でもサルコペニア悪化を予防することは重要とのことです。


終わりに

ここまで3回にかけて文献を基にまとめてきました。

リハ栄養は知識を入れても、実際に動き出す(知識を患者さん、利用者さんなどに還元する)には、リハの技術を学んで実践するより特に意識が必要だと思ってます。

というのは、技術や評価法の勉強は学んですぐリハの場面で実践できます。

リハ栄養となると特に多職種連携が必要なので、自分からしっかり多職種にアクションしていかないと何も始まらないと思います。

だからこそ、リハ栄養の重要さを皆に共有してもらえるよう働きかけ、実際に協働していくことが大事ですよね!

こう学んで書いているとエネルギーが湧いてくるので、このエネルギーをそのまま職場にもっていってみます!

今日はここまでで終わりにしたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

また色々学んだことをアウトプットしていければと思います!

それではまた~!!




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